イニシアティブとは?政治における意味とイニシアチブの違いも解説

ニュースやビジネスシーンで「イニシアティブ」という言葉がよく使われます。主な意味は「主導権」ですが、政治やスポーツなど各分野によって使い方が異なります。

今回は「イニシアティブ」の意味を分かりやすく説明するとともに、シーン別での正しい使い方や類語との違いについても紹介しましょう。

「イニシアティブ」の意味とは

「イニシアティブ」の意味①「主導権」

「イニシアティブ」には複数の意味があります。よく用いられているのは、「主導権」「率先する」という意味での使い方です。

ここでいう「主導権」は、みずからが主体的に物事や会話を進められる立場にあることという意味になります。また、「率先」とはみずからが先に立つということです。ビジネスシーンで「イニシアティブを握る」「イニシアティブをとる」というように使われます。

「イニシアティブ」の意味②「積極性」

イニシアティブには「積極性」という意味もあります。文章では、積極的に物事に取り組む様子を「イニシアティブに取り組む」といったようにして用います。

「イニシアティブ」の意味③「構想・推進努力」

「イニシアティブ」は「構想・推進努力」という意味でも使われることがあります。「構想」は、これからしようとする物事について、その内容や規模・実現方法などを考え、内容をまとめるという意味にあたります。「推進」とは物事がうまくいくように、また目標へ進むように前へ推し進めるという意味です。

例えば仕事のプロジェクトを成功させるために、具体的な戦略を考えて実行することを「戦略的イニシアティブ」と言います。

「イニシアチブ」と「イニシアティブ」に違いはない

「イニシアティブ」は「イニシアチブ」とよばれることもありますが、「イニシアチブ」は英語の「initiative」をそのままカタカナ読みにしたものです。

「イニシアチブ」と「イニシアティブ」には違いがなく、同じ意味で使われていますが、英語の発音に近いのは「イニシアティブ」です。英語圏の人と接する機会が多い場面であれば、「イニシアティブ」を使うほうが相手に聞き取ってもらいやすいでしょう。

「イニシアティブ」の各分野での使い方とは

ビジネスでは「主導権」「積極性」の意味

ビジネスで使われる時の「イニシアティブ」は、「主導権」や「積極性」の意味で使われることが多いです。下記の例文の場合、業界内で主導権を握られる=圧倒的シェアを取られる事を意味します。

「主導権」を意味する場合の例文

このままではライバル会社にイニシアティブを握られそうだ。

また、次のような例文の場合には、積極性が欠けていることを改めるようアドバイスしていることになります。

「積極性」を意味する場合の例文

もう少し、イニシアティブを意識して行動したほうがいいよ。

「イニシアティブゲーム」はグループで課題を解決する

「イニシアティブゲーム」とは、設定された課題に対して、グループで解決手段を見つけるためのスキルを学ぶ活動です。企業の人材研修や採用試験などで幅広く活用されています。

10人以下の少人数のグループで構成され、グループとなったメンバーと協力しながら課題解決に導くのが一般的です。イニシアティブゲームを通して「コミュニケーション能力の向上」「協調性やリーダーシップの養成」が期待できます。

「イニシアティブゲーム」の1つとして、「ペーパータワー」というゲームがあります。

イニシアティブゲームの例「ペーパータワー」

A4の用紙だけでタワーを作りその高さを競います。

  1. 数人のグループごとに40枚程度の紙が配られます。
  2. タワーの作成時間は1分以内。タワーの作成前には15分程度の作戦タイムが設けられています。
  3. グループのメンバーでよりよい作戦を考えることで、チームの結束が固まります。

政治では「構成」「国民発案」の意味で使う

政治のシーンで使われる「イニシアティブ」の中でももっとも一般的なのは、ビジネスシーンと同じく「構想」の意味合いで用いられるものです。たとえば、「沖縄イニシアティブ」や「ASEAN統合イニシアティブ」という使い方です。

ほかに、「国民発案」という意味で「イニシアティブ」が使われることがあります。「国民発案」とは、一定数の有権者によって憲法改正案や法律案を提出できる制度のことです。

「イニシアティブ」と「レファレンダム」「リコール」

政治において「イニシアティブ」を「国民発案」という意味で使う際、「レファレンダム」や「リコール」が一緒に使われることがあります。

「レファレンダム」とは「国民が直接投票」という意味です。「リコール」とは「国または地方公共団体の公職にある者を任期満了前に、国民あるいは住民の意思により罷免すること」を意味します。

「イニシアティブ」「レファレンダム」「リコール」は、日本の政治システムの「直接民主主義」における3大要素であるため、一緒に使われることが多い言葉です。

スポーツでは「有利」「優勢」の意味合いがある

スポーツのシーンでも「イニシアティブ」の言葉を耳にすることがあります。この場合の「イニシアティブ」は、「主導権」の意味で使われますが、主導権が派生した「有利」「優勢」の意味合いが近いです。

例えばスポーツの試合において、相手よりも多くの点数を取ってリードしている状態に使います。

例文

このセットは完全に彼がイニシアティブを握っている。

「イニシアティブ」の類語や対義語とは

「イニシアティブ」の類語は「率先」「牽引」

「イニシアティブ」の類語は「率先」です。ここであげる類語は、「イニシアティブ」の代表的な意味である「主導権」とみなした時に値するものです。

率先の意味は「自らが先頭に立ち、物事を行うこと」になりますので、「イニシアティブ」と同等の類語として使うことができます。

そのほか、「牽引(けんいん)」も類語として用いることができます。

例文

ライバル会社であるA社が、長くこの業界を牽引してきたといえる。

「イニシアティブ」と「リーダーシップ」の違い

「イニシアティブ」の「率先」という意味と似た言葉に「リーダーシップ」がありますが、ニュアンスが少し異なります。

「リーダーシップ」とは、「チームやグループ全体を統率して指導する能力、まとめる能力」という意味です。「イニシアティブ」に「率先して行動する」という意味はあるものの、「まとめる、統率する」といった意味合いは含まれません。

「イニシアティブ」の対義語は「追随」「追従」

「イニシアティブ」の意味を「主導権」と捉える場合の対義語には「 追随(ついずい)」や「追従(ついじゅう)」があげられます。

「追随」には「前に行く者につき従って後を追うこと」という意味があります。また「追従」は「ついていくこと」という意味です。

例文

わが社のブランド戦略においては、他の追随を許さない。

「イニシアティブ」の英語表現と例文

「イニシアティブ」は英語で「initiative」

「イニシアティブ」は英語で「initiative」です。「initiative」の語源は「initium(始まり)」に由来しますが、さらに語源をさかのぼるとラテン語の「initiaus」となります。

「initiative」は名詞にあたりますので、実際に使う場合は「take」や「have」を用います。

「initiative」を実際に使った例文

  • He always takes initiative at his company.
    彼女はいつも会社でイニシアティブをとる
  • She has a lot of initiative.
    彼女は積極性に富んでいる

まとめ

「イニシアティブ」の代表的な意味は「代表権」ですが、複数の意味を持っている言葉でもあります。他の意味についても理解を深め、様々な場面に応じた使い分けをすることが求められます。

「イニシアティブ」と「イニシアチブ」に意味の違いはありませんが、英語圏の人と接する機会が多い場面であれば「イニシアティブ」を使うほうが相手に聞き取ってもらいやすいでしょう。