「猫に小判」の意味とは?由来・類語と使い方も解説(例文付き)

「猫に小判」は、小判を目にすることがなくなった現在でもよく見聞きすることわざです。また、猫が小判を抱えた招き猫を見かける機会もよくありますが、「猫に小判」と関係があるのでしょうか。この記事では、「猫に小判」の意味をはじめ類語や由来を解説し、使い方がよく分かる例文も紹介しています。



「猫に小判」の意味とは?

「猫に小判」で小判は無駄に終わる

「猫に小判」は、猫に小判を与えても意に介さないことから、価値の分からない人に貴重なものを与えても無駄に終わるということを表したことわざです。

物事の価値は必ずしも絶対的なものではなく、人によって受け止め方が違うものです。たとえばバッグの場合だと、通常数万円も出せばよい品物を手に入れることができますが、ブランドバッグにはひとつ100万円以上するものもあります。

100万円のバッグはみたところ普通のハンドバッグにしかすぎないため、価値を知らない人にプレゼントしてもさほど喜んではもらえないでしょう。貴重なものは価値を知っている人に与えないと、残念な結果になってしまいます。

「猫に小判」は価値観の違いによるすれ違い

「猫に小判」は無駄なことを指していることわざですが、猫からすれば鰹節のほうが小判より価値あるものです。したがって猫を喜ばせたいと思うなら、小判ではなく鰹節をブレゼントするべきでしょう。

人生の黄金律として「自分がしてもらいたいことを他人にせよ」というものがありますが、「猫に小判」は素直にそれを実行して失敗した事例です。

さらに残念なことは、相手が喜ばないことに対して相手を責めたり、見下したりするようなことが多々あることです。価値観には多種多様なものがあると理解し、謙虚さや寛容さを育めたらいいですね。

「猫に小判」の由来

犬でも馬ではなく、猫が小判と結びついた由来について解説します。

『いろはかるた』に登場する「猫に小判」

「猫に小判」は、『上方(京都)いろはかるた』のなかで取り上げられています。いろはかるたには江戸・大坂(大坂)・京都の3つのバージョンがあり、ちなみに「ね」の札は江戸が「念には念を入れ」、大坂が「寝耳に水」です。

江戸時代には、犬や猫だけでなく鳥や虫などがペットとして飼われていましたが、上方では「福を招く」とされた猫がよく飼われていました。

「猫に小判」の猫は人間の意に沿わない

縁起物として今も人気がある「招き猫」は、猫が小判を抱えた姿をデフォルメしたものです。さらに猫は犬や家畜とは異なり、人間の意に沿うような行動をとりません。つまり人間の価値観に合わせて小判に興味を示すようなことは期待できないのです。

猫がよく飼われていたことと招き猫のイメージに加え、人間の思うようには動かないことから、貴重な小判と対になる動物は犬でも馬でもなく猫になりました。

「猫に小判」の類語

真珠がもったいない「豚に真珠」

「猫に小判」の類語としては、「豚に真珠」が挙げられます。豚に真珠の価値は分からないため、与えても無駄になるということをいっていることわざです。新約聖書の「マタイによる福音書」に、イエス・キリストの説教として登場しています。

「猫に小判」とは違い、「豚に真珠」には「似合わない」「ふさわしくない」という意味も含まれているため、不用意に使うと失礼にあたる恐れがあります。

ありがたみが分からない「馬の耳に念仏」

「馬の耳に念仏」も、「猫に小判」の類語です。馬には念仏のありがたみがわからないため、馬に念仏を聞かせても意味がありません。

「馬の耳に念仏」の「猫に小判」と異なる点は、単にものの価値がわからないという意味ではなく、話や意見に耳を貸さないということを指しているところです。

「馬の耳に念仏」と同じ意味合いを持つことわざとして「犬に念仏」「牛に経文」「兎に祭文」がありますが、いずれもありがたい仏教の教えに耳を貸すことがないため少しも効果がないことを指しています。

したがって、教えに従わない愚か者という意味合いがあり、使う相手や表現方法に注意する必要があります。

「猫に小判」の使い方が分かる例文


「猫に小判」には、価値が分からないということと、役に立たないということの2点が含まれています。そのため、他人に対してストレートに用いると失礼に当たり、大変危険です。

  • プレミア付きのアクセサリーをプレゼントしたが猫に小判だったようで、買い取りショップに持ち込まれたようだ。
  • 門外不出と言われている文献を読む機会をいただいたが、私には猫に小判で内容が理解できなかった。
  • せっかく高額研修に参加させてもらったのだから、猫に小判で終わらせてしまっては申し訳が立たない。

まとめ

「猫に小判」の意味のほか、類語・由来と使い方についての解説と、例文の紹介をしました。「猫に小判」ということわざは、他人に対して使うと失礼にあたることが多いためご注意ください。

「猫に小判」の活用法としては、物事の価値を見極められる確かな目を養うことです。そして、他人に対してはそれぞれの価値観を尊重し、自分の価値観を押し付けることがないように心掛けることでしょう。