「緩衝材」の意味とは?人間関係における「緩衝材のような人」も

通販サイトで買い物をすると、商品が壊れないよう「緩衝材」とともに梱包されて届きます。この「緩衝材」という言葉は、「緩衝材のような人」と比喩的に使う例も見受けられます。「緩衝材」の意味や具体例をはじめ、人間関係に使う際の意味や類語と英語訳について解説しましょう。

「緩衝材」の意味とは

緩衝材とは「衝撃を和らげる資材」を意味する

「緩衝材」とは「衝撃を和らげることを目的とした資材」を意味します。物品の保護を目的として、箱の隙間に挟んだり物品を包んだりする際に用いられます。

「緩衝材」の読み方は「かんしょうざい」

「緩衝材」は「かんしょうざい」と読みます。「緩衝(かんしょう)」とは、「対立しているものの間にあり、衝突を和らげること・もの」という意味の熟語です。

「緩衝材」といえばプチプチやウレタン・紙も

「緩衝材」といえば“プチプチ”です。正式には「気泡緩衝材」と呼ばれる資材で、数ある「緩衝材」の中でも最もイメージしやすいのではないでしょうか。

他にも、ウレタンやポリエチレン、スポンジなどが「緩衝材」の良い例で、守るべき品物よりも柔らかい素材のものを使うことが多いです。また「緩衝材」として市販されているものに限らず、古新聞などの紙やビニール袋を丸めて詰めることで代用することもできます。

人間関係における「緩衝材」とは?

「対立する二者を仲立ちするもの」という意味も

「緩衝材」には「対立する二者の間で仲立ちするもの」という意味もあります。品物の保護にもちいる「緩衝材」の意味から派生し、比喩として人間関係において対立した人の間で仲を取り持つ人を指して使う例もよく見受けられます。この意味では「緩衝材のような人」という表現も可能です。

わかりやすく言うと「対立を和らげてくれる人」

人間関係における「緩衝材」は「対立を和らげてくれる人」とも表現できるでしょう。二者の間で話を聞いたり取り次いだりしてうまくまとめてくれる人や不和を和らげてくれる人が「緩衝材」と呼ばれます。

たとえば、会議の不穏な空気を察してうまく話の流れを変えてくれる人や、上司に叱責されている人をフォローしてくれる人などです。梱包資材としての「緩衝材」がクッションのように衝撃を吸収してくれるように、人間関係でも受けたダメージをフォローしてくれるような人が「緩衝材」と呼ばれます。

「緩衝材」を人間関係に使った場合の例文

  • チームメンバーにはそれぞれいろいろな役割があるが、円滑に仕事を進めるためにも緩衝材が必要だ。
  • 緩衝材のような人とはまさに彼女のことだろう。彼女の言葉には上も耳を傾けてくれる。
  • 緩衝材のような人というと聞こえはいいが、矢面に立たされる身としては嫌なことも多い。

「緩衝材」の類語とは

「緩衝材」の類語は「クッション材」

「緩衝材」と似た意味の語は「クッション材」です。「クッション」とは物を支える弾力のあるものという意味で、そのクッションのように衝撃を吸収してくれる資材が「クッション材」です。

人間関係では「潤滑油のような人」が類語

「潤滑油のような人」とは、機械を潤滑するためのオイル「潤滑油」を例えとして使った表現で、「物事が円滑に運ぶよう仲立ちとなる人」という意味です。

「彼女は潤滑油のような人だ」というと、間に立って円滑に事が進むよう動いてくれる人、場を和ませてくれる人を指します。「緩衝材のような人」の言い換えにも使うことができます。

人間関係の「緩衝材」は「調整役」に言い換えも

「緩衝材のような人」を比喩を用いずにいうと「調整役」「仲立ち」などの表現が使用できます。いずれも間に立ち、両者をつなぐようなはたらきをする人といった意味を持つ表現です。

「緩衝材」の英語訳とは

「緩衝材」は英語で「cushioning material」

荷物の梱包に用いられる「緩衝材」は、英語で「cushioning material」です。「cushion」には動詞で「衝撃を和らげる、緩和する」という意味があります。

ほかに「package cushioning」も「緩衝材」という意味です。また、“プチプチ”のような「気泡緩衝材」は「bubble wrap」と英訳されます。

「緩衝材のような人」の英語例文

「緩衝材のような人」を英訳する際にも「cushioning material」という表現を使った英語訳が可能です。

例文
  • She plays a role as a cushioning material.(彼女は緩衝材のような役割を果たしている)
  • I act as a cushioning material in order to build good relationships.(良い関係を築くために緩衝材の役目を果たすようにしている)

まとめ

「緩衝材」とは“プチプチ”に代表されるような梱包材を指し、衝撃を和らげ品物を守るために用いられます。転じて、二者の間で衝突や不和の仲立ちをしてくれる人を指して「緩衝材(緩衝材のような人)」と使う例もあります。

類語では「調整役」や同じく比喩を使った表現である「潤滑油のような人」も良く用いられます。いずれも人と人の間に立ち両者を円滑につなぐような人を指す表現です。