長寿のお祝いにはさまざまありますが、なかでも「白寿」を迎えられるのは本当におめでたいことです。ここでは「白寿は何歳のお祝い?」という意味をはじめ、その由来について解説しましょう。
また、白寿のお祝いの仕方や贈り物の選び方、「米寿」との違いについても紹介します。
白寿は何歳?意味と由来とは?
「白寿」とは99歳のお祝いを意味する
「白寿」とは99歳の長寿のお祝いを意味し、読み方は「はくじゅ」です。
現代でこそ長生きする人が増えていますが、かつては99歳まで長生きすることはとても珍しいものでした。そのため、白寿のお祝いそのものも珍しかったようです。
「白寿」の由来は漢字の「百」
99歳のお祝いを「白寿」と呼ぶのは漢数字の「百」に由来します。「100-1=99」であることにちなみ、「百」という漢字から「一」をとった「白」の字を99歳のお祝いにあてたとする説が有名です。
また99歳という年齢に達すると仙人のように人を超越した存在に近い、という考えから、仙人の白い髭や白髪にちなみ「白寿」と呼ぶようになったという説もあります。
「白寿」と「米寿」の違いとは?
「米寿」とは88歳のお祝いのこと
「白寿」としばしば混同されるのが「米寿」です。「米寿(べいじゅ)」とは88歳の長寿のお祝いのことです。「88」は漢数字では「八十八」となり、縦に書くと「米」の漢字に通じることから「米寿」と呼ばれるようになったとされています。
「白寿」の次は100歳を祝う「百寿」
「白寿」の次にくる長寿のお祝いは100歳です。100歳のお祝いは「百寿(ももじゅ/ひゃくじゅ)」と呼ばれます。なお、100歳のお祝いは他にも「紀寿(きじゅ)」「上寿(じょうじゅ)」といった呼び方もあります。
その他の長寿のお祝いの例
一般に、長寿のお祝いは60歳を迎える「還暦」のお祝いに始まり、先述の「百寿」までいくつかあります。年齢順に並べると以下の通りです。
- 還暦:60歳
- 古希:70歳
- 喜寿:77歳
- 傘寿:80歳
- 米寿:88歳
- 卒寿:90歳
- 白寿:99歳
- 百寿:100歳
白寿のお祝いの仕方とは?
白寿のお祝いは本来数え年で行う
「白寿」のような長寿のお祝いは、還暦を除き、本来は数え年で行われます。数え年とは、生まれた日を1歳とし、元旦を迎えるごとに年を重ねていく数え方です。母親の胎内にいた時も年齢に加える考え方に基づきます。
古くは数え年で年齢を計算した時代もありますが、明治以降は満年齢が主流です。そのため、本来は数え年だった長寿のお祝いも近年は満年齢に行うことが多くなりました。「白寿」のお祝いも、数え年・満年齢のどちらでも行われます。
白寿を白色のちゃんちゃんこでお祝いすることも
「白寿」はその漢字にちなみ、白い色のものが用いられます。その代表例が白い色のちゃんちゃんこです。ただし、年齢が年齢なだけに白い衣装が不祝儀を連想させるとの声もあり、好みがわかれるようです。家族や親族と相談したうえで用意するのがよいでしょう。
お祝いは本人の負担にならないやり方で
「白寿」のお祝いは、99歳と高齢であることを考えて過ごしやすい時間帯に、2時間程度の会食や団欒を楽しむスタイルが多いです。決まった形はないため、本人にとって負担の少ないことが前提となります。
お祝いの贈り物には花や本人が好きなものを
「白寿」のお祝いにプレゼントを贈るなら、花束ならお祝いにふさわしい明るい色のものを選んだり、お祝いされる本人が好きなものを選んだりと一般的なお祝いのイメージで贈り物を探してみてください。
ただし「白寿」に関わらず、一般にお祝いの贈り物にお茶やハンカチは不適切とされています。お茶は弔事の香典返しを連想させること、ハンカチは「手切れ」を連想させることからお祝いの贈り物には選ばれません。白色をイメージしやすいですが、白いハンカチは避けるのがマナーとされています。他には、くし(櫛)も「苦」「死」などを連想させるため避けたほうが無難でしょう。
「白寿」のお祝いの言葉・お祝いメッセージ
一般的なお祝いの言葉
「白寿」のお祝いではまず、その長寿を祝い喜ぶ言葉を述べます。そのうえで相手の健康を祈るような言葉を続けるのが一般的です。
白寿おめでとうございます。
今後も変わらぬお元気さで一層のご長寿を重ねられますことを祈念いたします。
このたびは白寿のお祝いを迎えられますこと心よりお祝い申し上げます。
今後もご健勝とご長寿をお祈りいたします。
孫から祖父母へのお祝いメッセージ例
孫、ひ孫から祖父母へのメッセージも同様に、長寿や健康を祈る言葉を並べるのが通例です。おじいちゃん、おばあちゃんに親しみを込めて話し言葉を使ってもよいでしょう。
白寿おめでとうございます。
今日まで、素晴らしい人生を築かれたことを本当に誇りに思います。
いつまでもお元気にお過ごしください。
99歳のお誕生日おめでとうございます。
中々会えないけれど、また楽しいお話を聞かせてくださいね。
まだまだ長生きしてください。
まとめ
「白寿」とは99歳の長寿のお祝いです。もともとは数え年で祝われてきましたが、近年では還暦と同様に満年齢でお祝いすることも少なくないようです。「白寿」のお祝いに細かい決まりはありませんが、高齢である本人の負担にならないようにしましょう。贈り物も定番よりも、本人の好きなものを考えながら楽しく選んでみてください。