「ヤギ(山羊)」はどんな動物?寿命や目の特徴・羊との違いとは

「ヤギ(山羊)」は家畜として人の生活に貢献する動物です。近年ではペットとして飼う人や、除草用にレンタル事業を始める会社もあります。名前は広く知られている動物ですが、「何科なの?」「寿命は?」と知らないことも多いでしょう。ヤギがどんな動物なのか、ヒツジ(羊)との違いをあわせて紹介します。

「ヤギ(山羊)」の概要・特徴とは

「ヤギ」はウシ科の動物

ヤギはウシ科ヤギ属の動物の総称で、細かい品種は数多くあります。ヤギには野生種もいますが、家畜のみを意味して呼ぶ場面が多いでしょう。

性別を問わずツノがあり、オスの方が太く大きい傾向があります。家畜やペットの場合、ツノが伸びない処置も可能です。多頭飼育が一般的なため、仲間を傷つけないよう処置する飼い主もいるようです。

「ヤギ」の寿命は15年程度

ヤギの寿命の平均は10~15年程度です。当然ながら個体差があり、20年以上生きることもあるため、ペットにしたい人は将来のことをよく考えて判断するべきでしょう。

「ヤギ」の目は視野が広い

ヤギの目は、瞳孔が横に長いことが特徴です。ヤギはこの瞳孔のおかげで広い視野を持っています。瞳孔の形は一定ではありません。猫と同じように、暗い場所では丸い瞳孔になります。

「ヤギ」は俊敏で崖登りも得意

ヤギは俊敏で、崖や木を登ることが得意です。性格的にも高い場所を好む活発な個体が多いようです。その性質から、山岳地帯でもよく飼育されています。

「ヤギ」と「ヒツジ(羊)」の違い

ヤギと羊の違いは、”群れ方”や”育てやすさ”

「ヤギ」と「ヒツジ」の主な違いは「群れへのこだわり」です。ヤギは基本的には群れを作りますが、単独行動も平気で行います。対してヒツジは常に群れの中にいることを好みます。

他にも、餌の好き嫌いが少ないヤギと違い、ヒツジは草しか食べないため育てにくいとされています。しかし、ヒツジの方が肉の匂いに癖があまりないことから、食肉として評価されやすい特徴があります。

「ヒツジ」もウシ科で用途の広い家畜

「ヒツジ」もウシ科の動物で、家畜として人類を支えています。生態や飼い方、用途がヤギによく似ています。

「ヤギはすっきりしていて、ヒツジはふわふわしている」というイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし、品種によっては「長毛でふわふわのヤギ」「毛が短いヒツジ」もいるため、絶対の基準とは言えないでしょう。

「ヤギ」と人との関係

「ヤギ」は幅広い用途のある家畜

諸説ありますが、ヤギは紀元前9000~6000年頃から人に飼われていると考えられています。家畜としての用途は幅広く、食用、毛用など特定の用途に特化した品種も多く生まれています。

日本では一部の地域でしか定着していませんが、世界的には食用としても重要な家畜です。特に乳は牛乳アレルギーの人でも飲める飲料として重宝しています。消化しやすく風味も良いことから、アレルギー対策以外でも愛飲する人もいます。

「ヤギ」の除草・ふれあい用のレンタルもある

除草用・ふれあい用にヤギをレンタルできるサービスもあります。値段が上がりますが、小屋や柵などもセットでレンタルできる企業もあるようです。脱走や誤食の対策は必要ですが、個人で借りられるサービスもあります。

特に除草用のレンタルは「除草剤不要」で環境に優しいと話題になりました。ヤギは他の草食動物より好き嫌いが少ないこと、斜面でも活動できることが、除草サービスに向いている理由です。

「ヤギ」をペットとして飼う人もいる

ヤギは、個人でもペットにする人もいます。人懐っこい性格の個体が多いことや、ほのぼのした雰囲気に癒されることが人気の理由のようです。ただし、一般的なペットより注意点が多いため、専門店などでしっかり相談するとよいでしょう。

庭の除草を期待する人もいるようです。ただし、他の動物と比べると少ないとは言え好き嫌いもありますので、1頭のヤギでは完璧にできないかもしれません。また、健康維持のために庭の草以外の餌も必要になります。

「ヤギ」の野生化が環境破壊に繋がっている

家畜用のヤギが野生化したことによる環境破壊が問題になっています。ヤギは草や葉が足りないと木の皮・根も食べてしまうため、植物の再生ができなくなってしまうのです。そのため、ヤギは「世界の侵略的外来種ワースト100」に含まれています。

問題になった原因は「野生種がいない地域に、家畜用ヤギが放置された」ためです。過疎化で無人になった地域にヤギが取り残されたり捨てられたりして、そのまま繁殖してしまうことがあるようです。

「ヤギ」の文化的な影響

キリスト教では「ヤギ」は「悪魔のシンボル」

キリスト教では、ヤギは悪魔のシンボルです。例えば「バフォメット」という悪魔の頭は黒ヤギです。ヒツジを「良いもの」や「迷う人間」のシンボルとしていることの対比だと考えられています。

「ヤギ」は英語で「goat」「kid」

ヤギは英語で「goat」です。子ヤギは「kid」になりますが、これは人間の子どもを表現することもあります。

「goat」を使った英単語が「scapegoat」で、カタカナ語「スケープゴート」としても有名です。元々は旧約聖書が由来の「生贄のヤギ」を意味します。現在では「責任転嫁するための身代わり」「不満解消のために、原因ではないのに攻撃される存在」の意味で用いられることがあります。

童話・絵本の「ヤギ」は弱々しい動物

童話・絵本の「ヤギ」は弱々しい動物として描かれることが一般的です。オオカミなどの肉食獣に食べられる動物であることが、創作に影響しているのかもしれません。

俊敏なことや立派なツノがあることに注目し、力強い動物として描く作品もあります。

星占いで「やぎ座」の人は意志が強い性格

「ヤギ」は星占いに使う星座にも含まれています。占い師によって差がありますが、12月22日~1月19日うまれが「山羊座」です。勤勉で意志の強い性格の人が多いとされています。

まとめ

ヤギは人懐っこさやほのぼのした雰囲気があるため、ペットやアニマルセラピーにも人気です。しかし、無計画に捨てたことで環境破壊が問題になっています。ペットにしたい人は、最後まで世話できるか考えてから判断しましょう。