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インバスケットとは?思考練習のコツと問題の攻略法も紹介

研修や試験のためにインバスケットを導入する企業が増えています。また、自己啓発やスキルアップの手段として個人的にインバスケットに取り組む方も多く、関連する本やセミナーも見受けられるようになりました。

この記事では、インバスケットの意味や目的のほか、思考練習のコツや問題攻略法などについて解説しています。

「インバスケット」とは?

「インバスケット」の意味は”シミュレーションゲームの名称”

「インバスケット」の意味は、”かごのなかの未処理案件”です。未処理案件を処理していくというシミュレーションゲームをインバスケット・ゲームといい、短縮してインバスケットあるいはインバスと呼んでいます。

起源は1950年代のアメリカ空軍です。教育訓練の結果を測定するために開発されたツールがビジネスの世界に持ち込まれ、社員の採用試験や教育ツールのほか管理職の昇進試験などに活用されるようになっています。

インバスケットはトレーニングとしても有効

インバスケットは与えられた架空の役割になりきり、架空の未処理案件を制限時間内にどれだけ多く正確に処理できるかを判定するバーチャルビジネスゲームです。

インバスケットの実施においては、まず条件や環境設定、案件などが書かれた書類が受験者に渡され、制限時間内に案件処理の内容(優先順位を付ける・解決策を導き出すなど)を回答用紙に記入していくというスタイルで進められます。

マークシート方式ではなく自由回答式が主流のため、絶対的な正解がないことがインバスケットの特徴です。それにより、ひとつの問題から多角的な要素を測定できるというメリットがあります。

インバスケットを繰り返すことでスキルアップも期待できるため、有効なトレーニングツールとしても活用されています。

インバスケット思考3つのコツ


インバスケットをクリアするためには、インバスケット思考ともいえるものの見方・考え方が必要です。大量のタスクを素早い判断で処理していくためには、コツというべきものがあるのです。

コツ①速読力を鍛える

インバスケットでは速読力が必須です。インバスケットで最初に渡される書類には、場面設定や環境設定など細かい事柄が大量に記載されています。

情報量はかなりのボリュームがあるため、ひととおり読むだけで多くの時間がかかってしまいがちです。その結果、問題に取り組む時間が足りなくなって時間切れになるケースがよく見受けられます。

文書を早く読むことができるだけで余裕を持って問題に当たることができるため、有利となります。また的確な判断をすばやく下すためには、大量の情報から必要なものだけを選選別する能力が必要ですが、情報処理力が高ければ有利です。

つまり、速読力が高くなれば情報処理力も高くなるため、速読力を鍛えることのメリットは大きいといえます。

コツ②思考のプロセスを意識する

マークシートではなく自由回答式が採られていることからも分かるように、インバスケットには唯一の正解というものがありません。また、正しい処理をすることだけが求められているのでもありません。

もちろん正しい処理を行う必要はありますが、「なぜそうしたのか」という思考ルートをみるために、その結論に至ったプロセスの部分が重視されるのです。

成功・失敗のいずれにしても、「なぜそうしたのか」「その結果どうなったのか」というプロセスを点検しなければ、単なるまぐれ当たりで終わったり同じ失敗を繰り返したりすることになります。

日常生活や業務においても、自分の思考ルートやプロセスを意識する習慣をつけておくことで、インバスケット思考を鍛えることができます。

コツ③判断が及ぼす影響度を意識する

緊急度と重要度でタスクを振り分けることは、どなたも実践しています。緊急度は納期や期限などがあるため、客観的判断を下しやすいものですが、重要度においては主観的要素が加味されることが多くなります。

インバスケットではバーチャルリーダーとして振舞う必要があり、重要度の判断は、自分の主観という定性的な要素ではなく、影響度という定量的な要素で下すことが大切です。

したがって、判断の結果がどのような影響を及ぼすのかをあらかじめシミュレーションしておく習慣をつければ、インバスケット思考が強化されます。

インバスケットの練習問題の特徴と攻略法

インバスケット問題の特徴は4つ

インバスケットを攻略することはなかなか難しく、時間内に回答しきれないことも多くあります。しかし、インバスケットの練習問題で出題されるパターンには特徴的なスタイルがあるのです。

そのため、練習問題を数多くこなしていけば徐々に攻略できるようになります。インバスケットで出題される問題の特徴は以下の4つです。

  • 現実の自分とは全く異なる役職や環境が設定されている
  • 与えられた条件には、自分自身で対応できない
  • 制限時間が短い
  • 唯一絶対という正解がない

インバスケット攻略法は発想の転換と練習

インバスケットでは、「自分ならどうするか」と考えてはいけません。自分以外の人間が、自分以外の人を使って問題を解決するという方向へ、発想の出発点から変える必要があるのです。

時間が短いという点は、トレーニングを重ねることで攻略できます。また正解がないという点は、ジャッジする側の視点が分かれば高得点が得られるようになるということで、これもトライ&エラーを繰り返しさえすれば精度を高められます。

まとめ

インバスケットの意味や目的のほか、インバスケット思考のコツがつかめる練習問題などを紹介しました。ビジネススキルを向上させるためのトレーニングとして、インバスケットは効果的です。

さらに日頃の業務における成果にインバスケット思考が反映されたなら、昇進や昇給のチャンスを手にする可能性も期待できます。