「オワコン」とは、ブームが過ぎ去り興味をひかれなくなったコンテンツなどを意味するネットスラングの一つです。アニメや漫画、ゲームなどに用いられますが、芸能人などに対して用いられることもあります。ここでは「オワコン」の由来や使い方とともに、類義語や似たような言葉「エンドコンテンツ」についても紹介します。
「オワコン」の意味と由来とは?
「オワコン」の意味は「時代遅れのもの」「ブームが過ぎて終わりかけているもの」
「オワコン」とは「時代遅れのもの・ブームが過ぎ去り興味をひかれなくなったコンテンツ」を意味する言葉で、インターネット上で使用されている俗語(=ネットスラング)の一つです。コンテンツにはアニメや漫画・ゲームのほか、流行したモノやサービス、ブームそのものも含まれます。また、一世を風靡した人気芸能人や有名人に対しても使われることがあります。
「オワコン」は時代遅れのものを指すだけではなく、間もなく終わりそうなコンテンツを指す場合にも使われています。
「オワコン」と表すほか、「終わコン」「おわこん」と表記されることもあります。
「オワコン」は”終わったコンテンツ”の略
「オワコン」は「終わった(終了した)コンテンツ」を略した言葉です。ここで扱う「終わった」の言葉は「ブームが過ぎ去った、人気が衰えた」という意味で使われています。
ただし「オワコン」は「完全に終了した」という意味だけではなく、「人気が衰えて終焉・終わりが見えている」「間もなく終わるであろう」とされているコンテンツについても使われることがあります。
「オワコン」の由来はネット掲示板に書き込まれたフレーズ
「オワコン」はもともと、インターネットの掲示板”2ちゃんねる(現:5ちゃんねる)”に書き込まれたフレーズが語源とされています。2010年ごろ、「涼宮ハルヒの憂鬱」というアニメ作品について「ハルヒは終わったコンテンツ」という書き込みがありました。このフレーズが元となり、「オワコン」の言葉が生まれたといわれています。
その後「オワコン」の言葉はネット上で広く普及し、2011年には「ネット流行語大賞」で第5位に選ばれました。
「オワコン」の使い方と例文
「オワコン」はネガティブな印象で使われる
「オワコン」の言葉自体は、ネット上のみならず日常会話でも使われています。注意しなければならないのは、「オワコン」はブームが過ぎ去ったものや人気が衰えてきたものに対して「時代遅れ」「流行遅れ」という意味を込めて使うため、ネガティブで否定的な印象を与える言葉だという点です。
そのため、「オワコン」を使う際には相手の気持ちを害しないかどうか配慮する必要があります。
「オワコン」と「エンドコンテンツ」を混同して使わない
「オワコン」と似たような言葉に「エンドコンテンツ」があります。「終わり」を意味する「エンド」と「コンテンツ」で構成されているので「オワコン」と同じ意味のように思われがちですが、全く意味の異なる言葉です。
「エンドコンテンツ」とはゲーム用語で、ゲームをクリアしたユーザーが楽しめる「何度も遊べるコンテンツ」のことです。具体的にはゲームで最高レベルを達成した後にプレイできるもので、難易度が高く、繰り返し遊べる仕様になっています。中にはレアキャラクターの登場や各種ゲームアイテムの追加など、エンドコンテンツならではのお楽しみ要素が高いものもあります。
このように「エンドコンテンツ」はポジティブなイメージを持つ言葉であり、ネガティブな印象の「オワコン」とは全く意味の異なる言葉です。混同して使うことのないようにしましょう。
「オワコン」を使った例文
- ガラケーはとうにオワコンだが、いつかスマホもオワコンとよばれる時代が来るだろう。
- あのゲームってもうオワコンでしょ。
- すでにオワコンという言葉すら、オワコンなのかもしれないね。
「オワコン」の類義語
「化石」「時代遅れ」は古いものに使える類義語
「オワコン」の類義語として「化石」が挙げられます。ここでいう「化石」とは「古い状態である」という意味であり、「時間が経過し忘れ去られてしまった物事」を例えるときに使われているネット用語です。
また、「時代遅れ」も「オワコン」の類義語とみなされます。「時代遅れ」とは「その時代の流行や傾向などにおくれていること、取り残されていること」を意味する言葉です。
「詰みコン」は発展が見込めないコンテンツを指す
「詰みコン」とは「先の展開が詰んでいるコンテンツ」を略したネットスラングです。各種のコンテンツやサービスが現在でも連載中・継続中であるものの、今後発展が見込まれず、人気が下火になるだろうと思われているもののことを指すときに使われます。
ちなみに「詰み」の由来は将棋用語です。将棋で自分の負けが確定した状況を「詰み」と呼ぶことから、「手の打ちようがない状況」を指すことばとして「詰み」が使われています。
「オワコン」の英語表現
「オワコン」の英語表現は“out of fashion”
「オワコン」の英語表現は「流行遅れの」を表すフレーズ「out of fashion」が最も意味に近い表現です。「go out of fashion」や「fall out of fashion」のように動詞を伴って用いられます。
そのほか「最盛期を過ぎた」という意味の「past one’s prime」も「オワコン」に近い英語表現です。
「オワコン」の英語例文
- This type of TV show is so out of fashion.
こういうタイプのTV番組は流行遅れだ(オワコンだ)。
- That kind of cloths show was once very popular,but it’s gone past it’s prime.
ああいう服は一時は人気があったが、もう終わりだ(オワコンだ)。
「オワコン」の派生語
「閉じコン」は「オワコン」とは異なる意味の言葉
「閉じコン」とは「一部のファンやマニアなど、少数の狭いコミュニティの中でだけで楽しまれ存続しているコンテンツ」のことです。「閉じたコンテンツ」を略したネットスラングで、「オワコン」から派生した言葉だとされています。
「オワコン」はすでに終わっている、ブームが過ぎ去っているものに使われるのに対し、「閉じコン」は「まだ終わっておらず、一部の人の間ではまだ人気があり支持されている」と、「オワコン」ではないことを強調したいときに使われます。
「オワコン」とは意味が異なるため、混同して使うことのないようにしましょう。
「閉じコン」を使った例文
- 例えこのアイドルグループが閉じコンになったとしても、私はずっとファンでい続ける。
- このアニメって人気っぽいけど、実際は閉じコン状態だよね。
まとめ
「オワコン」とは、ブームが過ぎ去り興味をひかれなくなったコンテンツなどを意味するネットスラングの一つです。使われる対象はアニメや漫画・ゲームだけではなく、芸能人など多岐にわたる言葉ですが、否定的な印象を与えうるため、使う際には配慮が必要です。