「推察」の意味とは?「推測」など類語やビジネスでの使い方も紹介

「推察」という言葉は「ご遺族の心中をご推察します」というように、お悔やみの場面でよく見聞きされます。また、似た言葉として「推測」や「考察」などがありますが、全く同じように使えるのかも気になります。この記事では「推察」の意味や類語のほか、ビジネスでの使い方を敬語表現に直す方法も紹介しています。



「推察」の意味とは?

「推察」の意味は「おしはかること」

「推察」は「すいさつ」と読み、他人の思いや事情を状況からおしはかることを意味する言葉です。熟語で使われている「推」には「おしはかる」「考える」という意味があります。

一方の「察」には「思いやる」「さっする」という意味があり、両方を合わせると表面化していないものごとに対して思いを巡らせることを指す言葉になります。

「推察」は床しい行為

自分の感情をあらわにしていたりや、考えを言葉で表現したりしているような場面では、「推察」という言葉は用いられません。表情や言葉に出さず胸中に納めている相手の思いを読み取ろうとするときに、「推察」が使われます。

つまり「推察」は、内面に隠れていてはっきりと目や耳にできる形で表されていないものを、外から感じ取ろうとすることで、相手が主張していないことも分かってあげようとすることです。

そして、大げさに励ましたり喜んだりするのではなく、そっと思いを共有するに留めている床しい行為といえます。

「推察」される対象は「人の思いや考え」

「推察」の対象となるのは、今月の売り上げのような数字に表れるものを予測するようなものではありません。

先月よりたくさん売れるのか、低迷から脱することができるのかといったものではなく、ノルマを達成できなかった営業部や、新商品の売れ行きを見守る開発部の思いのように具体的な形として表れないものこそが、「推察」の対象となります。

「推察」の類語は?

「推測」はこれまでのことからおしはかること

「推測」は、これまでに起きた事柄やわかっていることに基づいて、ものごとをおしはかることをいう言葉です。したがって、現在わかっている事実や統計などのような客観的材料を元にして想像する場合には、「推量」ではなく「推測」を用います。

なお「推測」でおしはかる対象は、感情や個人的事情のような属人的なものだけでなく、出来事の発生原因や今後の景気のような社会現象でも構いません。

「考察」は調査や研究のためによく調べたり考えること

「考察」とは、ものごとを明らかにするためによく考えたり調べたりすることですが、結論に至る根拠や過程が具体的であることが求められます。つまり根拠や過程そのものが具体的であるだけでなく、結論までの間に論理の飛躍が見られないことが必要です。

なお、「考察」は調査や研究などのために行われるもので、「相手の気持ちを考察した」というように単に他人の気持ちを読み取るようなときには使いません。

「推量」は根拠の乏しい想像

「推察」に似た言葉に「推量」がありますが「当て推量」という言葉があるように、想像のための根拠はなくてもよいものです。一方「推察」では、注意深く状況を見て判断の材料を集めたうえで考えます。

したがって、「推量」は「推察」に比べると根拠が薄いもので、勘や思い付きによる想像に対しては「推察」ではなく「推量」が適切です。

「忖度」は「推察」の同義語

「忖度」は「そんたく」と読みます。2017年の流行語大賞を受賞しており、他人の意図や感情をくみ取ろうとすることを指す言葉です。

熟語に用いられている「忖」そのものが、他人の気持ちをおしはかるという意味を持ち、「度」にもおしはかるという意味があります。したがって「忖度」は「推察」と同じ用法に適した同義語であり、言い替えに用いることも可能です。

「推察」のビジネスでの使い方

丁寧な表現なら「ご推察申し上げます」

ビジネスの場では、「推察」という言葉を敬語の形で使いたいことがあります。そのような場合は、丁寧語を作る接頭辞「ご(御)」や、「申し上げます」を使って「ご推察申し上げます」という形にしても問題はありません。

謙譲語の「拝察」を使うとよりへりくだった気持ちに

「推察」を使わずに、よりへりくだった気持ちを表すときには「拝察」を用います。「拝見」や「拝聴」が「見る」「聴く」の謙譲語となる用法と同様に、「拝察」も「考える」「思う」の尊敬語として用いることもできます。

加えて注意していただきたい点は、「拝察」は謙譲語であるため相手の動作に対して使うことはできないということです。

相手にお願いしたいときには「ご賢察」「ご高察」を使う

敬語には先にあげたような、自分がへりくだることで相手への敬意を表す「謙譲語」のほか、ストレートに相手を尊ぶ「尊敬語」もあり、相手の言動について言及したい場合に使うことができます。

「推察」の尊敬語として使うことができる言葉として「賢察」や「高察」があり、「ご賢察くださいますよう~」「ご高察を賜りますよう~」というように、「ご」をつけて用いることが一般的です。

まとめ

「推察」の意味や類語に加え、ビジネスでの使い方も合わせて紹介しました。「推測」「推量」などの同義語をビジネスで用いるときには、相手や場面によってふさわしい言葉を使い分けることが大切です。

適切な語句を用いての円滑な業務の推進や人間関係の構築のために、記事の内容を役立てていただければと思います。