「催促」の意味と類語は?「督促」との違いやメールでの使い方も

「催促」は、日常よく使われる言葉ですが、「催促」するのもされるのもあまり気分がよいものではないでしょう。しかしビジネスにおいては、取引先や上司に対して「催促」しなければならないシーンがよくあります。この記事では、「催促」の意味と類語のほか、「督促」との違いやビジネスメールでの使い方について紹介しています。

「催促」とは?

「催促」の意味は”早くするように要求することを”

「催促」の意味は、“早くするように要求すること”です。読み方は「さいさく」です。「催」という文字には「うながす・せきたてる」という意味があります。

もうひとつの文字「促」には「急がせる・せまる」という意味があり、2つの文字が合わさった「催促」も、ものごとを早く実行するようにせきたてるという意味になります。

「催促」は人を急き立ておし進めること

「催」という漢字は「催す」とも読みますが、何らかの行動を人に対しておしすすめるということが由来となっています。

したがって、「催す」と「うながす・せきたてる」とは表面的には異なった動作にみえますが、本質的には同じ意味合いです。

一方、にんべんに足と書く「促」という漢字には、いそがせて速くさせるという意味があります。したがって「催促」という文字そのものが、人をかきたておしすすめることを表しているのです。

「催促」の類語とは?

類語①「督責」は厳しく責め促すこと

「催促」の類語として「督責」を挙げることができます。「督責」は「とくせき」と読み、取り締まり促すということを指す言葉です。

「督」という文字には、「取り締まる」「急き立てる」ことを、「責」には「もとめる」「とがめる」ことを表しており、2つの文字が合わさって「督責」という熟語ができています。

「督責」早くするように急かせるという意味では「催促」と同じですが、「催促」よりもっと厳格なニュアンスがある言葉です。

類語②「慫慂」は強く勧めること

「慫慂」は「しょうよう」と読み、そうするようしきりに勧めることを表した言葉です。「慫」と「慂」どちらの文字にも「勧める」という意味があり、同じ意味の漢字が合わさることで元の意味を強めています。

「催促」もそうするように促すことを指しています。しかし、「慫慂」は強く勧めはするものの急がせるという意味合いは含まれておらず、この点が「催促」とは異なっています。

類語③「要請」は実現を強く求めること

「要請」は、実現を強く求めることをいう言葉です。そのことが必要であるため実現を強く願い求めるというように、単なるお願いではなく、実現させることを要求するという意味合いがあります。

「要請」は「催促」と同じようにそうすることを促す言葉ですが、対象となる事柄は必要なものであると認められるものでなければなりません。この点が「催促」とは異なっています。

「催促」と「督促」との違いとは?

「督促」は強制力を伴った催促

「督促」は「とくそく」と読み、急がせるという意味を持っています。熟語に使われている「督」という漢字は「監督」という熟語からもわかるように、「取り締まる」という意味を持っています。

「督促」は契約や債務などの金銭を伴ったことがらにおいて使われることが多い言葉で、「催促」より強制力を伴った厳しい対応が行われます。

たとえば期日までに支払いをすませていないようなときに、早く支払うように強く促す働き掛けのことを指しています。

「督促」は公的・法的な場面で使われる

日常生活において広く用いられる「催促」に対して、「督促」は法的・公的な場面で使われます。

たとえば「催促」は、子供から早く遊びに連れて行ってとねだられるような場合や、上司から書類を早く提出するように急かさせるような場合にも用いることができます。

一方、「督促」は日常生活で使われることは稀で、契約や義務が適切に履行されていないときに、強制力を持ってそのことを早く行うように強く促す働き掛けのことをいいます。

「催促」のビジネスメールでの使い方・例文とは?

上司や顧客へのビジネスメールは「責め口調にしない」

ビジネスで「催促」メールを送るときの注意点は、相手に不快感を与えないことです。とくに上司や顧客へのメールは、相手を責め口調の文面にならないように気をつけます。

ビジネスにおいて、相手に何かを「催促」しなければならない場面はよくあります。口頭で伝えるより相手の顔を見なくてすむメールは心理的負担が少ないように感じられるかもしれませんが、文面が残ることを考えると口頭よりもっと気を使わなければなりません。

メールの件名はシンプルに、お詫びの言葉も添えて送信する

件名は「◯◯の件について」というように催促したい用件をシンプルに記入します。本文では急いでいることを伝えなければならないのですが、万一の行き違いや相手の事情への配慮を漂わせるために、例文のようなお詫びやお願いの言葉を添えるとよいでしょう。

  • 何か行き違いがあったのではと、ご連絡させていただいております。
  • 大変恐縮ですが、ご確認いただけましたら幸甚です。
  • すでにご返信いただいておりましたら、申し訳ありません。
  • ご事情などがあれば、ご連絡いただければ幸いです。

相手を急がせることへの気遣いは不可欠

「催促」のメールにおいて相手に不快感を与えないためのコツは、相手を急がせること自体が失礼にあたるということを念頭に文面を考えること。「催促」という言葉をそのまま使うことは禁忌です。

また、相手が余裕を持って対応できるように「午前中にメールを送ること」も必要な配慮といえます。こちらの配慮が伺えるメールであれば、相手は責められていると不快に感じることなく対応してくれるでしょう。

まとめ

「催促」の意味と類語をはじめ、「督促」との違いやメールでの使い方を紹介しました。仕事をスムーズにすすめるうえで、「催促」を上手に使えることは大きな武器になります。一方自分自身については、「催促」される前に仕事を片付けるように心掛けることも大切です。

相手に機嫌よく急いでもらうための言い回しを工夫するとともに、段取り良く自分の仕事をこなせるようにもなりたいものです。