「去年」の意味とは?「昨年」「旧年」「前年」との違いも解説

「去年」の意味は知っていても、「昨年」との違いを尋ねられると戸惑いませんか。また、「きょねん」以外の読み方や「去年今年」という言い回しもあるようです。ここからは、平成と令和が混在している今年の「去年」は何年が正しいのかなども含め、「去年」の意味や類語との違いのほか、読み方についても解説しています。



「去年」の意味とは?

「去年」とは今年の前の年のこと

「去年」とは「今年の前の年」のことで、「去年のクリスマスは楽しかったね」というように、日常における話し言葉としてよく使われる言葉です。西暦2019年の「去年」にあたる年は、2018年となります。

熟語に使われている「去」という文字には「去る・ゆく」といった意味があり、「去年」で「過ぎ去った年」ということを表します。

「去年」は忌み言葉

日常的によく使う「去年」ですが、年賀状や結婚式においては避けられている言葉です。「去年」には「去る」という言葉が含まれていて、この言葉が不吉とされる「忌み言葉」にあたるためです。

「忌み言葉」は死や病のほか別れなど、良くないことが連想される言葉であるため、「去年」はおめでたい結婚式や新年の挨拶にふさわしくないとされています。

「去年」の別の読み方は「こぞ」

「去年」は通常「きょねん」と読みますが、「こぞ」という読み方もできる言葉です。古事記や日本書紀に用例がみられるほど古い読み方で、「去年」だけでなく「昨夜」という意味もあります。

「去年(こぞ)」を使った語句としては、「去年今年(こぞことし)」も挙げられます。新年にあたり、行く年とくる年の流れに思いをはせる言葉で、俳句における新年の季語として使われる言葉です。

「去年」と「昨年」の違い

「去年」と「昨年」は同じ意味

「昨年」の意味は「今年の前の年」で、「去年」と同じです。「昨」という文字には「ひと回り前」という意味があり、「昨年」「昨日」「昨夜」などはそれぞれ「今年の1年前」「今日の1日前」「今夜の一晩前」となります。

また「昨」という漢字そのものに「今日の前日」「今年の前年」という意味も含まれていますが、「昨」一文字で使われている事例は見かけられません。

「去年」と「昨年」の違いは禁忌のなさ

「昨年」は「去年」と同じ意味を持つ言葉ですが、「去年」が使えないシーンでも用いることができます。

「昨日」に不吉さを感じさせる意味合いはないため、先ほど例に挙げた結婚式や年賀状でも問題は生じません。したがっておめでたい場面では、「去年」を「昨年」に置き換えて使われています。

「去年」よりも「昨年」の方がより改まった表現

「昨年」は「去年」より硬い表現であるため、改まったシーンで使うことができる言葉です。そのため「昨年」は、書き言葉としてもよく使われています。一方「去年」は主に話し言葉で用いられていて、ビジネス文書ではあまり使用しません。

なおビジネスにおいては、「昨年度」や「昨年来」という表現もよく見かけますが、「去年度」や「去年来」という用法はありませんのでご注意ください。

「去年」と「旧年」との違い

「旧年」は「去年」の丁寧な言い回し

「旧年」は、「旧年中は大変お世話になりました。」というように、新年の挨拶でよく使われる言葉です。年が改まった際に前の年のことを指して用いますが、「去年」や「昨年」より改まった表現となります。

また「旧年」には過ぎ去った年を懐かしむニュアンスもあり、これからもお付き合いを続けたい方やお世話になった方へのご挨拶にふさわしい言葉です。

なお、「旧年」とあわせてよく使われる言葉として「本年」があります。「今年」より丁寧な言い回しとなるため、年賀状の文面では「昨年+今年」ではなく「旧年+本年」を用いることが一般的です。

「去年」と「前年」との違い

「前年」はある年の前の年

「前年」とは、ある年の前の年のことを指した言葉です。したがって基準となる年が今年でない場合、「前年」と「去年」は異なった年となります。

たとえば「創業の前年」といったとき、創業が今年であれば「去年」と「前年」は同じ年になります。けれども去年に創業した場合であれば、「創業の前年」は「一昨年・おととし」のことになるといった具合です。

令和元年の「去年」はいつ?

令和元年の「去年」は平成30年

2019年は平成と令和が混在しています。令和元年の前には平成31年があって間違えてしまいそうになりますが、平成31年と令和元年は同じ年であるため、今年の「去年」にあたる年は平成30年となります。

一方、2018年の年末に出した年賀状に平成31年と書いた方は、2019年の年末に出す年賀状では令和2年としなければなりません。令和元年と書いてしまわないようにご注意ください。

2019年度は和暦では「何年度」になる?

本来なら2019年度は「平成31年度」

年度に関しては通常4月における元号が用いられるため、昭和から平成に変わったときは平成元年4月から「平成元年度」がスタートしました。

本来であれば、2019年度における「今年度」は平成31年4月にスタートした「平成31年度」となり、令和元年度は存在しないはずです。

ところが令和の場合は、改元日以前の4月も含めて「令和元年度」とする旨の方針が政府から出されたため、2019年度を「令和元年度」と呼ぶことになったのです。したがって、令和2年度からみた昨年度は平成31年度ではなく、令和元年度となります。

まとめ

「去年」の意味をはじめ、読み方や「昨年」「旧年」「前年」との違いのほか、年度の扱い方などについても解説しました。日時を特定するためには、時を表す言葉の意味をしっかり押さえておく必要があります。

とくに元号が変わった年は、文書に記載する年月日や年度の扱いに気を使うものです。曖昧さを回避するためには、念のため西暦でも確認しておくことをおすすめします。