「共和制」とは?「民主制」「君主制」との違いやメリットも解説

現在、「共和国」と名乗っていない国のなかにも「共和制」を採用している国は多くありますが、「共和制」とはどのような制度なのでしょうか。また、「民主制」や「君主制」との違いも気になります。この記事では、「共和制」とはどのような制度かについてのほか、「民主制」「君主制」との違いやメリットも解説しています。



「共和制」とは?

「共和制」とは国王がいない国

「共和制」とは、国民が選んだ国の代表によって統治される国家体制のことです。もっと平たくいうと国王や天皇がいない国のことで、現在多くの国が共和制の国家体制をとっています。

フランスや中国のような国の正式名称に共和国(Republic)が付いている国の場合、一目瞭然で共和制をとっていることがわかりますが、アメリカやインドのような国名に共和国が付いていない国も、共和制の国家です。

「共和制」での元首は大統領

アメリカをはじめ「共和制」をとっている国の元首は、大統領であることがほとんどです。英語で大統領を表す「president」は、「前に座る」という意味のラテン語「praesidere」が由来で、アメリカの建国時に初めて採用されました。

大統領は大統領選挙で選出されますが、大統領制をとっている共和国の大統領は議会から独立して行政の任を負うことができるため、大統領の権限は強くなっています。

「共和制」では首相が存在することも

大統領と首相の両方が存在している「共和制」の国家もあります。フランスや韓国のように大統領と議会が権限を持っている国では、実質的な権限を持つ大統領と内閣の長である首相(韓国では国務総理)が共に行政の機能を担う体制をとっているのです。

一方、ドイツやイタリアでは実際の政治権力は首相が握っていて、大統領は国家元首ではありますが儀礼的な存在です。

ドイツの大統領の場合、国民の直接選挙ではなく国会議員や州議会議員による選挙で選ばれ、外交儀式や条約の締結のほか首相・外交官の任命などを行っています。なお中国では国家主席が大統領にあたり、首相にあたるのは国務院総理です。

「共和制」と「民主制」との違い

「民主制」とは人民による支配のこと

民主制とは人民による支配のことで、アメリカの第16代大統領リンカーンによるゲティスバーグ演説で有名な、「人民の人民による人民のための政治」をイメージするとわかりやすいでしょう。

「民主制」の元になる理念は民主主義で、多数者である国民が多数決によって物事を決める形態となります。

「民主制」には国民が直接政治を行う直接民主制と、国民が選んだ代表者が政治を行う間接民主制に分けられますが、現代では間接民主制を採用している国がほとんどです。

「共和制」イコール「民主制」ではない

国民によって選ばれた代表が政治を行う「共和制」ですが、「共和制」であれば「民主制」であるとは限りません。

「民主制」で重視される点は人民によって政治が行われるということです。しかし、「共和制」で選ばれる代表が人民の意見を反映しておらず、国家主席が絶対的である中華人民共和国のように事実上の独裁制となっているケースもあります。

「共和制」と「君主制」との違い

「君主制」は国王がいる国


「君主(くんしゅ)制」とは、特定のひとりの人物(君主)が国家を治める政治形態のことです。

君主は王・皇帝・天皇などと呼ばれており、君主の地位が世襲される世襲君主制と、選挙によって選ばれる選挙君主制に分けられます。

日本やイギリスが世襲君主制、バチカン市国やマレーシアが選挙君主制ですが、イギリス国王はカナダやオーストラリアなどの君主も兼ねています。

「共和制」の対義語は「君主制」

「共和制」の対義語は「君主制」です。両者を区分するものは君主の有無であり、現在「共和制」であるフランスやドイツのほか、ロシアや中国などもかつては君主が存在していました。

君主を廃止することで「君主制」から「共和制」へ移行し、アメリカのようにそもそも君主が存在しない国も「共和制」をとっています。

「共和制」のメリットとデメリット

「共和制」のメリットは独裁者が現れにくいこと

「共和制」では、選挙によって選ばれた代表者に政治を委ねるスタイルをとっています。代表者には任期があり、定期的に選挙が行われて代表者を選び直します。

選んだ代表者が適切でなかった場合は、選挙で交代させることができるため、一部の人間に権力が集中することを防ぐことができるのです。つまり選挙が適切に行われている限り独裁者が現れにくいという点が、「共和制」の大きなメリットです。

「共和制」のデメリットは「ポピュリズム」につながること

代表者たちは選挙に当選しなければ、権力の座から追われてしまいます。そのため国民の人気を集められるような政策を掲げることで再選を目指すようになり、国民の側も自分たちにとって都合の良い代表者を選ぶことになります。

つまり国民が正しい認識に基づいた判断ができない場合、適切でない代表者を選んでしまうことになり、ポピュリズムに陥ってしまう危険性があるのです。

まとめ

「共和制」とはどのようなものなのかに加え、「民主制」や「君主制」との違いやメリットも解説しました。

「共和制」においては、選挙が適切に行われることでよりよい代表者を選ぶことができます。そのためには国民が政治に関心を持つ必要があり、政治の失敗の責任は為政者だけでなく国民も負うことになるということを忘れてはならないのです。