企業が公式な発表をする際に「ステートメントを出す」と表現することがあります。「ステートメント」は英語に由来する単語ですが、日本語ではどういった意味、使い方で用いられるのでしょう。プログラミングにおける「ステートメント」や「企業のステートメント」、金融業やファッションなど様々な使用例と共に解説します。
「ステートメント」の意味とは?
「ステートメント」の意味は”公式な声明”
「ステートメント」の意味は、“公式な声明”です。「声明」とは”自分の考えをはっきりと告げること”という意味で、たとえば「公式な文章、公式な発言」を指して”ステートメント”ということが多いです。
英語「statement」は”陳述・声明”という意味
「ステートメント」は英単語”statement”に由来します。英語の「statement」には、”述べること、陳述、声明”などの意味があります。また「貸借表、計算書」などの意味も持つ単語です。
- a negative statement(否定の陳述)
- a prepared statement(用意された声明)
- There is a separate statement(別途記載あり)
ビジネスシーンでの「ステートメント」の使い方とは?
「ステートメント」とは”対外的に公表したもの”を指す
「ステートメント」は政府や企業が”対外的に公表したもの”に対して用いられます。たとえば、政府が発行した文書や発表した声明を指して「ステートメント」としたり、企業が従業員や株主などに向けて出した文書を指して「ステートメント」と使用したりする例が挙げられます。
- 政府が新たにステートメントを発表した。
- ホームページに記載するステートメントを書く。
「ミッションステートメント」とは”企業の社会的使命”
企業での使用例では「ミッションステートメント」もあります。「ミッションステートメント」とは一般に、企業の社会的使命、社会的役割を明文化したものをいうことが多いでしょう。「ミッションステートメント」では株主や顧客をターゲットに難しい言葉を使わず、分かりやす文言が使用されるのが通例です。
「ビジョンステートメント」とは”未来像・理想像を明文化したもの”
「ビジョンステートメント」とは企業の”ビジョン”、つまり未来像や理想像について明文化したものです。この「ビジョンステートメント」には対外的な役割のほか、従業員が企業の目標を理解し共有するという役割もあります。
金融機関での「ステートメント」は”取引記録”
金融機関で「ステートメント」と使うと”取引記録・明細書”の意味になります。取引の内容を「詳細に述べたもの」であることから”ステートメント”の単語が用いられるようです。「口座収支報告書」も別名”ステートメント”と呼ばれる書類です。
IT・プログラミングの「ステートメント」とは?
コンピュータプログラムでは命令を出すための「文」
コンピュータプログラムにおける「ステートメント」とは、命令を出すための「文」を指します。「ひとつの命令を出すための文」が”ステートメント”です。
c言語・java・vbaの「ステートメント」
たとえば、c言語では{}内に記述された「;」で終わる命令が「ステートメント」と呼ばれます。c言語の影響を受けたjavaも「;」で終わる命令がひとつの「ステートメント」となります。
一方、c言語やjavaのような特定の記号を使用しない例ではvbaが挙げられます。vbaは1行に1つの命令を記載する古い言語に基づいていることから、プログラムに記載される1行の命令が「ステートメント」であるのが特徴です。
ファッション・芸術での「ステートメント」とは?
ファッションでは「大ぶりのデザイン」に使う
「ステートメントイヤリング」とは、耳よりも大きいものや肩につくほど長いイヤリングのことです。ファッションにおける「ステートメント」は大ぶりのデザインに対して用いられ、耳飾りに限らず「ステートメントジュエリー」という表現もあります。
芸術の分野では「作品解説・作者説明」のこと
絵画、写真などアート作品にも「ステートメント」が添付されます。この場合の「ステートメント」は、作家や作品について解説した文章を意味します。「アーティスト・ステートメント」も同じ意味の表現です。
芸術作品における「ステートメント」は興味を持ってもらうための重要なはたらきを担います。
まとめ
「ステートメント」とは一般には「声明、陳述」などと訳されます。「政府がステートメントを発表する」といった使い方の他、金融やプログラミング、ファッションなど多分野で異なる使い方をされるので、文脈に応じた解釈が求められます。
ビジネスでの最も身近な使用例は「企業のステートメント」でしょう。「ミッションステートメント」や「ビジョンステートメント」は企業の社会的な使命や未来像、目標などを明文化したものです。対外的な役割だけでなく、従業員が企業の目指すべきものを共有するという役目も担います。