「序破急」の意味とは?「守破離」や「起承転結」との違いも解説

「序破急」は文章構成の手法のひとつです。スピーディーな展開が現代社会のニーズに合っており、プレゼンやセールスレターの構成に向いています。この記事では「序破急」の意味や、似た言葉である「守破離」「起承転結」との違いに加え、プレゼンでの応用などについて解説しています。

「序破急」の意味は?

「序破急」とは三部構成のこと

「序破急」は「じょはきゅう」と読みます。三部構成のことを指し、全体を「序」「破」「急」の3つに分けて展開する概念です。

「序」には「いとぐち」「物事の始まり」で、「破」は「序」の静かさを破り、内容が急展開していきます。続く「急」ではクライマックスへと一気に盛り上がり、速やかに締めくくるという様子を表します。

なお、文章や理論展開においては、全体の構成を3つのパラフラフに分けるという意味合いでも用いられています。

「序破急」はもともと芸道用語

「序破急」は、もともと雅楽のひとつである舞楽から生まれた様式です。無拍子・低速で始まる「序」に続き、拍子が加わる「破」を経て速度が最も早くなる「急」で構成されます。

この概念は能楽や歌舞伎、浄瑠璃などの芸能だけでなく、武道や茶道・香道などの芸道全般において広く用いられ、映画やアニメなどの脚本や、舞台の三幕構成としても応用されるものです。

『風姿花伝』で知られる「序破急」

「序破急」という言葉は、能を大成した世阿弥(ぜあみ)が著した能楽の秘伝書『風姿花伝』で語られています。そのため、能が起源と受け取られることが多いのですが、さきに少し触れたようにもともとは雅楽の構成を表したものです。

しかし、世阿弥は「序破急」を音楽や舞を超えて芸道の哲学にまで広げて解釈しました。道を極めるための極意書でもある『風姿花伝』は、ビジネス書にも取り上げられています。

「序破急」と「守破離」「起承転結」との違い

「守破離」とは習得の三段階のこと

「守破離」は「しゅはり」と読みます。「序破急」と見た目が似ているうえ、3つの言葉が集まってできた熟語ですが、全く違う別物です。

「序破急」は全体を「序」「破」「急」の3つで構成するという概念ですが、「守破離」は物事を習得するときの段階を3つに分けて示しています。

第1段階の「守」では、師の教えを型どおりに身につけます。型を完全にマスターできたら「破」に移り、師の教えに自分独自のものを加えていきます。最後の「離」で師を離れて独立するというステップをまとめて「守破離」という言葉で表しているのです。

「起承転結」は四部構成

「序破急」と似た意味合いの言葉として「起承転結(きしょうてんけつ)」が挙げられます。「序破急」は三部構ですが、「起承転結」では四部構成となっている点が異なっています。

「起」で状況や設定を説明し、「承」で出来事や問題が発生します。続く「転」では意外な展開や解決に向けての行動を表し、「結」で解決に至るという筋道です。

「起承転結」を「序破急」に変換するなら、「起承転結」の「起・承」に当たる部分が「序破急」の「序」、「転」が「破」、「結」が「急」となります。

「序破急」のプレゼンでの応用方法とは?

プレゼンには「序破急」が向いている

「序破急」は、プレゼンテーションの構成に向いています。一方、「起承転結」はストーリーの構成に向いているとされますが、この違いは「起承」と「転」に当たる部分のボリュームによるものです。

ストーリーの構成においては、対象となる人の感情を盛り上げるために「起承」で伏線を張りめぐらせ、「転」の部分でボリューミーなエピソードを盛り込みます。

しかし、クロージングが目的であるプレゼンでは、中だるみを避けスピーディーにゴールさせる必要があるため、「起承」を「序」にまとめたり「転」とは違う「破」の展開を行ったりすることが必要です。

「序破急」のメリハリがプレゼンに効果的

「序破急」を応用してプレゼンを構成するときには、「序破急」それぞれの段階でメリハリをつけて展開するとよいでしょう。

  • 「序」
    プレゼンでの導入部分に当たります。プレゼンのテーマを明確にし、聴衆の意識を向けさせますが、ここを外してしまうと後が続きませんが、くどくなりすぎると聴衆の注意がそれてしまいます。できるだけ無駄を省いて、聴衆の聞く姿勢と「破」の伏線を作ることがポイントです。
  • 「破」
    プレゼンの本題に当たる部分で、聴衆に伝えたいことを盛り込みます。しかし、熱が入りすぎると独りよがりになってしまう懸念もあるため、聴衆の興味関心に合わせて提案の仕方を変え、論理的に自分の土俵に引き込むことができれば理想です。
  • 「急」
    プレゼンの結論で、クロージングに向かう部分です。「破」の内容をシンプルにまとめながら、聴衆に行動を促します。プレゼンは聴衆にこちらが期待する行動を選択させるためのものです。凝ったプレゼンが陥りやすいワナですが、「面白いプレゼンだった」と評価されただけでは意味がありません。

まとめ

「序破急」の意味のほか、「守破離」や「起承転結」との違いなどを解説しましたが、展開が早い「序破急」は、「起承転結」よりビジネスに向いています。

これまであまり「序破急」になじみがなかったという方は、構成を3つにわけるところから「序破急」を始めてみられてはいかがでしょうか。