「体たらく」の意味と使い方は?類語やありがちな誤用も紹介

「体たらく」という言葉は、日常よく耳にする言葉です。しかし、誤って用いられることが多い言葉で、テレビやインターネットの情報においても、間違った使い方がされています。この記事では「体たらく」について、正しい意味や使い方とともに類語やありがちな誤用事例も紹介しながら、分かりやすく解説しています。



「体たらく」の意味とは?

「体たらく」の意味は「ありさま」

「体たらく」は「様子」や「ありさま」のことを意味する言葉で、「ていたらく」と読みます。「体(てい)たり」の「~である」という意味を表す「たり」の部分が名詞化して、「体たらく」という形になりました。

「体」には「からだ」という意味のほかに、「外から見た姿」「ありさま」という意味もあります。外見上のようすや身なりという意味の「風体(ふうてい)」や、その場から退散する様子を表した「這う這うの体(ほうぼうのてい)」での「体」は、「体たらく」の「体」と同じ意味合いで使われた言葉です。

「体たらく」の使い方

「体たらく」は良くない状態を指して使う

「体たらく」は、だらしない状態に対して「なんという体たらくだ」と評するような、好ましくないありさまについて非難するときに使われます。本来「体たらく」自体には良い意味も悪い意味もなく、単に「ありさま」と同じ意味合いの言葉でした。

しかし立派な人の様子について述べるときに、「立派な体たらくだ」というような言い方がされることはなくなり、もっぱら好ましくない状態について言及したいときに「体たらく」が使われるようになりました。

「体たらく」の類語

「体たらく」の類語は「様相」「状態」など

「体たらく」の類語としては、意味を表す「様子」や「ありさま」の同義語があります。「様相」「状態」「格好」などが相当し、いずれも外から見た姿や形状のことを示す言葉です。

なお「体たらく」が好ましくない状態を指すときに用いられることから、「醜態」「失態」「ざま」なども類語として挙げられます。

「体たらく」に近い言葉は「ざま」

「ざま」は「ありさま」と同義語の「さま」が音変化した言葉です。もともとの「ありさま」や「さま」では、言及する対象への評価の良し悪しは限定されていません。しかし「ざま」の場合は、「そのざまはなんだ」「ざまを見ろ」というように、対象を非難するときに用いられます。

「体たらく」と同様に好ましくない状態に対して使われるようになった言葉という点で、「ざま」は「体たらく」に近い言葉といえるものです。

「体たらく」の誤用と例文

「体たらく」という言葉は、好ましくないありさまについて述べるときに使われることからか、誤った使い方をしてしまうケースがよく見られます。ここからは、「体たらく」の誤用事例を紹介します。

「だらしない」「情けない」の同義語として使うと誤り

「だらしない人」や「情けない人」のことを言い表したい場合に、「体たらくな人」といったような使い方をすることは誤りです。だらしない状態や情けないありさまについて、「だらしない体たらく」「情けない体たらく」と言い表すことができます。

しかし、「体たらく」という言葉そのものに「だらしない」「情けない」という意味はありません。したがって、「だらしない人」や「情けない人」の同義語として「体たらくな人」という使い方をすると誤りです。

重言となる「体たらくぶり」は誤用

「仕事ぶり」や「話しぶり」と同じような用法を、「体たらくぶり」というように「体たらく」を使って行うことはできません。「~ぶり」は、名詞や動詞の連用形につくことでその物事の様子や状態を示すものです。

「体たらく」そのものに「様子・状態」という意味があるため、「~ぶり」をつけて用いると「様子の状態」というようになってしまいます。これでは「頭痛が痛い」と同じような重言的表現となるため、誤用となるのです。

「体たらくな」や「体たらくさ」も文法的に間違い

先に紹介した「体たらくな」は、文法的にみても誤った用法です。「~な」をつけて使うことができる品詞は形容動詞で、「静かだ」を「静かな」というように活用できます。しかし名詞である「体たらく」に「~な」をつけて使うことはできません。

また、「体たらくさ」という言葉も誤った用法で、「~さ」をつけられる品詞は形容詞か形容動詞です。「美しい」を「美しさ」、「静かだ」を「静かさ」というように活用できますが、名詞である「体たらく」に「~さ」をつけることはできないのです。

まとめ

「体たらく」の意味と使い方を、類語やありがちな誤用を交えながら紹介しました。「体たらく」は誤用されることが多い言葉ですが、日常的に耳にしているとだんだんと誤用表現の方がまかり通ってしまうことがあります。

たとえば忙しそうな先輩に対して声を掛けるときには、「手伝わさせてください」ではなく「手伝わせてください」が正しい言い回しですが、「手伝わさせてください」と言う人が増えているようなケースです。社会人のたしなみとして、できるだけ誤用表現を使わないように心掛けていただければと思います。