「不採用通知」の書き方とは?郵送・メールの例文と返信例も解説

採用活動をした場合、企業は合格通知や採用通知と並行して「不採用通知」を送ります。本記事では「不採用通知」の書き方のポイントをはじめ、「不採用」の伝え方を例文で解説します。また「不採用通知」のタイミングの早い・遅いや「不採用通知」を受け取った際の返信例も紹介しています。

「不採用通知」とは

「不採用通知」は「不採用を知らせること」

「不採用通知」とは文字通り「不採用を知らせること」です。採用選考に参加した人に不合格を知らせるのが「不採用通知」で、不採用を知らせるメールや書面を指して「不採用通知」と言うことも多いです。

「不採用通知」は電話よりメール・郵送が多い

「不採用通知」は電話で行われるよりもメールや郵送による書面での通知が一般的です。悪い知らせほど気を遣うこと、また、“言った言わない”のトラブルを避けるために電話での通知は避けられがちです。

一方、メールによる「不採用通知」の利点は費用がかからないこと、また即時で相手に届けられることが挙げられます。応募書類を返却する場合は、書類の返却を兼ねて郵送で不採用通知を送ることもあります。応募書類を返却しない場合は個人情報の保護に十分配慮して責任を持って廃棄する旨をメールに記載するのが通例です。

「不採用通知」の書き方

件名は「選考結果のご連絡」が無難

「不採用通知」のタイトルは「選考結果のご連絡」が一般的です。メールの場合は件名にも「選考結果のご連絡」と記載し、加えて企業名を書きます。

例文

選考結果のご連絡【○○株式会社】

「不採用」とは書かないのが通例

「不採用通知」ではタイトルはもちろん、本文中でも「不採用」という語は使用しないのが通例です。「採用を見合わせていただくこととなりました」「ご期待に添いかねる結果となりました」などといった表現が一般的です。

「不採用」の理由は書かないのがベター

誰もが不採用となった理由が気になるものですが、「不採用通知」でその理由に触れることはありません。結果に納得できない応募者からその内容について問い合わせがくるケースがあるためです。たとえば「当社の規程に達しなかったため」などといった表現も避けましょう。

また、もし何らかの問い合わせを受けた場合でも次のように断るのが通例です。

例文

当社規定により不採用理由については回答いたしかねます。
誠に申し訳ございませんが、ご理解・ご了承いただけますと幸いです。

多数の応募により定員に達した場合の記載例

相手の能力の問題ではなく、応募者多数によって採用を見合わせることもあるでしょう。そういった場合でも「定員に達した」などの文言は使わないのが通例です。一方で多数の応募があったことについては「多数の応募があり選考基準が高いものとなった結果、採用を見送らせていただくことになりました」などの言い回しを使うことはあります。

応募への感謝と応募書類の取扱いについても忘れずに

「不採用通知」でも不要に企業イメージをダウンさせないために、応募者への敬意と感謝の気持ちが伝わる文面を心がけます。企業として真剣に選考したこと、十分に検討したことを伝える姿勢を見せることが大切です。

また、応募書類を返却しない場合は既に案内している場合でも、再度、個人情報に配慮して廃棄する旨を記載するのがマナーです。

郵送する際の封筒の表書き

郵送で「不採用通知」を送る場合は一般的な封筒で送って問題ありませんが、プライバシーに配慮する意味で「親展」と記載する例もあります。また、応募者に確実に通知が行き届くように簡易書留を使用したり、追跡可能な手段を使うのも良いでしょう。ただし「不採用通知在中」のように内容がわかる記載は避けます。

「不採用通知」の例文・テンプレ

「不採用通知」メールの文例

例文

【件名】選考結果のご連絡(株式会社○○)

○○ □□様

この度は弊社の求人にご応募いただき、誠にありがとうございました。

応募書類をもとに慎重に選考を重ねました結果、
今回は採用を見送らせていただくこととなりました。

誠に恐縮ではございますが、何卒ご了承賜りますようお願いいたします。

尚、お預かりした履歴書につきましては、弊社にて責任を持って破棄させていただきますので、ご了承のほどお願い申し上げます。

末筆ではございますが、○○ □□様の今後のご活躍をお祈り申し上げます。

郵送の場合の文例

例文

○○ □□様

選考結果のご通知

拝啓 この度は弊社求人にご応募いただきまして誠にありがとうございました。

○○様の応募書類をもとに社内で慎重に検討しました結果、誠に残念ながら
ご期待に添いかねる結果となりました。

大変恐縮ではございますが、何卒ご了承賜りますようお願いいたします。

末筆になりますが、当社にご応募いただきましたことに感謝申し上げるとともに
○○ □□様の今後のご活躍をお祈り申し上げます。

敬具

「不採用通知」のタイミングは?

早いと3日、遅い場合でも1週間が目安

「不採用通知」の目安は大体選考日から3日程度で、遅くとも1週間以内で通知を送るのが一般的です。

結果を待たせすぎるといらぬ期待を持たせるほか、応募者の就職活動にも差し支えることがあります。とはいえ、選考の翌日に「不採用通知」を出すのもあまりいい印象を与えません。結果が早すぎる=適当な選考をしたのでは?と不誠実な印象に繋がりやすいです。

1週間を超える場合は連絡を

合格、不合格に関わらず選考日から結果の通知までに1週間以上かかる場合には、その旨を連絡するのがマナーです。選考の通知が遅れていることを謝罪するとともに、結果通知の目安について連絡しましょう。

「不採用通知」を受け取ったら?

「不採用通知」への返信は不要

「不採用通知」を受け取った場合、メールでの連絡であっても返信は不要です。残念ながら縁がなかった企業ですので、それ以降はほかの選考中の企業に集中して問題ありませんし、特段失礼にも当たりません。

「不採用通知」に返信するケースとは

一方で二次、三次と選考が進むにつれて人事担当者や面接担当者によくしてもらったので一言お礼を述べたい、というケースもあります。その場合、不採用理由などには触れず、簡潔なメールが適切です。

例文

株式会社○○
人事部 △△様

お世話になっております。
○○ □□と申します。

先日はお忙しい中、貴重な面接のお時間をいただきましてありがとうございました。
△△様には選考期間中大変お世話になりましたこと、感謝申し上げます。

この度は私の力不足のため不採用となり残念ではございますが、
末筆ながら、貴社の益々のご発展と△△様のご健勝をお祈り申し上げます。

【署名】

まとめ

「不採用通知」とは文字通り、不採用であることを知らせることを言います。一般にメールあるいは郵送で書面で行うことが多く、遅くとも選考日から1週間が目安です。「不採用」という事実は応募者にとって悪い知らせであるため、企業のイメージを損なわないよう相手に配慮した文面、応対が求められます。お互いのためにも配慮ある対応ができるとよいでしょう。