「非常識」の意味とは?類義語や「非常識極まりない」の例文も紹介

「なんて非常識な人だ」「非常識極まりない」と人の言動を非難することがありますが、この「非常識」とは具体的にどういった意味なのでしょう。「非常識」の意味と具体例をはじめ、使い方を例文で解説します。また、類語やカジュアルに使える英語訳やスラングついても紹介します。

「非常識」の意味とは

「非常識」とは「常識のないこと」という意味

「非常識」とは「常識がないこと、常識を欠くさま」を意味します。「非」には「打ち消し(〜ではない)」という意味があり、「常識」として当然知っていなければならないことを知らなかったり、当然こうあるべきとされる規範に外れている様を指して「非常識」といいます。

「非常識」とされる具体的な例え

「非常識」のわかりやすい例えとして、マナー違反が挙げられます。列に並ばずに割り込んだり、歩きたばこなどは「非常識」とされる行動です。また、自己中心的な言動や謝罪・感謝の言葉が出ない様も「非常識」の代表的な例と言えるでしょう。人として当然とされる行動がとれない、ということがポイントです。

ビジネスシーンでは、電話を受けたのにメモを取らない、職場で私用電話ばかりするといった行動が挙げられます。

「非常識」の使い方と例文

「非常識な〇〇」と言動を指して使う

「非常識」は「非常識な〇〇」の形でよく用いられます。例えば「非常識な言動」「非常識な発言」などです。

例文
  • 新入社員の非常識な言動が目立つ
  • 非常識な発言は控えてほしい

「非常識な人」と相手を非難する例も

「非常識」は「非常識な人」「非常識な友人」など、人を指して使うこともあります。例えば、夜中に突然連絡して押しかけてきたのにお詫びの一言もない、というように複数の出来事が重なった際に使うことが多いです。

例文

非常識なママ友とは距離をおき、最低限の付き合いにした。

「非常識極まりない」と憤りを表す

「極まりない(きわまりない)」とは「この上ない」という意味の表現で、「非常識極まりない」は「この上なく非常識」というニュアンスになります。「非常識」はそもそも悪い意味で用いられることが多い表現ですが、相手を非難するニュアンスがより一層強くなる言い回しです。

また、似た表現では「非常識も甚だしい(はなはだしい)」も挙げられます。「甚だしい」とは「程度が普通の状態を超えている」ことを意味するため、「非常識極まりない」と同様に度を超えた「非常識さ」を表します。

例文
  • ここの店員は、非常識極まりない
  • ビジネスパートナーにあんな態度をとるとは、非常識も甚だしい

「非常識」の類語・類義語とは

「非常識」の類義語は「世間知らず」

「非常識」の類語には「世間知らず」が挙げられます。「世間知らず」とは、経験が浅いために世の中の事情に疎いという意味です。「彼は世間知らずだ」のような表現で、自分よりも若い世代や年齢のわりに物事を知らない人に対して使われます。

「筋違い」「めちゃくちゃ」も類語として使える

「筋違い」とは「道理にはずれた言動をとる様、見当違い」という意味です。「君が怒るのは筋違いだ」「筋違いな要求」のように本来正しいとされる事柄から外れる様を表します。

「めちゃくちゃ」は、口語表現として「めちゃくちゃ疲れた」と程度を表す語として馴染みがありますが、「全く筋道が通らないこと、度外れなこと」という意味も持ちます。漢字では「目茶苦茶」または「滅茶苦茶」と書き、「めちゃくちゃなことをいうな」「君が言っていることはめちゃくちゃだ」など常識的ではない様を指して使える表現です。

「常識外れ」は良い意味でも使われる類語

「非常識」と似た意味の表現には「常識外れ」もあります。「常識外れ」とは、文字通り「常識の範囲を超えている」という意味です。

「常識外れ」は、一般的に考える範囲を超えているという良い意味でも使われる特徴があります。「常識外れの発想力で、彼は数々のヒット作を世に送り出した」と好意的なニュアンスでの使用が可能です。

「非常識」の英語訳とは

「非常識」は英語で「lack of common sense」

「非常識」の英語訳では「lack of common sense」という表現が用いられます。「lack」は「欠如」、「common sense」は「常識」を意味しており「常識の欠如=非常識」というニュアンスです。また、「no common sense」や「lack」を動詞で使った英語訳もあります。

「非常識」の英語例文
  • He has no common sense.(彼は非常識だ)
  • He lacks common sense.(彼は非常識だ)

また「非常識な」という意味では「senseless(不合理、無意味)」や「absurd(不合理な)」を使い「Don’t be absurd.(非常識なことをするな)」などと英語訳する例もあります。

スラングでは「It’s crazy/insane」と表現する例も

会話のなかでカジュアルに用いられるフレーズとしては、「It’s crazy.」「It’s insane.」が挙げられます。直訳すると「正気ではない、頭がおかしい」という意味ですが、スラングとしては「やばい」「あり得ない」といったニュアンスです。

「非常識」という直接的な意味ではありませんが、「非常識な言動」や「非常識な人」に対し「He is crazy.」と使うことができます。

まとめ

「非常識」とは「常識のないこと、常識を欠いている様」を意味します。一般的に知られている知識がなかったり、誰もが重んじる規範を破ることに対して用いられる表現です。「非常識な言動」「非常識極まりない」と非難するニュアンスで使うことも多いでしょう。