「往々にして」の意味と語源とは?例文や類語・対義語も紹介

「往々にして」は、職場や日常生活の中でよく見聞きする言葉です。よくあることといった意味合いで用いられていますが、適切でない使い方をしている事例もあるようです。今回は「往々にして」の意味と語源のほか、例文や類語・対義語も紹介します。これを読めば、「往々にして」を正しく使えるようになるでしょう。



「往々にして」の意味と語源とは?

「往々にして」の意味は「よくあること」

「往々にして」の読み方は、「おうおうにして」です。「往往にして」と書くこともある言葉で、「よくあること」を表したい場合に用います。

ものごとが起こる頻度のとらえ方は人によって幅があり、「往々にして」が指す頻度も「ときどきある」から「ひんぱんにある」まで違いが出てきます。

したがって、言いたいことを正確に伝えたい場合には、「往々にして」のような曖昧な表現ではなく「週に◯回」「◯割の確立で」というように、数値を示すことをおすすめします。

「往々にして」のもう一つの意味は「そうなりがち」なこと

「往々にして」のもう一つの意味は、そのようになりがちであるというような、傾向性のことです。

この場合もよくあることという意味になりますが、たびたび起きるといった「頻度」ではなく、いつもながらお決まりの結末に至るといった「流れ」に重点がおかれた用法といえます。

「往々にして」の語源は「往く」の重なり

「往々にして」の「往」という文字は「往く(いく)」とも読み、「前に進む・先に向かう」という意味があります。

「往時」が以前・昔のことを表していることを、「往路」が目的地に向かう道のことを意味していることからも分かるように、「往」という文字は時間・場所の両方において用いられ、時間が進むことやどこかへ向かうことを指し示す文字です。

したがって「往々にして」の語源は「往」の文字が重なったことにあり、時間の流れとその地点つまり頻度や、流れが重なり一定の方向に向かう傾向にあるという意味を持つようになりました。

「往々にして」の使い方

「往々にして」はネガティブな言葉

「往」という漢字の用法として、仏教用語でもある「往生」という熟語があります。仏教では人はあの世とこの世を住み替えている存在であるとされていて、あの世へ往って生まれることから「往生」は人が死ぬことを表す言葉となっています。

また、「往」は行ったまま帰ってこないというニュアンスもあり、どちらかというとネガティブな意味合いでとらえられている文字です。

「往々にして」という言葉では、ネガティブな「往」を重ねて用いられていることから、喜ばしいことが重なった場合に「往々にして」と表現することには、違和感を持たれる傾向があります。

「往々にして」の例文


「往々にして」を用いた例文を紹介します。

  • 忙しいときにメールの返信をすると、往々にして変換ミスに気づかないものだ。
  • 通勤時間帯の路線バスは、往々にして時間どおりに到着しないものだ。
  • 彼は頭に血が上ると、往々にして言ってはいけないことを言ってしまう。

「往々にして」の類語

事柄の良し悪しを問わすに使える「しばしば」

「よくあること」「頻度が高い」という意味で「往々にして」の類語として使うことができる言葉は、「しばしば」です、他に「たびたび」「ひんぱんに」も言い替えとして使うことができます。

「往々にして」は良い事柄については使いませんが、「しばしば」などは事柄の良し悪しにかかわらず使うことができます。

たとえば「彼女はしばしば人から信用される」「彼女はしばしば人から疑われる」はともに正解ですが、「彼女は往々にして人から信用される」は誤りです。

「得てして」の意味はそうなりがちなこと

「そうなりがち」「そういう傾向がある」という意味における「往々にして」の類語は、「得てして」です。同じ意味合いで「ややもすると」を使うこともできます。

「往々にして」と同様に、「得てして」「ややもすると」はネガティブな事柄について述べるときに用いられ、「欲張ると得てして損をする」「慎重すぎてややもすると機会を逃す」というように遣います。

「往々にして」の対義語

「まれに」はめったにないこと

「まれに」は「往々にして」と反対の意味を持つ言葉として挙げられ、めったに起こらないようなことやこれまでなかったようなことについて言及するときに使う言葉です。

よくあることやそうなりがちなことを表す「往々にして」の対義語として、「まれに」を使うことができます。

「たまに」はあまり起こらないこと

「たまに」は、ある程度の長い期間をあけて思い出したように起きる場合に用いる言葉です。どのくらいの期間を「たまに」というかについては、人によって幅があります。

たとえば「たまに風邪をひく」といった場合、シーズンに1度のことか、数年に1度のことかを決めることができないように、「たまに」を具体的な数値で表すことは困難です。

まとめ

「往々にして」の意味と語源をはじめ、例文や類語・対義語も紹介しました。人間は往々にして失敗してしまうものですが、それを自覚しておけばミスを未然に防ぐ手立てを考えるようになります。また、失敗に激しく落ち込んでしまうことも少なくなるでしょう。

「往々にして」を、傾向をつかむきっかけとしてのキーワードとして利用してみることもおすすめです。