「帯に短し襷に長し」の意味は?対義語・類語と使い方(例文も)

「帯に短し襷に長し」は、帯や襷が身近ではなくなった現代でもよく見聞きすることわざですが、具体的にはどのくらいの長さを指し、この長さだとどのような用途があるのでしょうか。この記事では「帯に短し襷に長し」の意味をはじめ、対義語や類語と使い方を例文とともに解説しています。

「帯に短し襷に長し」の意味は?

「帯に短し襷に長し」とは中途半端なこと

「帯に短し襷に長し」は「おびにみじかしたすきにながし」と読みます。丈の長い布があるのですが、帯として使おうとすると丈が足らないため結ぶことができず、かといって襷として使うには長すぎて邪魔になるということを表しています。

ここから転じて「帯に短し襷に長し」は、物に限らず状況や人についても用いられるようになり、中途半端であるため役にも立たないことや使い道がないことを指すようになりました。

「帯に短し襷に長し」の長さは3m前後

帯の長さは種類によって異なりますが短いもので3.6m、長いものだと4.3mほどです。このことわざに登場している「襷(たすき)」とは、駅伝などで見られるような輪になったものを斜め掛けするタイプのものではなく、弓道などで用いられている細長いヒモ状のものです。

長さは2.1~2.4m程度ありますが、これ以上長いと余った襷が長く垂れて邪魔になります。帯と襷の長さの差は1.2m以上あり、ひとつのもので兼用することはできません。

つまり、帯と襷の中間の長さである3m前後が「帯に短し襷に長し」の長さで、帯と襷いずれの用も足すことができない中途半端なものです。

「帯に短し襷に長し」の対義語

「帯に短し襷に長し」の対義語は「大は小を兼ねる」

「帯に短し襷に長し」の対義語は「大は小を兼ねる」です。たとえば、小さな容器に大きな物を入れることはできませんが、大きな容器に小さな物を入れることはできます。

このように、大きな物は小さな物の代用として使うことができることや、大きな物のほうが幅広い用途があってよいということを指したことわざが、「大は小を兼ねる」です。

「帯に短し襷に長し」では長い帯は短い襷の代用にならず、それぞれにちょうどよい長さがあるということをいっているため、「大は小を兼ねる」は反対の意味を持った対義語として挙げることができます。

「帯に短し襷に長し」の類語

「褌には短し手拭には長し」は「帯に短し襷に長し」と同じ意味

「褌(ふんどし)には短し手拭(てぬぐい)には長し」は、「帯に短し襷に長し」と主語だけが異なることわざで、意味は全く同じです。

褌にするには丈が足らず、手拭にするには長すぎるということから、中途半場な丈の布は使いようがないと言っています。褌の長さは2m前後、手拭の長さは1m足らずで、両者の中間である1.5m程度の中途半端な長さの布は褌と手拭の兼用にも代用にもなりません。

このことから「褌には短し手拭には長し」は、「帯に短し襷に長し」と置き替えて用いることができる類語といえます。

「次郎にも太郎にも足りぬ」は3番手という意味

「帯に短し襷に長し」の類語とされることわざとして、「次郎にも太郎にも足りぬ」も挙げられます。太郎は長男に付けられる名前としてよく知られていますが、最初・最大・最高といった1番目のものという意味もあります。

同様に次郎は2番目という意味で、「次郎にも太郎にも足りぬ」は1番にも2番にも届かない、中途半端な3番手ということを指しています。

「あちらを立てればこちらが立たず」はジレンマのこと

「あちらを立てればこちらが立たず」も、「帯に短し襷に長し」と似た意味を持つことわざです。2つのものがあった場合、双方を満足させる解決策がなく板挟み状態になることを指します。

「あちらを立てればこちらが立たず」は、人間関係においてよく用いられることわざです。トラブルが起きたときに両者の面目が立つようにすることができず、どちらか一方の機嫌を損ねてしまうような場合に使われますが、人に対してだけでなく物や状況について述べたい場合にも使用可能です。

たとえば、数をこなそうとすれば質が落ちてしまうような場合や、品質を高めると価格を抑えることが難しくなるような場合にも、「あちらを立てればこちらが立たず」を用いることができます。

「帯に短し襷に長し」の使い方が分かる例文


「帯に短し襷に長し」の使い方が分かる例文を紹介します。

  • このビジネスバッグは帯に短し襷に長しで、普段持つには大きすぎるし出張用には小さすぎる。
  • 営業マンが強く勧めた新商品は帯に短し襷に長しで、どの部署からも欲しいという声は挙がらなかった。
  • 格安で立地もよいが、一人住まいには広すぎるし家族向けには狭すぎる、帯に短し襷に長しの物件だ。

まとめ

「帯に短し襷に長し」の意味と対義語・類語の解説に加え、使い方が分かる例文も紹介しました。汎用性を重視すれば帯と襷を兼用することになりますが、作業効率を高めたいならそれぞれに専用の物を用意する必要があります。

「帯に短し襷に長し」だと備品が増え、「大は小を兼ねる」だと使い勝手が悪くなるため、選択は慎重に行いたいものです。