「個人的」の意味とは?類語・対義語や「私的」との違いも解説

「個人的」という言葉は日常生活だけでなく、ビジネスの場でもよく用いられています。ところが同じようなシーンで使用される言葉として「私的」がありますが、それぞれの意味合いは異なっているのです。この記事では、「個人的」の意味をはじめ、類語・対義語や「私的」との違いについても分かりやすく解説しています。



「個人的」の意味とは?

「個人的」とは「社会的な集団に対する各々の人に関すること」

「個人的」とは、「個人」という名詞に付いて形容動詞の語幹をつくる接尾語の「的」を伴った言葉です。意味は「集団に対するひとりの人間に関すること」となります。用法としては、「個人的な」の後に、意見・感情・感想・見解などの個人の認識を表す言葉を続ける事例が多くみられます。

もともと「個」という文字は、全体に対して別々になった一つのものを指します。したがって、「個人」とは「国や社会のほか特定の集団を構成している各々の人」という意味です。英語で「個人」は「person」、「個人的」は「personal」となります。

「personal」の派生語である「personality」が、キャラクターのことを指していることからも分かるように、「個人的」は個人の内面における認識に関することを述べたいときに用いられることが多い言葉です。

「個人的」には「公的なものとは異なる」という意味も

「個人的」は、所属する団体や立場などの公(おおやけ)とは異なる事柄に関することに言及したいときに用いることもできます。

たとえば、所属する団体の公式な考えや方向性とは異なる私見があるような場合、「個人的な意見としては…」と前置きして言及するときなどに用いられます。

「個人」は「individual」の訳語

日本にはもともと「個人」という言葉はなく、英語の「individual」の訳語として発生したものです。

「individual」の語源は「切り分けることができないもの」で、集団のなかでそれ以上切り分けられない個々の人間という意味と、身分から切り離した一個の人間という意味から「個人」という和訳が生まれました。

「個人的」の類語

「私的」は公的ではないもの

「個人的な」の類語のうち、「公的なものではない」という意味の類語は「私的」です。「私的」は「個人的」に内包されていますが、「自分だけの」という意味合いがあるため、互換性がある用法とそうでない用法があります。

たとえば「個人的な訪問」という場合には組織の一員として単独で訪問することをいいますが、「私的な訪問」では組織を離れた立場での訪問となります。「私的」に対応する英語は「private」で、「public」の対義語としてとらえると理解しやすいでしょう。

なお、「私的」には「非公開」という意味も含まれていますが、芸能人などが本来「私的」なものである自宅や家族を公開した場合、それらは「私的」なものでありつつも公にされたものとなります。また、オフレコと称して非公開で行うコメントは「私的」なものではなく、公的なものです。

「非公式」は表向きではないこと

「個人的」の類語として「非公式」も挙げることができますが、互換性がない用法もあります。たとえば「個人的な見解」は、「非公式な見解」と言い換えることが可能です。

一方、非公式で要人を招いて「非公式な食事会」を行うような場合、「個人的な食事会」ではなく「私的な食事会」とすることが適切です。

「個人的」の対義語

「個人的」の対義語は「社会的」

「個人的」の意味の項で紹介したように、個人が集まって集団となり社会を構成しています。したがって、「個人的」と対をなす言葉は「社会的」となります。

集団や組織としての共同で行う営みに関する物事・様子を言い表すときに「社会的な活動」や「社会的責任」などというように用いますが、個人的にボランティアなどの社会的な活動を行うことはよくあります。

また、個人的責任と社会的責任が重なっていることもあるため、「個人的」と「社会的」は「正誤」などのように意味が逆という位置づけではありません。

「個人的」と「私的」との違い


「個人的」と「私的」との違いはあいまいな部分があるため、ここで整理しておきます。

「個人的」は他との関係性で現れる概念

「個人的」とは集団に属した状態で、他と分けられる一人の人間に関することを指しています。つまり母集団の中の自分というものであり、他の存在との関係性で現れてくる概念です。

集団のなかにあって集団とは異なる意思を表明するような場合、「私的見解」ではなく「個人的見解」という言い回しが用いられます。

「私的」は自分だけのこと

「私的」とは、所属する集団とは関係なく自分だけに関係していることを指す言葉です。「個人的」は意思表明をする場合によく用いられますが、「私的」は事情を説明する場合に使われるケースが多くみられます。

たとえば歯医者に行くような場合は「私的な用向きで早退する」と表現することが一般的で、「個人的な用向き」とはいいません。

まとめ

「個人的」の意味のほか、類語・対義語や「私的」との違いについて解説しました。日本語では「個人的」と「私的」との違いにはあいまいな点がみられますが、英語では、「personal」と「private」のように明確に区分されています。

現在でも他との関係性で自分の立ち位置を決める傾向がある日本人にとって、他と無関係な「私的」よりも、集団の中のひとりという意味がある「個人的」のほうが使いやすいようです。