「散々」は様々なシーン、文脈で用いられる表現で、ビジネスでは業績を「散々な結果だ」と表現することもあるでしょう。この「散々」について、意味と使い方を例文で解説します。「散々な目にあう」「散々迷う」などシーン別に紹介するほか、類語や言い換え表現についても触れています。
「散々」の意味とは
「散々」とは「非常に悪い様」という意味
「散々」とは物事の状態、事態などが「非常に悪い様」を意味します。ひどく悪くて、目も当てられない様を「散々」といいます。
「程度が著しい様」という意味もある
「散々」には単に「非常に悪い」という意味だけでなく、「程度が著しい様」という意味もあります。「嫌になる程甚だしい」というニュアンスもありますが、必ずしも悪いニュアンスで用いられるというわけでもありません。
古語としては「ばらばら」の意味も
「散々」には「物事が粉々に砕け散っている様、ばらばら」という意味もあります。ただし、現代では一般的ではなく、先に挙げた2つの意味で用いられるのが通例です。
「散々」の使い方と例文1:ネガティブな意味
「散々な目にあう」とはひどく悪い出来事を表す
「散々な目にあう」とは、端的にいうと「ひどい目にあう」という意味です。たとえば道を聞かれて案内したら怪しい勧誘にあった、などその出来事が大変ひどい有り様だったことを言い表す際に使用します。
「散々な言われよう」とはひどい言われよう
「散々な言われようだ」とは「ひどい言われようだ」というニュアンスです。たとえば「彼のプレゼンは散々な言われようだった」とはプレゼンに対し酷評を受けたり、否定されたりする様を表します。
彼は散々な言われようだったが、僕はそれほど悪いとは思わなかった。
「散々な結果」「散々たる結果」とはひどく悪い結果
「散々な結果」とは「目も当てられないほど、ひどく悪い結果」を意味します。「試験は散々な結果だった」「今日の営業は散々な結果だった」と使用します。「散々たる結果」と使っても同じ意味です。
散々たる結果にチームは下を向くしかなかった。
「散々だった」「散々な思い」「散々な日」という使い方も
このほか、「非常に悪かった」という意味で「散々だった」としたり、「散々な日」「散々な思い」のように「散々な〇〇」という表現でも使ったりする例もよく見受けられます。たとえば、「今日は散々だった」は「散々な目にあった」「散々な日だった」としても似たニュアンスです。
「散々」の使い方と例文2:程度を表す
「散々迷う」とはたくさん迷う様
「散々迷う」の「散々」は程度が著しい様を表し、「たくさん迷う」「非常に迷う」という意味です。
- 散々迷ったが結局何も買わなかった。
- 散々迷った挙句こっちの業者にお願いすることにした。
「散々言う」とは嫌になる程口にする様
「散々言って聞かせたのに…」「母に散々文句を言われた」などの「散々」もまた、程度が著しい様を表します。「あれほど何回も言って聞かせたのに」「嫌になる程たくさん文句を言われた」といったニュアンスにとることができます。
- 散々言って聞かせたのに結局忘れ物をしている。
- 散々言われたがこの年にもなって親の言うことを聞くつもりはない。
先に挙げた「散々な言われようだった」と似た言い回しですが、「散々な言われよう」は非常に悪いと評価されるニュアンスになる点で少し異なります。
「散々お世話になる」とは「とてもお世話になる」の意味
「散々お世話になる」の「散々」もまた程度を表す意味で、「とてもお世話になる」という意味になります。「若い頃に散々お世話になった」というように過去のことに言及する際に使用します。
感謝を述べる文脈で使用される他、「散々お世話になっておきながら失礼なやつだ」とネガティブなニュアンスで用いられる例も多いです。
「散々」の類語や言い換えとは
「散々な目にあう」の類語は「大変な目にあう」
「散々」の類語を一語で表すのは難しいですが、「散々な目にあう」は「大変な目にあう」と言い換えることができます。「散々だった」も同様に「大変だった」としても意味が通るでしょう。
また、「散々な思いをした」は「不愉快」「心外」という語に置き換えることができます。
「散々〇〇する」は「いやというほど」に言い換える
「散々迷う」など「散々〇〇する」という場合の「散々」は、「いやというほど」「これでもかというほど」といった語が類語表現です。他にも「散々こだわった」は「思い切りこだわった」のように、「思い切り〇〇する」と言い換えられる例もあります。
「散々」を含む熟語は「腹散々」
四字熟語ではありませんが、「散々」を含む熟語では「腹散々」が挙げられます。「腹散々(はらさんざん)」とは「思う存分」という意味で、現代では「散々っぱら」という言い回しで用いられることも多いです。
「散々」の英語訳とは
「散々」は英語で「terrible」
「散々」は英語では「terrible」を使った英語訳が可能です。たとえば「I had a terrible day.」は「今日は散々な一日だった」という和訳になります。
相手の「How did you get on?(どうだった?)」という問いかけに対して「Terribly.」と一語で返す例も「散々だったよ」という意味です。
My score was terrible.(散々な点数だった)
「a lot of」を使った英語表現も
程度が著しい様を表す「散々」は「a lot of」や「very」を使って英訳することができます。たとえば「I got a lot of assistance from him.」は「彼には散々お世話になりました」というニュアンスです。
まとめ
「散々」は主に2通りの意味で用いられる単語で、「ひどく悪い状態」「程度が著しい様」という意味を持ちます。たとえば「散々な目にあった」「散々な結果だった」はいずれも「ひどく悪い事柄、様子」を表します。これに対し「散々迷う」「散々お世話になった」などは程度を表す例で、この場合は「とても」といったニュアンスにとるのが適切です。
今日は散々な目にあった…こんな時は誰かに話を聞いて欲しいものだ。