職場のベテラン女性従業員を「お局様」「お局さん」と呼ぶことがありますが、「お局」にはどのようなイメージを持っていますか?
本記事では「お局」の本来の意味と一般的に用いられる意味について解説します。また「お局様」と呼ばれる人の特徴や英語訳などの関連用語も紹介しましょう。
「お局」の意味とは
お局とは本来「重要な身分の女性」の敬称
「お局」とは「局」に接頭辞「お」をつけて丁寧にした表現です。この「局」とは元々、重要な身分の女性を指す敬称であり、将軍家などに仕える女性のうち地位のあるものを敬っていう語でもあります。
また、宮中などに仕える女性のために居室として仕切った部屋という意味、その部屋を与えられている女官を指す意味も持ちます。
読み方は「おきょく」ではなく「おつぼね」
「お局」は「おつぼね」と読みます。「局」の字は「きょく」と読むことが多いですが、「お局」は「おきょく」ではなく「おつぼね」と読むのが正しいです。
ビジネスではベテランの女性社員を意味する
職場で「お局」と使う場合は、「職場のベテラン女性従業員」という意味です。特に、口調がきつい女性社員や一定の集団で幅を利かせているような女性従業員を指します。
本来「局」という語にこのような意味はありません。ドラマの影響で一躍ブームとなったことがあり、現代でも「お局」は意地の悪いベテラン女性従業員、というネガティブなニュアンスを含む言葉として定着しています。
「お局」の使い方と例文
「お局様」「お局さん」と使うことが多い
「お局」は、「お局様」「お局さん」と職場のベテラン女性従業員の呼び名として、特に煙たがるようなニュアンスで用いるのが一般的です。
“頼れるベテラン社員”ではなく、”口うるさくて偉そう”などといったネガティブな意味で用いられます。
「お局」は独身女性以外にも使われる
「お局様」や「お局さん」は年齢が上の独身女性のイメージを持つ人もいますが、結婚歴に関わらず使用されます。結婚していても「お局様」の要素を持つ人は「お局様」と揶揄されます。
「お局」を使った例文
- どうやらこの職場では、彼女がお局らしい
- 今日は部長がいるので、お局様も静かなものだ
「お局」と呼ばれる人の特徴とは?
「お局」は口調や態度がきついことが多い
「お局」と呼ばれる特徴のひとつは、口調や態度がきついことです。「お局」をネガティブな意味で使う場合、自分より後に入社してきた人に厳しく当たったり、嫌味や陰口を言うことがあります。また、相手より上にたとうとする姿勢も特徴だと言えるでしょう。
「お局」は年齢より勤続年数や態度で判断される
「お局」は、一般的に年齢が上の女性に用いられることが多いですが、厳密には年齢よりも勤続年数がポイントです。職場に長く在籍していて、かつ偉そうに振る舞っている人が「お局様」と呼ばれます。
スタッフの入れ替わりが激しい職場では、20代でもベテランの位置付けとなり、振る舞いによって「お局様」と呼ばれる可能性は多いにあります。
「お局」は「権力がある人」ではない
「お局」は勤続年数が長く、職場で一定の権力を持っているのも特徴です。ただし、仕事を任されている度合いでは「お局」とは呼びません。たとえば、上司や目上の人には「良い人」として振る舞い、後輩にはきつく当たる様が「お局様」の特徴です。
権力を持っていても後輩をサポートするなど、後輩の手本となるような人は「お局様」とは呼びません。
「お局」はストレスやパワハラの原因にも
職場の「お局様」は、度が過ぎるとパワハラにもなりかねません。嫌味や陰口を聞かされるだけでも十分なストレスになり得ます。
業務上やむを得ない場合もありますが、適度な距離を保つこと、また場合によっては他のスタッフへ相談することも考慮しましょう。
「お局」の英語訳とは?
英語では「the lady of the office」「bossy」
「お局」は英語では「the lady of the office」と表現することができます。この場合の「lady」とは「女性」ではなく「女主人」といったニュアンスです。
また「bossy(威張り散らす、親分風を吹かせる)」という表現を使って、「お局様」な態度を表すこともできます。
「お局」の英語例文
- She is the lady of the office.
彼女はうちのお局様だ。 - She’s very bossy.
彼女はとても威張り散らしている。
まとめ
「お局」の「局」は元々は重要な身分の女性を指す敬称ですが、ドラマの影響などから嫌味ったらしいベテラン女性従業員を指す「お局様」という表現で定着しています。単に”ベテラン”というのではなく、後輩にきつくあたるなど意地が悪く、かつ幅を利かせているようなベテラン女性を指すネガティブな表現です。
どの職場にもひとりはいるとも言われる「お局様」ですが、適度に受け流すのがベターです。振り回されないように割り切ってみるといいかもしれません。