「筋を通す」の意味とは?語源・類語や筋を通す人の特徴も解説

「筋を通す」という言葉を聞くと、障害や圧力に屈することなく突き進むというイメージが浮かびます。ところが「筋を通す」という言葉の意味は、使われるシーンによって違ってくるのです。この記事では、「筋を通す」の意味や語源・類語をはじめ、筋を通す人が持っているある特徴についても解説しています。

「筋を通す」の意味とは?

「筋を通す」の意味は「道理に適うようにすること」

「筋を通す」の意味は、道理に適うようにすることです。「筋」とは物事の道理やルールを指し、「通す」とは向こう側へ行き着かせることを表しています。

つまり「筋を通す」とは、物事の道理を行動などの結果として示すことで、頭や心の中にとどめている状態では筋を通したことになりません。

例えば仕事でミスをしてしまうことは誰にでもあります。しかし、心の中でいくら反省してもそれだけでは足りません。ミスをして迷惑を掛けた関係者にきちんと説明したうえで謝罪し、納得してもらえるまで対応してこそ筋を通したことになるのです。

「筋を通す」には首尾一貫させるという意味も

「筋を通す」には首尾一貫させるという意味もあります。この場合の「通す」は最後まで貫き通すという意味合いが強く、「筋」は物事の道理ではなく個人のポリシーを指すケースが多くみられます。

自分のポリシーに反することは、誰が何と言おうとも絶対にしないというような場合です。しかし行き過ぎると「意固地」「石頭」と判断されたり、一緒に仕事をすることを嫌がられたりする危険性もあります。

しかるべき手続きを踏むことも「筋を通す」の意味

「筋を通す」には、然るべき手順を踏むという意味もあります。この場合の「筋」には合理的な意味がないように感じられることもあり、正義感の強い人や合理主義をモットーとする人にとっては実行が難しいケースです。

具体的には、直接的には関係がないと思われる人の顔を立てて儀礼的な挨拶をしたり、事前にそれとなく報告しておいたりするようなことです。しかし、無駄な行為にみえる挨拶や根回しを怠ると、つまらないことで足をすくわれたり横槍を入れられたりしかねません。

筋は誰にとっても真っ直ぐで明快なものとは限らず、曲がっていて分かりづらい筋もあるのだと理解すれば、納得できないこともないでしょう。

「筋を通す」の語源

「筋を通す」の語源は「筋」にある

「筋を通す」に3つも意味がある理由は、「筋」の意味が複数あることによるものです。「筋」とは細長くひと続きになっているものを指し、ここから筋道・道理という意味合いが生じています。

道理には「人として正しい考えや行い」という意味と、「理屈が通っている」という2つの意味があり、この2つが必ずしも一致しないところから、さまざまな誤解や問題が発生するのです。

さらに道理そのものが、個々人だけでなく時代や社会によっても違ってくるため、ある人にとっては筋が通っていることが別の人にとっては筋が通っていないという、筋が通らない話になってしまうのです。

「筋を通す」の類語

責任を果たすという意味の類語は「信義を守る」

責任を最後まで果たすという意味での「筋を通す」の類語は、「信義を守る」です。約束を守る律儀さや、失敗したときの潔さ、事後の対応での誠実さなど、ビジネスの現場ではさまざまな場面で人間としての本性が表れます。

仕事において信義を守る心掛けは、相手との信頼を深めると共に自身のスキルを高めることにも大いに役立ちます。

ポリシーを曲げないという意味の類語は「初志貫徹」

圧力に屈せずポリシーを曲げないという意味で、「初心貫徹」も「筋を通す」の類語です。ただしポリシーが個人的なものである場合、公の場でそれを押し通そうとすることは単なるわがままに過ぎないこともあります。

また、ルールが変わった場合にはポリシーも変えざるを得なくなります。TPOによっては初志貫徹を引っ込めることも社会人として必要な配慮です。

根回し的な意味での類語は「顔を立てる」

合理性ではなく、所属するコミュニティの慣習に従うという意味では、「顔を立てる」が「筋を通す」の類語です。組織の中で周囲の協力を得ながら仕事を進めるためには、誰かが「顔をつぶされた」と思ってしまうような状況を作らないことです。

長く続いている慣習には、無意味なようにみえて意外と侮れないものがあるため、関係者各位の顔をしっかり立てておくことをおすすめします。

筋を通す人の特徴とは

筋を通す人の特徴は「確固たる理想があるところ」

筋を通す人には、通すべき筋となる確固たる理想があります。確固たる理想がなければ何かあるたびに考えや行動がブレてしまうため、筋の通らない言動を繰り返すことになってしまうのです。

聖徳太子が隋の煬帝に宛てた強気の書簡は有名ですが、煬帝の激怒にもかかわらず2回目以降も同様の態度を貫きました。聖徳太子の「日本は独立国として立つ」という理想が脆弱であれば、次からの態度は違ったものになったはずです。

筋を通す人の特徴としては律儀さや正直さなども挙げられますが、ブレないための基軸として確固たる理想を持つことが優先されます。

まとめ

「筋を通す」の意味と語源・類語のほか、筋を通す人の特徴について解説しました。「筋を通す」ことは必ずしも頑なな態度を貫くことではありません。ときには譲歩することが通すべき筋を守ることにつながる場合もあるのです。

譲れないものは何かが明確であれば、どんなときでもブレることなく進むことができるでしょう。