「虎の巻」の意味と語源とは?類語や使い方などを解説(例文つき)

高校入試をはじめとする受験期において、効率よく勉強を進めるため「虎の巻(とらかん)」のお世話になったという方は数多くおられるでしょう。ところで、なぜ「虎の巻」と呼ばれるのかと不思議に思われませんか?この記事では「虎の巻」の意味と語源のほか、類語や使い方と英語表現などを例文つきで解説しています。



「虎の巻」の意味とは?

「虎の巻」の意味は「参考書」

「虎の巻」のとは、教科書の解説や問題集の解答法などが書かれた参考書のことです。それ以外では、芸事や兵法などの奥義が書かれている秘伝書という意味もあります。

多くの場合、受験勉強は時間との戦いですが、手持ちの時間より勉強しなければならないことは多く、教科書や問題集を隅々まで復習している時間はありません。そこでもっと効率よく勉強を進めるために、教科書の内容を手短にまとめたり、問題の解答法を分かりやすく解説したりしてくれる「虎の巻」を活用します。

「虎の巻」が一冊あれば、教科書や参考書を広げる必要はなくなるため、手にする機会は増えていきます。受験が終わるころには「虎の巻」は単なる参考書を超えた頼りになる存在となっているでしょう。

「虎の巻」があれば生産性が向上する

「虎の巻」は受験期だけでなく、社会人となってからも役に立ちます。先輩や上司から、仕事における手順がまとめられた「虎の巻」を手渡されることがよくありますが、事前にしっかり目を通すだけでなく折に触れて参照することで、仕事を早く覚えたり作業効率を高めたりすることができるのです。

また、手渡された「虎の巻」に自分なりの新たな発見や気付きを書き加えることで、「虎の巻」はさらにバージョンアップしていき、さらに強力な「虎の巻」へと進化します。

「虎の巻」の語源とは?

「虎の巻」の語源は兵法書

「虎の巻」の語源は、中国の周時代に編まれた兵法書「六韜(りくとう)」にある「虎韜(ことう)の巻」です。

「六韜」は、周の皇帝・武王の質問に対する呂尚(ろしょう)の答えがまとめられており、文・武・竜・虎・豹・犬という六巻から成るものです。そのなかの「虎韜の巻」に兵法の奥義が記されていることから、「虎の巻」と呼ばれるようになりました。

日本では、平安時代の征夷大将軍・坂上田村麻呂が参考にしていたという説や、一条堀河の陰陽師・鬼一法眼(きいちほうげん)から源義経が盗み出したという伝承があります。

「虎の巻」の類語

「虎の巻」の類語は「あんちょこ」など

「虎の巻」の類語としては、以下のようなものが挙げられます。

あんちょこ・とらかん・しおり・参考書・解説書・手引書など

「あんちょこ」は「安直」がなまったもので、手軽な参考書のことを指しています。「とらかん」は「虎の巻」を読み替えて縮めた言葉です。「しおり」は読みかけの本に挟む目印や、山道の道案内という意味から手引書を指す言葉として用いられるようになりました。

「マニュアル」や「ガイドブック」も「虎の巻」の類語

「マニュアル」や「ガイドブック」も、「虎の巻」の類語です。「マニュアル」は作業や操作の手順などを体系的にまとめたもので、マニュアルどおりにやれば仕事をひととおりこなせるようになります。

「ガイドブック」は、「マニュアル」より幅広く用いられる言葉で、ある事柄の案内や解説を目的とした冊子などを指します。仕事以外に観光地やイベントを紹介する目的で作成されることが多く、見知らぬ場所をガイドしてくれる心強い存在です。

「マニュアル」も「ガイドブック」も目的達成の効率を高めてくれますが、「これさえあれば大丈夫」という心理面での安心感は「虎の巻」ほどなく、どちらかというと「取扱説明書」に近いものです。

「虎の巻」の使い方が分かる例文


「虎の巻」の使い方が分かる例文を紹介します。

  • 本校の先輩たちが残してくれた『受験勉強「虎の巻」』の冒頭には、一夜漬けは無意味だと書かれていた。
  • 「花伝書」は600年も前に書かれた能楽の「虎の巻」だが、現代社会にも通じる内容だ。
  • 武田信玄の旗印で知られる「風林火山」は、兵法の「虎の巻」である孫子からとったものだ。

「虎の巻」の英語表現と例文

「虎の巻」の英語表現は「open-sesame」

「虎の巻」に該当する表現は、英語にもあります。類語の項で紹介した「manual」や「guidebook」のほかに、「open-sesame」という表現も「虎の巻」に相当する言葉です。

日本語に直訳すると「開けゴマ」となり、この言葉を唱えることで問題を解決できることから、「This book is an “open-sesame” to students. 」で「この本は学生の虎の巻だ」となります。

「bible」も「虎の巻」と同じ意味の英語

聖書のことを英語でいう場合は「Bible」と大文字で書き始めますが、「虎の巻」のことを指す場合には「bible」と小文字にします。

「これは私の虎の巻だ」を英語で表現したいときに「This is my Bible.」としてしまうと、「これは私の聖書だ」となってしまうのでご注意ください。また、「◯◯の虎の巻」としたいときには「the bible of ◯◯」と表現します。

まとめ

「虎の巻」の意味と語源や類語のほか、使い方や英語表現を例文つき紹介しました。人生において自助努力は何にも増して大切なものですが、たった一人で頑張る必要はありません。

「虎の巻」を上手に活用することで先人の智慧を拝借できれば、時間というお金に代えがたい資源を有効に使えるようになり、より大きな成果を手にすることが可能となります。