「意義」の意味とは?類語や「意味」「目的」との違いも解説

「意義」という言葉は、日常生活やビジネスシーンなど幅広い場面で使われています。そのため、なんとなく使ってしまいがちですが、正しく用いるためには言葉の理解を深めておくことが必要です。今回は「意義」の意味や使い方、類語の「異議」「異義」「定義」との使い分け、そして「意味」「目的」との違いについても解説します。

「意義」の意味とは?

「意義」の意味①”言葉固有の概念”

「意義」の意味は、“言葉によって表される内容や、ある言葉が持っている固有の概念”のことです。たとえば「意義」とはどのようなものであるか、という問いに対する答えの内容が「意義」です。

熟語を構成している「意」という文字は「意味」「意図するところ」を表し、「義」は「意味」「わけ」「道理・条理」を指します。

したがって「意義」は、ある言葉がどのような意味をふくんでいるのかを説明するものとなるのです。しかし、「言葉固有の概念」を指す使い方は、「意義」の意味としてあまり一般的ではありません。

「意義」の意味②”ものごとが持つ固有の価値”

「意義」の意味は、“ものごとが他のものと関連して固有に持つ価値・重要性”のことです。この意味のほうが一般的です。

「意義」に含まれる文字の「意」が持つ「意図するところ」と、「義」が持つ「道理・条理」が強く表れると、道理や条理に基づいて意図するところという意味になります。

また道理や条理は人や環境によって大きく左右されるものです。そのためものごとの抽象性が高まるほど、固有に持つ価値・重要性の違いは他のものとの関連によって強く影響を受けるようになります。

「意義」の類語とは?

類語①「異議」とは”反対意見のこと”

「意義」の同音異義語として、「異議」があります。「議」には「意見」「主張」という意味があるため、「異」「異議」は異なる主張、つまり反対意見のことを表します。

実際には「ある意見に対してそれを不服とする主張」という意味で用いられることが多く、討論や裁判などで「異議あり」と声を挙げる光景がよく見られます。

類語②「異義」とは”異なる意味のこと”

「意義」と読みが同じ言葉に「異義」があります。同音異義語という熟語に含まれている「意義」のことで、異なった意味のことを指す言葉です。

「○○の意義」をテーマに話し合いときに誤って「○○の異義」としてしまうと、参加者からとんでもない意見が飛び出してしまうことにもなりかねませんので、使い方を間違えないようご注意ください。

類語③「定義」とは”明確な言葉での意味づけのこと”

「定義」とは、「ものごとの意味を言葉で明確化すること・したもの」を指す言葉です。ある言葉やことがらに対するとらえ方が、人によって違っていることは少なからずあります。

テーマとするものの「定義」が違っていると、話が途中で食い違ったり全く意図しない結論に至ったりするようなことになりかねません。

最初に「定義」をしっかり確認しておくためには、他のものと区別できるように言葉で明瞭に限定して誤解の余地がないようにしておくことが大切です。

「意義」と「意味」との違いとは?

「意味」とは言葉固有の概念のこと

「意味」とは、「意義」の意味とは?の章であげたひとつめの意味、言葉固有の概念のことです。この用法では、「意義」の言い換えとして「意味」を使うことができます。

たとえば「人生の意義」といった場合、人生の定義などについて述べているなら、「人生の意味」と言い換えても内容は同じです。

「意義」との違いは他のものと関連の多寡

「意義」と同じく「意味」にももう一つ別の意味があり、「そのものが持つ価値」のことを表します。「意義」との違いは、そのものがもつ価値が他のものとどのくらいの関連をもっているかということです。

「意義」における価値には関係する人や環境と深い関連性がありますが、「意味」における価値は比較的普遍性があるという点に違いがあります。

たとえば「人生の意義」といった場合、その人が持つ価値観によってさまざまな論点が表れてきます。一方「人生の意味」といった使い方では、属人性が薄まった一般的な論点にしぼられます。

「意義」と「目的」との違いとは?

「目的」とは最終的な到達点のこと

「目的」とは最終的な到達点のことを表す言葉で、「目」は「めあて・もくする」ことを、「的」は「まと・めあて」のことを指しています。

合わさってできた熟語「目的」も、目指すことがらやねらいのことを意味していて、たとえば「人生の目的」という場合、眼目は人生そのものではなく人生の到達点にあるものです。

「意義」との違いは価値のありか

「意義」における価値は、そのもの自体にあります。一方「目的」においてはそのものによって得られるゴールに価値を置いているのです。

「人生の意義」という場合、価値は成功や成果といったものの有無によって決められるものではありません。ところが「人生の目的」は人生において達成したいねらいのことであり、到達できてはじめて価値を持つことになるのです。

まとめ

「意義」の意味のほか、類語や「意味」「目的」との違いについて解説しました。ものごとにどのような「意義」を持つかについては、個人・時代・環境などによって違いが大きく、誤解や争いの元になることもあります。

お互いに大切にするものについて、たとえ理解できなくても尊重しようとする心のゆとりを持っていれば、無用なトラブルを未然に防ぐことができそうです。