「負い目」の意味とは?「引け目」との違いや使い方・例文と類語も

「負い目」という言葉は、「負い目を感じる」という言い回しでよく耳にします。また、似ている言葉として「引け目」がありますが、両者の違いを分かりやすく説明することができるでしょうか。この記事では、「負い目」の意味をはじめ、引け目との使い方の違いや例文・類語も紹介しています。



「負い目」の意味とは?

「負い目」とは相手に対する心の負担

「負い目」は「おいめ」と読み、相手に対して感じる心の負担のことを指す言葉です。誰かに対して迷惑をかけてしまったりお世話になったりした場合、相手に対して借りを作ってしまい申し訳ないと負担に感じますが、このときの気持ちのことを「負い目」といいます。

「負い目」の「負い」は「負う」の連用形であり、もともとの「負う」は背負う・受けるという意味です。「目」は身体器官の目という意味以外にもさまざまな意味を持つ文字ですが、「負い目」の「目」は「落ち目」や「弱り目」での用法と同様に、そのような状態にあることを指しています。

「負い目」には「負債・借金」という意味も

負い目には心の負担以外にも「負債」や「借金」という意味もあります。「負い」は動詞である「負う」の連用形ですが、「賄い」や「働き」などと同様に名詞化して使われることもあります。

このように名詞化した「負い」は、「負担」や「借金」という意味をもっているため、「負い目」がそのまま負債や借金のことを指すようになりました。

「負い目」の「引け目」との違いと使い方

「負い目」と「引け目」は抱く対象が違う

「負い目」と似ている言葉に「引け目」があります。「引け目」は「ひけめ」と読み、自分以外の誰かと比べて劣っているという気持ちのことを指すものです。

「引け目」の「引け」は、「引けを取る」という用法からも分かるように、誰かに負けていることや欠点・弱みのことを意味しています。

「負い目」は相手に対して感じるものですが、「引け目」は自分自身の不甲斐なさや足らざる点に対して抱く感情であるという点が異なります。

「罪悪感」か「劣等感」で理解すると分かりやすい

「負い目」と「引け目」はどちらも「~を感じる」と続けて、「負い目を感じる」「引け目を感じる」という使い方をします。

「負い目」と「引け目」の使い方が分かりにくい場合は、「負い目」の意味を「罪悪感」、「引け目」の意味を「劣等感」と考えると理解しやすくなります。たとえば「多大な迷惑を掛けた取引先に『○い目』を感じる」としたい時に、「罪悪感」と「劣等感」を代入してみます。

そして多大な迷惑を掛けた取引先に「罪悪感」とすべきか「劣等感」とすべきかを比較すれば、「罪悪感」が適切だと判断できます。したがって、この場合は「負い目」を用いて「負い目を感じる」とすれば正解です。

「負い目」を使った例文

「負い目」を使った例文を紹介します。

  • 彼が精一杯努力したことは誰もが認めているのだから、失敗に負い目を感じる必要はないはずだ。
  • 悪気はなかったにせよ、結果的に迷惑を掛けてしまったことへの負い目からは逃れられない。
  • さんざん世話になりながら何の恩返しもできずにいる伯父に対して、負い目がある。

「負い目」の類語

「負い目」の類語は「自責の念」

「負い目」の類語としては「自責の念」が適切といえます。「自責の念」は自らを責める思いという意味です。

「負い目」と同様に相手に対して申し訳ないといった罪悪感を持っている状態を表しています。同様の意味合いを持つ類語としては、「うしろめたい」「やましい」などもあります。

「良心の呵責」も「負い目」の類語

「自責の念」に似ていて「負い目」の類語といえる言葉として、「良心の呵責(かしゃく)」が挙げられます。「良心」は道徳的で正しい行動をしようとする気持ちのことです。

「呵責」はきびしく責めることを示しており、「良心」とつなげると自らの行いが正しくなかったことをきびしく責めるという意味になります。

「負い目」の類語には「頭が上がらない」も

「頭が上がらない」も「負い目」の類語です。自分に非があることを自覚していて、申し訳ないという気持ちから相手と対等に接することができない状態を指します。

「自責の念」に比べると「頭が上がらない」には、自分を責める思いより相手にわびる気持ちや逆らえないという思いが強くあります。

年配の既婚男性は、よく「カミさんに頭が上がらない」と口にしていますが、仕事にかまけて家政を妻に任せきりにした結果、一家の実権を握るに至った妻に逆らえなくなったことの表れと思われます。

まとめ

「負い目」の意味や「引け目」との使い方の違いに加え、類語や例文も紹介しました。負い目は心の中に持ち続けている罪の意識であり、精神衛生上あまりよくないものですが、何の負い目も感じないでいられる人は、ひょっとすると鈍感なだけなのかもしれません。

できるだけ負い目を感じないですむように行いを正したり、負い目を解消するために借りや恩を返す行動をとったりすることは、心の重荷を軽くすることに役立つでしょう。