「主観的」の意味とは?「主体的」との違いや類語・対義語も解説

「主観的」はものの見方や考え方の傾向を表す言葉ですが、どちらかというと否定的な意味付けがなされて用いられることがしばしばです。一方「主観的」とは一字違いの「主体的」は、積極的に肯定される場面で用いられています。この記事では「主観的」の意味のほか、類語・対義語や「主体的」との違いも紹介しています。



「主観的」の意味とは?

「主観的」とは自分のものの見方にとらわれること

「主観的」とは、判断や行動が自分ひとりの感じ方や体験に基づいていることや様子を指す言葉です。熟語に使われている「主」という文字には「ぬし・あるじ」のほかに、「つかさどる」という意味があります。

「観」には「注意して見る」「ありさま」のほかに、「ものの見方・考え方・意識」という意味もあるため、「主観」は働きかける側のものの見方を表しているのです。

「主観的」とは独りよがりな様子のこと

自分の嗜好や偏見などのような、他人とは相容れないかもしれないものを基準にすると、行動や判断が独りよがりになりがちです。さらに他人の意見に耳を貸さないでいると、ますます自分だけの世界に凝り固まってしまいます。

自分の好みで決めて良いことであればまだしも、多くの人に受け入れられなければならないことを決めるときには、「主観的」になっていないかどうかを点検する必要があるでしょう。

「主観的」と「主体的」との違いとは?

「主観」も「主体」も同じ英単語の翻訳語

「主観的」と似ている言葉として、「主体的」が挙げられます。いずれも自分の考えにもとづくもので、「主観」も「主体」も英語の「subject」を翻訳したものです。

しかし、日本語となった「主観的」と「主体的」は区別されて用いられているため、用法をきちんと押さえておくことが必要です。

「主体的」とは主になって働きかける様子のこと

英語の「subject」には「主語」という意味もあることからわかるように、「主体」という語句は他に働きかける存在という意味を持ちます。そのため「主体的」にも、自分が主になって働きかけるというニュアンスがあるのです。

したがって感情や嗜好のような「主観的」なものではなく、「主体的」という言葉においては意見や行動のような。外に現すことが前提となったものへの評価や意味づけに用いられるという違いがあります。

「主体的」は肯定的な意味合い

「主観的」という言葉は「主観的な考えにとらわれる」というように、否定的な意味合いで用いられることがよくあります。一方の「主体的」は、「主体的に行動してほしい」と奨励されるように、肯定的な意味づけがされています。

つまり「主観的」が持っている独りよがりというニュアンスは「主体的」にはなく、自分で考えて行動するという好ましい評価を与えられているのです。

「主観的」の類語

「恣意的」はほしいままと言う意味

「恣意的」は「しいてき」と読みます。その時々の思いつきでものごとを判断する様子を指す言葉です。「恣」という文字には「ほしいまま」という意味があるため、「恣意的」は自分勝手な意識によるさまを表しています。

論理的に説明できない、自分ひとりの嗜好や偏見によってものごとをとらえる様子は「主観的」と同様の意味合いです。したがって、「恣意的」は「主観的」の類語として用いることができます。

「個人的」は個人が主体となっているさま

「個人的」とは、公的立場を離れた私的な一個人を主体とするさまのことや、他人とはかかわりのない個人に関することを指す言葉です。

個人を主体とする意味で用いる場合の「個人的な意見」は、「主観的な意見」の言い換えとして使用できますが、個人に関することという意味で「個人的な問題」という場合は、「主観的な問題」の言い替えに使うことはできません。

「独断的」は独りよがりなさま

「独断的」とは、他人の意見を聞くことなく自分だけの独りよがりな判断を主張することです。カント哲学においては、認識力の限界や本質について吟味することなく、純粋な理性のみによって実在を認識できると主張するさまのことを指します。

一般的に「独断的」は前者の意味で用いられることが多く、「主観的」と同じように使うことができる言葉ですが、「主観的」より「独断的」のほうが強硬に自説を主張する様子を表しています。

「主観的」の対義語

「客観的」は誰もがわかる事実によること

「主観的」の対義語として、「客観的」が挙げられます。自分だけの考えや見方によるさまを指す「主観的」に対して「客観的」は、事実や数値などのような誰が見てもわかるものによることをいう言葉です。

熟語に使われている「客」には自分の外にある存在という意味があることからも、自分の内面から生じることを表す「主観的」に相対する意味を、「客観的」が持っていることがわかります。

まとめ

「主観的」の意味のほか、類語・対義語や「主体的」との違いについて紹介しました。否定的なニュアンスで扱われがちな「主観的」ですが、第三者が理解できるように説明して賛同を得られたなら全く問題はありません。

数値や理論などの装備をうまく使えば、「主観的」と非難されることなく思いを反映させた仕事を進めることも可能となるでしょう。