「凡庸」の意味とは?類語・対義語や「汎用」との違いも解説

「凡庸」は、「凡」という文字からありふれたものやことを連想させる言葉で、褒める意味合いでは使われないようです。しかし似た言葉の「汎用」にはプラスのイメージがありますが、この違いはどこから来るのでしょうか。この記事では「凡庸」の意味をはじめ、類語・対義語と「汎用」との違いについて解説しています。

「凡庸」とは?

「凡庸」の意味は”とりえのないありふれたもののこと”

「凡庸」の意味は、“とりえのないありふれたもののこと”です。読み方は、「ぼんよう」です。熟語に使われている「凡」と「庸」は、ともに「普通・並・平凡」といった意味を持っています。

同じ意味を持つ文字を重ねた熟語は、もともとの意味がより強くなっており、ふたつ合わさった「凡庸」は単に「人並み」「普通」という意味ではなく、これといったとりえや特徴のないどこにでもあるつまらないものという意味です。

「凡庸」は形容動詞や形容詞にできる

「凡庸」は名詞として使われることが多い言葉ですが、「凡庸な」という形で形容動詞として用いることもでき、「凡庸な毎日に飽き飽きした」というように使います。

また、「凡庸さ」という形で体言化した形容詞として使うこともできます。「自分の凡庸さに嫌気が差す」というようになりますが、形容動詞に変えて「凡庸な自分に嫌気が差す」ということも可能です。

「凡庸」の類義語とは?

類語①「平凡」はありふれたもののこと

「凡庸」の類語として「平凡」を挙げることができます。特に変わったところや優れたところがない、ごく普通にありふれたことや様子を指しており、「凡庸」と同じ意味合いがある言葉です。

しかし「平凡」には平穏無事というプラスの意味合いもあるため、「平凡な毎日」は大きなトラブルに見舞われることのなかった幸せな毎日を指しているのです。

一方、「凡庸な毎日」には平穏無事という意味合いはなく、価値を見出せないつまらない毎日というネガティブな意味になります。

類語②「人並み」は一般的ということ

「人並み」も「凡庸」の類語で、「人並み」で指している「人」とは世間一般の人のことです。「並み」は平均という意味のほか同程度であることも表す言葉で、世間一般の人と同じ程度であることを表します。

「人並み」は平凡でありふれた状態ですが、「人並みの暮らし」というように、ありふれてはいるがそこそこに幸せという意味合いもあるため、「凡庸」ほどのネガティブな印象は受けません。

類語③「陳腐」は古臭いこと

「陳腐」は「凡庸」の類語で、「ちんぷ」と読みます。「陳」は古びていること、「腐」はくちて役に立たなくなることを指す文字です。

ふたつが合わさると、古くなって役に立たないものやありふれたつまらないことのことを指す熟語となります。

「凡庸」の対義語とは?

対義語①「偉大」は優れていて立派なこと

「凡庸」の対義語として、「偉大」が挙げられます。「偉」はえらいという意味だけでなく、「偉業」や「偉丈夫」という熟語からも分かるように、大きくて立派なことやきわめて優れていることも指す文字です。

したがって、ありふれたつまらないものということと正反対の意味となり、「凡庸」の対義語として使うことができます。

対義語②「非凡」は通常とかけ離れて優れていること

「非凡」は平凡ではないということで、一般にみられるレベルとかけ離れた高みのことやその境地にある人のことを指します。

どこにでもあるようなものではなく、誰が見ても驚くような素晴らしい特徴があるものや様子のことを表す「非凡」は「凡庸」の対義語です。

対義語③「稀有」は珍しいこと

「稀有」は「けう・きゆう」と読み、めったにない珍しいことという意味の熟語です。「稀」は数が少ないことを表す漢字で、「かつては珍奇なことやとんでもないことという意味もありました。

しかし現在では、希少価値があるものや人に対して用いられることが一般的で、「凡庸」の対極にある熟語です。

「凡庸」と「汎用」との違いとは?

「汎用」は利用範囲が広いこと

「汎用」は「はんよう」と読みます。「凡庸」と読みの音が似ている上、使われている漢字である「凡」と「汎」のつくりは共通しています。しかし意味は全く違っているので、混用しないように注意が必要です。

「汎用」の「汎」は「ひろい」という意味を持った文字で、能力や働きのことを指す「用」と合わさって、さまざまな用途に幅広く使うことができるということを表しています。

主に物に対して用いる「汎用」

「汎用」は多くの場合、「汎用機」というように物に対して用いられます。「彼は汎用だ」というように人に対して直接用いると違和感があるため、「彼は汎用な能力を持っている」としたほうが自然です。

一方「凡庸」は、「この製品のスペックは凡庸だ」というように物に対して使うだけでなく、「彼は凡庸な人間だ」というように人に対して用いることもできます。

まとめ

「凡庸」の意味と、類語・対義語や「汎用」との違いについて解説しました。ありふれたことを意味する「凡庸」ですが、「平凡」や「人並み」と完全には互換できないことや、「汎用」とは全く違う意味があることが分かれば、相手に失礼にあたる誤用を防ぐことができるでしょう。