「几帳面」の意味と語源は?神経質との違いや類語・対義語も解説

「あの人は几帳面だ」というように「几帳面」という言葉は日常よく見聞きしますが、語源があることはご存知でしょうか。また似た意味合いで用いられる「神経質」との違いも気になります。この記事では「几帳面」の意味と語源をはじめ、「神経質」との違いのほか類語・対義語も解説しています。



「几帳面」の意味と語源とは?

「几帳面」とは「きちんとしていること」

「几帳面」は「きちょうめん」と読み、細かいところまで行き届き、きちんとしていることを表す言葉です。型どおりに整って折り目正しい様子や、いいかげんでないことを指しており「几帳面な性格」「几帳面な仕事ぶり」というように用います。

もうひとつの意味として、柱などの角部分に施した細工のことを指すこともありますが、あまり一般的ではありません。

「几帳面」の語源は家具の名前

「几帳面」の語源は、「几帳」という室内で貴人用に使われた間仕切りや風除けのための家具です。

「几帳」の柱の角を削り落とし、両側に刻み目を入れた部分のことを「几帳面」と呼ぶのですが、細部までていねいに細工が施されていることから、きちんとした様子や細かくていねいなことを指して「几帳面」というようになりました。

「几帳面」と「神経質」との違いは?

「几帳面」は性格を表す言葉

「几帳面」はきちんとしている様子を指す言葉ですが、性格についてのプラス評価を表すときによく用いられます。人から几帳面であると言われた場合は、褒められたと受け取ってよいでしょう。

几帳面な人は仕事ぶりがていねいであったり、期日や時間に遅れることがなかったりするため、安心して任せられる人であると評価されることが多くみられます。

ただし几帳面な人は、几帳面さを他人にも求める傾向があるため、行き過ぎると敬遠されることもあるようです。

「神経質」は病的な状態を指す言葉

「神経質」は「細かいことによく気がつく」と言う意味で、「几帳面」と同様に用いられることもあります。また、「ささいなことが気にかかる性格」のことを「神経質な性格だ」のように、気質や性格などを指すこともあります。(本来は神経症のひとつに分類される病的な状態のことを指す言葉です。)

「神経質」は「几帳面」のようにプラス評価を表す言葉ではないので、よく気がつく人に対してほめるつもりで「神経質な性格ですね」と言ってしまうようなことがないよう、注意が必要です。

「几帳面」の類語

「真面目」とはいいかげんなところがないこと

「真面目」とは、うそやいいかげんなところがなく真摯な様子であることを指しており、きちんとしていることを表す「几帳面」と似た意味を持つ言葉です。

両者の違いは、「真面目」は物事に対する姿勢にいい加減さがないことを指し、「几帳面」は決まりを尊重しおろそかにしないということを指している点にあります。

「まめ」は面倒がらずに立ち働くこと

「几帳面」の類語として「まめ」も挙げることができ、何かにつけて面倒がらずに立ち働く様子を指すことばです。「筆まめ」「気まめ」の「まめ」にあたりますが、漢字では「忠実」と書きます。

「几帳面」はきちんと仕事をこなすことですが、「まめ」は精度より勤勉さに重きをおいた言葉です。なお接頭語の「こ」がついた「こまめ」は、「こまめな点検」というように時間をあけずにちょくちょくという意味合いがあります。

「律儀」は義理堅いこと

「律儀」とは、義理堅く実直な様子や馬鹿正直なことを表す言葉です。約束をきちんと守り仕事をきちんとこなすなど、ものごとをいいかげんにしない「几帳面」と意味が似ています。

両者の違いは、「律儀」は人との関係性を大切にすることを重視しますが、「几帳面」は仕事や作業そのものを大切に行うことに軸足が置かれているところです。

「几帳面」の対義語

「出鱈目(でたらめ)」とはいい加減なこと

「出鱈目」は「でたらめ」と読み、いい加減な言動や様子のことをいう言葉です。漢字は当て字で、さいころを振って出た目のままということから、根拠のないいい加減なことを指すようになりました。

したがって「出鱈目」は、型どおりにきちんとした様子を表す「几帳面」とは反対の意味をもっている対義語です。

「ずぼら」とはだらしがないこと

「ずぼら」はやるべきことをおろそかにすることや、行動・態度がだらしないことを指しており、「几帳面」とは正反対の言葉です。

近世の上方の方言で、堂島で米相場がずるずる下がることから生まれた「のっぺりとしたさまを表す」「ずんべらぼん」が由来となっています。

「無頓着」とは無関心なこと

「無頓着」は「むとんじゃく」あるいは「むとんちゃく」と読み、ものごとに対して無関心な様子やこだわらないことをいう言葉です。

強い関心を持ってこだわることを指す「頓着」に打ち消しの意味を加える接頭辞「無」がついて「無頓着」となっており、細かいところまで気を配ってきちんと整える「几帳面」とは反対の意味を持っています。

まとめ

「几帳面」の意味と語源に加え、神経質との違いや類語・対義語も解説しました。「几帳面」は美徳ですが、完璧主義に陥ったり他の人に几帳面さを要求しすぎたりすると、周囲との摩擦が生じる原因になります。

ビジネスにおいては効率性や協調性も求められるため、バランス感覚を忘れずに几帳面さを発揮することが肝要でしょう。