「大概」の意味とは?読み方や類語「大抵」との違いも解説

「大概」という言葉は、特に関西エリアではよく使われる言葉です。

この記事では、「大概」の読み方と意味のほか、方言での使われ方や類語「大抵」との違いについても解説しています。

「大概」の意味や読み方とは?

「大概」の基本的な意味は”だいたいのあらまし”

「大概」の意味は、“だいたいのあらまし・大部分・ありふれている”です。

「大概」に用いられている「概」という漢字には、「概算」「概略」などという熟語からも分かるように、「おおむね」「おおよそ」「あらまし」という意味があります。

また、「概」の前についている「大」は、「おおよそ」「だいたい」という意味です。両者が合わさった「大概」は、全体のなかで些末なことを除いた主要な部分という意味合いで使われています。

したがって「大概」のニュアンスは「大概を説明する」というように、だいたいではあってもポイントは押さえているということです。

「大概」の読み方は”たいがい”

「大概」の読み方は“たいがい”です。「大概」という言葉が、標準語圏においてあまり使われないためか、ニュースや新聞で見聞きする機会も少なくなっています。

また、地方においても若い人はあまり使わない「大概」という言葉を使わない傾向があり、ジェネレーションギャップが感じられる語句として受け止められています。

「大概」の派生的な5つの意味とは?

1.「大概」には”大部分”という意味も

「大概」には「大部分」という意味もあり、細かい抜けはあるものの、全体のほとんどを占めているような場合に用いられます。目安としては、100のうち90くらいなら「大概」といってよいでしょう。

なお、「大部分」「ほとんど」ということを言い表す場合には、「大概」より「大抵」や平仮名表記の「たいてい」のほうがよく用いられており、「大抵の場合」というような用法はニュースや新聞でも見聞きすることができます。

2.「大概」には”ありふれている”という意味もある

「大概」は、ありふれた普通のことを指しても用いられます。「大部分」という意味のときと同様に、「ありふれている」ことを指すときも「大概」より「大抵」を使うことが一般的です。

つまり、「大概のことは気にならない」と「大抵のことは気にならない」は同じ意味ですが、「大抵のことは気にならない」という表現がよく見聞きされます。

3.「ほどほど」という意味もある

「大概」にはほかにも「ほどほど」という意味もあり、ものごとが極端なところまで進んでいない様子やある程度の段階で留めておくことを表すときに用いられています。

つまり「大概」には、ものごとを完全にやってしまうのではなく、まだいくらか残した状態にしておくという意味合いもあるのです。長時間の残業をしている人に対して、「大概のところで切り上げて帰りましょう」と促すような使い方をします。

4.「大概」とはものごとの程度が高まっていること

「大概」は、ものごとの程度がかなりのレベルまで高まっている状態を指しても使われます。

堪忍袋の緒が切れる寸前の状態で「大概にしてほしい」と苦情を言うようなときや、調子に乗りすぎた人に対して「大概でやめておきましょう」と注意するような場合に用いられ、「いいかげん」が言い替えとして使うことができる言葉です。

「大概」を「ほどほど」の意味で使うときとの違いは、対象がネガティブなものに限定されるということです。

5.「大概」には”推測がほぼ確かなこと”という意味も

「大概」は、ほぼ確かであると推測できるような状態のときにも用いられます。言い替えが可能な言葉としては「おそらく」「たぶん」が挙げられ、「大概見通しは立ったようだ」「ここまでやれば大概大丈夫だろう」と言った使い方ができます。

「大概」の方言での使い方とは?

「大概」は関西でよく使われる

「大概」は共通語圏ではあまり使われませんが、西日本ではよく使われています。関西圏では「あまりよくない」という意味でも用いられるため、関西圏以外の出身者には理解しづらいこともあるようです。

たとえば、あまり感じのよくないお店に入ってしまったとき、「この店、感じ悪いなぁ」という発言に対して「いや、こないだ行った店も大概やったわ」と答えた事例をみてみましょう。

答えた人の「大概」は、「大したことがない」「あまりよくない」という意味です。その他にも「大概」は、「大概にしいや」というように使われると、「ほどほどにしなさい」という意味になります。

九州では「だいたい」という意味

九州で「大概」は、「だいたい」という意味で使われています。そのほかにも「いい加減にしなさい」という意味で、「大概にせぇよ」などということがあります。

同様の使われ方は、広島や愛知でも見られますが、愛知では「ほどほど」という意味でも「大概」が用いられています。

「大概」の類語「大抵」との違いとは?

「大概」と「大抵」の違いは、英語に直すと分かりやすいでしょう。

「大概」は”something”、「大抵」は”anything”

「something」は特定の「何か」を、「anything」は不特定の「何でも」を指す言葉です。

「大概」も「大抵」も「大部分」という意味ですが、「大概」は対象のなかの重要な部分がふくまれていることに対し、「大抵」は内容の重要さは問われないという点が異なります。

まとめ

「大概」の読み方と意味のほか、方言での使われ方や類語「大抵」との違いについて解説しました。

「大概」には複数の意味があるため、使い方に注意が必要です。さらに関西圏では、「大概」を一般的にみられるものとは違った意味で使うため、地元民以外の方には理解しづらいケースもあります。紛らわしさを避けるためにも、「大概」は別の言葉に置き換えたほうが無難といえるでしょう。