「概算」の意味と使い方とは?概算見積や類語・対義語と計算方法も

「費用を概算する」や「概算見積を出す」など「概算」は金銭に関するワードのひとつです。ビジネスシーンでしばしば耳にする「概算」について、その意味や計算方法、使い方について解説します。また「概算見積」と「本見積」の違いや類語、対義語、英語訳など関連用語についても触れています。

「概算」の意味とは?

「概算」の意味は”おおよその見積もり、計算”を意味す

「概算」の意味は、“おおよその見積もり、おおよその計算”です。「概算」の「概」には”大体のところ、おおむね”といった意味があり、精密にではなく、ざっと計算することや大まかな数字を使った計算のことを「概算」と言います。計算方法だけでなく、計算結果を指しても用いられます。

「概算」では切り捨てや四捨五入で計算する

「概算」は「概数」で計算するのが通例です。「概数」とは、切り上げや切り捨て、四捨五入などによる”おおよその数”のことで、たとえば「32476」は「32000」、「63587」は「64000」が「概数」ということができます。一般には四捨五入して「概数」を表すことが多いでしょう。

こうした「概数」に直して計算する他、また計算結果を「概数」であらわすこともあります。

  • 32476+63587=96063(大体96000)
  • 概算例:32000+64000=96000

「概算」の使い方と例文とは?

「概算金額」や「概算する」とお金に関して使う

「概算」は「概算見積」という表現以外でもお金に関して使うことが多いです。たとえば「概算金額」とは”概算で出された金額”を意味します。また、「費用を概算する」のように動詞として使うこともあります。

例文
  • 旅費の概算を出す。
  • プロジェクトにかかる費用を概算する。
  • 概算金額で構わないので明日までに連絡してください。

「概算払い」は確定していない金額を払う際の表現

「概算払い」とは”概算で支払うこと”を意味します。もう少し詳しく言うと、確定していない料金で支払いを行い、金額が確定した際に過不足金を精算する方法を「概算払い」と言います。たとえば、出張の際に、事前に「概算払い」で旅費を受領し、出張後に領収書と併せて精算する、といった例が挙げられるでしょう。

「先に支払う」という意味合いでは「前払い・前金払い」と似ていますが、これらは金額が確定している場合に使用する点で異なります。

「概算要求」は予算編成に関するワード

「概算要求」とは国の予算編成に関連するワードです。例年8月末までに、翌年度の政策実施に必要な経費の見積書が各府省庁から財務省に提出されますが、この見積書が「概算要求書」と呼ばれます。

この「概算要求」には、あらかじめ目安となる基準が定められています。財務省ではこの「概算要求書」をもとに検討し、調整を行うのです。

「概算見積」の意味とは?

「概算見積」は大まかな見積もりを指す

「概算見積」とは文字通り”概算による見積もり”のことです。「概算見積」を指して単に「概算」ということもあります。一般には、事前に大まかな費用を確認したい場合に「概算見積」を依頼するケースが多いです。

実際の請求額と一致するのは「正式見積」

「概算見積」に対して、精密に計算された見積もりは「正式見積」や「本見積」と呼ばれます。商品の数量はもちろん、細かい条件を正確に持りこんだものが「正式見積(本見積)」です。

そのため、発注時に優先されるのは「正式見積」であり、請求も「正式見積」にのっとって行われます。

「概算見積」の額より高くなることはある

ビジネスシーンで時折発生するトラブルのひとつに、「概算見積」と「正式見積」の差額の大きさが挙げられます。「概算」では四捨五入や切り捨てした数字を用いて計算するため、どうしても誤差が発生します。そのため、後に発行された「正式見積」の方が高いケースも存在します。

不要なトラブルを防ぐためには、あらかじめ高くなる可能性があることを伝える、あるいは「概算」の数字に幅を持たせるなどの方法があります。

「概算」の類語と対義語とは?

「概算」の類語は”推算”

「概算」の類語には“推算(すいさん)”が挙げられます。「推算」とは文字通り”推定によって計算すること、推計”を意味します。また、口語表現ですが「ざっと計算する」という言い方をすることもあります。

例文
  • イベントの参加者を推算する。
  • ざっと計算しても、これでは到底予算が足りない。

「概算」の対義語は”精算”

「概算」の対義語は“精算(せいさん)”です。「精算」とは”細かく計算すること”を意味します。この「精算」の「精」には、”こまやかに、くわしくする”などの意味があり、「概算」とは対義的表現であることがわかるでしょう。「過不足なく正確に計算すること」や「細かく計算して正しい金額を出すこと」のように金銭に関して用いられることの多い表現です。

例文
  • 旅費を精算する。
  • 経費の精算書類を提出する。

「概算」の英語訳とは?

「概算する」は英語で”estimate”

「概算する」の英語は“estimtate”を使って表現します。「estimate」は動詞では”見積もる、推定する”、名詞では”見積もり、概算”などの意味を持ちます。「概算」のもつ「大まかな」というニュアンスを加えるために「estimate roughly」や「make a rough estimate」と英訳されることも多いです。「概算額」という意味では”rough amount(大まかな額)”の表現が使用できます。

「概算」の英語例文

「概算」の英語表現を使った例文をご紹介しましょう。

  • I will send the rough amount.(概算額を送ります)
  • I will give a rough estimate.(概算見積をご提示します)
  • This price is an estimate.(この料金は概算です)
  • The rough estimate is****.(概算見積は****です)

まとめ

「概算」とは”大まかに計算すること、精密ではなくざっと計算すること”という意味です。一般に、金銭に関するワードとして用いられ、「概算見積」を指して単に「概算」と使うこともあります。「概算」はあくまでも大まかな数字で計算したものなので、正式な見積書では金額が上がることも少なくありません。「概算見積」を出す場合、あるいは受け取る場合は金額の変動に注意が必要です。