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「没交渉」の意味と使い方とは?そうなる理由や類語・例文も紹介

「没交渉」という言葉はなじみが薄く、普段の会話で耳にすることは少ないようです。あまり使わない言葉は用法を誤ってしまうことがあるため、正しい意味や使い方をこの機会にチェックしてみませんか?この記事では「没交渉」の意味と使い方のほか「没交渉」になる理由、類語・例文も紹介しています。

「没交渉」とは?

「没交渉」の意味は”関わりがないこと”

「没交渉」の意味は、“関わりがないこと”です。読み方は「ぼつこうしょう」で、「没」+「交渉」という構成になっている言葉です。「没」には、「なくなる」「存在しない」という意味があり、「没交渉」を文字通り解せば「交渉がなくなる」という意味になります。

「交渉」は「かかわり合いを持つこと」を指す言葉であり、「没交渉」はかわり合いがなくなった状態をいう言葉です。

「没交渉」は喧嘩別れではない

「没交渉」に使われている「没」は、ものが水底に沈んでいくような徐々に消えていくイメージで、瞬間的に断ち切ったり切り捨てたりする意味合いはありません。したがってある日突然「没交渉」になった、あるいは今日からいきなり「没交渉」になるというようなものとは違います。

気がつけば長らく会っていなかったり、いつの間にか連絡が途絶えてしまっていたりしているというように、あまり意識することなくいつの間にかかかわり合うことがなくなった状態に対して言及したいときに、「没交渉」が用いられます。

「没交渉」の使い方と例文とは?

「没交渉」は名詞・形容動詞として使える

「没交渉」は「関係がないこと」という名詞としてのほか、「親切だ」と同じように「没交渉だ」という形で形容動詞として用いることもできます。

たとえば長らく連絡が途絶えている兄と自分の関係を表現する場合、名詞として「没交渉」を使えば『没交渉の見本は兄と私の関係だ』となります。一方、形容動詞としての用法であれば『兄と私は没交渉な関係が続いている』となるのです。

「没交渉」を使った例文

「没交渉」を使った例文をご紹介しましょう。

  • いつの間にか没交渉となっていた知人に、街でばったり出会った。
  • 年賀状だけのお付き合いでも、没交渉になることは避けられるようだ。
  • 離職すると元同僚たちとは没交渉になりがちだが、仕方がないことだろう。

「没交渉」の類語とは?

類語①「無関係」はかかわりがないこと

「没交渉」の類語の「無関係」は、文字通り関係がないという意味です。「無関係」は人に限らず幅広く用いることができ、『GDPと国土の広さは無関係だ』と『彼と私は無関係だ』のいずれの用法も正解です。

一方「没交渉」は対人関係について言及する場合によく用いられ、『彼と彼女は長らく没交渉になっている』ということはできますが、『GDPと国土の広さは没交渉の関係にある』とはあまりいいません。

類語②「疎遠」は縁遠くなっていること

「疎遠」とは、音信や訪問が久しく途絶えて関係が薄くなっていることです。熟語に用いられている「疎」という文字には「うとい」「とおざける」という意味があり、もう一つの文字「遠」と合わさって遠く離れてお互いのことがよくわからなくなっている様子を表します。

「疎遠」は、関わりがなくなった状態を指す「没交渉」と同じ意味合いを持っており、「彼とは没交渉になっている」の「没交渉」を「疎遠」に置き換えることができます。

類語③「音信不通」は連絡が途絶えること

「音信不通」は「おんしんふつう」または「いんしんふつう」と読み、連絡や訪問がなくなり交際や交渉がとだえていることを指す言葉です。

「音信」には「便り・連絡」もしくは連絡や訪問によってよしみを通じることという意味があり、連絡が途絶えると縁遠くなってしまうことが表れています。

「没交渉」になる理由とは?

「没交渉」の原因は会う機会が減ること

「没交渉」となってしまう理由のひとつとして、会う機会が減ることが挙げられます。わかりやすい例としては、遠距離恋愛が続かないことです。

たとえ熱烈恋愛中だったふたりでも、1ヶ月に数回しか会えなければだんだんと冷めてしまい、気持ちが離れてしまうことが多くみられます。

特に売り込む商品がなくても定期的に取引先へ顔を出す営業マンは、「没交渉」になってしまわないように心掛けているのでしょう。

「没交渉」はコミュニケーション不足の結果

毎日顔を合わせていても「没交渉」になってしまうケースもあります。よくある例が熟年夫婦で、同じ家に住んでいて毎日いっしょに食事をしていても、ほとんど口をきくことがないというものです。

夫婦喧嘩などすることもなく、お互いのことに口を出さずに過ごしていて、何かトラブルが発生したときくらいしか口をきくことはないというケースも見られます。

よく「会話がない」といいますが、「没交渉」が続くとますます話題がなくなるという負の連鎖に陥ってしまい、ついには熟年離婚に至ることもあるのです。

まとめ

「没交渉」の意味と使い方に加え、「没交渉」になる理由や類語・例文について紹介しました。時間の流れや人の移動は加速を続け、気がつけばすっかりご無沙汰になってることは珍しくありません。

関係が完全に切れてしまうと復活することは難しいものですが、年賀状1枚でも出し続けていれば復活の縁になるものです。無駄な因習のようにいわれることが多い年賀状ですが、宛先不明で舞い戻ってくるまで続けてみてはいかがでしょう。