「費用対効果」の意味と使い方とは?「ROI」との違いや計算式も

「費用対効果」はビジネスの場面だけでなく、日常においてもよく見聞きされる言葉です。ところで、似たような意味で「対費用効果」や「ROI」という言葉も使われいますが、言い換えに使ってもよいのでしょうか。この記事では「費用対効果」の意味や使い方に加え、「ROI」との違いや計算式なども紹介しています。



「費用対効果」の意味とは?

「費用対効果」の意味はコストに対する見返り

「費用対効果」とは、掛けた費用によってどのくらい成果があるかということです。英語の「benefit by cost」を直訳した言葉で、「B/C(ビーバイシー)」と省略して用いられることもあります。

つまり、コストに対してどのくらい見返りが得られるかということで、誰もがより少ないコストによって、より大きな見返りが得られることを期待して努力しているのです。

「費用」はお金以外のものも含む

「費用対効果」における「費用」は金銭的なものを指すことが一般的ですが、広い意味では収益や成果を挙げるために費やした経済価値のことも指します。

つまり労力や時間などを含めたリソース全般がふくまれているため、「費用」を「コスト」と考えると分かりやすくなるでしょう。具体的には同じ労力を注いだ場合なら、成果を早く手にできたほうが「費用対効果」が高くなります。

「費用対効果」は「費用」と「効果」の兼ね合い

簿記の損益計算書では、費用を借方(左側)・収益を貸方(右側)に記載します。そのため、黒字の場合には借方に利益・赤字の場合には貸方に損失が示されることになるのです。

したがって、効果は成果から費用を差し引いた残りによって判断されるもので、たとえ大きな効果が得られてもコストがそれを上回っている場合は「費用対効果」があったとは言い難く、自己満足で終わってしまうことにもなりかねません。

「対費用効果」は誤用ではない

「費用対効果」のことを「対費用効果」としている事例が見られますが、これは本来誤用ではありません。そもそも「費用対効果」を数式のように表せば「費用∕効果」となるはずですが、もともとの英語は「benefit by cost」であるため「効果/費用」です。

したがって日本語訳は、「効果対費用」あるいは「対費用効果」とするほうが自然なのですが、経済用語として「費用対効果」のほうが一般的となっています。

つまり「対費用効果」は誤りではありませんが一般的ではないため、「費用対効果」を用いたほうが無難でしょう。

「費用対効果」の使い方

「費用対効果」は計測可能なときに使う

「費用対効果」は計測して比較・検討するものであるため、使い方は「有無」あるいは「高低」という意味を表す言葉を伴うことが一般的です。たとえば

  • 「費用対効果」が高い、見込める、期待できる、優れている
  • 「費用対効果」が低い、見込めない、期待できない、芳しくない
  • 「費用対効果」を調査する・評価する

という用法がよく見受けられます。

「費用対効果」の計算式

「費用対効果」の計算は「効果-費用」

由来である英語からみる限り、「費用対効果」は割り算で計算するように受け取られますが、「効果-費用」で求めることが一般的です。例えば100万円分の費用をかけて200万円分の効果が得られた場合、費用対効果は100万円となります。

「費用対効果」を計算するうえで重要となる点は、費用と効果を正確に計上することです。特に効果については、目的によって計上する対象範囲が違ってくるため、計算の前によく確認しておく必要があります。

「費用対効果」と類語「ROI」との違い

「ROI」の意味は「費用対効果」と「投資対効果」

「費用対効果」の類語として用いられるケースが多い「ROI」は、英語の「Return on Investment」の頭文字をつなげたもので、「リターン/コスト」の比で示されます。

投資費用に対する効果を表す指標を表しており、「費用対効果」と同じ意味でも用いられる言葉です。

一方「投資対効果」という意味で使われることもありますが、どちらを用いるかについては、リターンをどのように捉えるかによって判断します。

効果の波及時間によって用法が異なる

「費用対効果」におけるリターンは、短期的なものを対象とします。例えば広告費を例にみてみると、新製品をすばやく認知させることを目的とした場合の「ROI」は「費用対効果」となります。一方、ブランドのイメージアップを目的とした場合の「ROI」は「投資対効果」です。

つまり、効果が短期的なものであれば「費用対効果」、中長期的なものであれば「投資対効果」とみることになります。

「費用対効果」と「ROI」は計算方法が違う

「費用対効果」は引き算で求めますが、「ROI」は「リターン/コスト」の比で表すため割り算で求められます。したがって、「費用対効果」の単位は円ですが「ROI」では%となり、計算式は以下の通りです。

ROI=利益/コスト×100

「費用対効果」の計算式で挙げた例でみると「費用対効果」は100万円、「ROI」では200%という結果になります。意味合いが似ている「費用対効果」と「ROI」ですが、数値化する際には混同しないように気をつけなければなりません。

まとめ

「費用対効果」の意味と使い方のほか、「ROI」との違いや計算式などについて解説しました。「費用対効果」と「ROI」は同じ意味でも使うことができます。しかし数値化する場合の計算式が異なるため、注意が必要です。

また、目的とする効果によって計上に加える範囲も違ってきます。「費用対効果」はビジネスでの意思決定において重要な指標となるため、慎重にとりあつかいたいものです。