「文盲」の意味と類語は?読解力との関係やネットでの用法も紹介

「文盲」は日本でほとんどみられなくなり、調査さえされなくなっています。ところが読解力の低下が問題視されるようになり、新しい意味を持った「文盲」が登場しました。この記事では、本来の「文盲」の意味や類語のほか、「文盲」と読解力との関係やネットでの用法について紹介しています。



「文盲」の意味とは?

「文盲」の意味は「読み書きができないこと」

「文盲」とは、読み書きができないことや人のことです。正しい読み方は「もんもう」ですが、誤った読み方の「ぶんもう」もよく使われています。

「盲」という文字は目が見えないことを指しているため、差別的な意味合いや不快さを感じさせるおそれがあるようです。そのため「文盲」は不快用語とされ、類語に置き換えられています。

「文盲」は教育で解決できる問題

「文盲」は、病気や障がいが原因で読み書きができない場合には使いません。読み書きは教わらなければできるようにならないため、教育を受ける機会が得られなければ「文盲」になってしまうのです。

幕末に日本へやってきた外国人は、文字を読み書きできる庶民が多くいたことに驚きました。正規の学校ではなかったものの地域には寺子屋があり、多くの子供たちがそこで読み書きを学んでいたからです。

「文盲」のまま取り残される人は今もいる

グローバル化が進み、世界中に情報が行きわたっているようにみえる現代社会ですが、教育を受ける機会に恵まれないため、読み書きができないままの人が数多くいる地域があります。

日本でも戦後の混乱期に学校へ通えず、字が読めないため誤って殺鼠剤を食べて死亡したような痛ましい事故もありました。

文字が読み書きできなければ就業の機会も失われてしまい、貧困に陥ってしまうおそれもあるため優先的に対策することが望まれます。

「文盲」の類語

「非識字」「非識字者」は「文盲」の言い換え語

差別的な意味合いが感じられる「文盲」の言い換えとして、「非識字」「非識字者」が使われています。

「文盲」の対義語である「識字」は、文字を読み書きし理解できることや能力のことを指す言葉で、否定の意味を加える接頭辞「非」をつけることで、読み書きができないことを「非識字」、読み書きができない人のことを「非識字者」と表しています。

以前は、ある地域の人口に対する読み書きのできない人の割合を「文盲率」としていましたが、近年では読み書きができる人の割合を指す「識字率」が用いられるようになりました。

「無筆」は古い言葉

「無筆」は読み書きができないことを表していて、「文盲」と同じ意味を持った言葉です。「筆」という文字には、文字を書き記すことや書き表された文章という意味あります。

この「筆」に否定を表す接頭辞「無」がついて、文字の読み書きができないことを指す熟語となっています。「無筆」は古い言葉であるため現代ではあまり使われておらず、見聞きする機会は落語などの古典芸能に限られているようです。

「不文」は学問がないこと

「不文」は「ふぶん」と読み、文字を知らないことや学問がないことを意味している言葉です。

「文」という文字には文字・文章にとどまらず学問や教養、文化など幅広い意味合いがあり、打ち消しの接頭辞である「不」を伴って、文字に書き表されていないものや文章が拙いこと、教養がないことなども表しています。

つまり「不文」は、読み書きだけを対象にした「文盲」よりもっと広い意味で使われているのです。

「文盲」と読解力との関係

読む力と読解力は別の能力

読み書きできる能力と内容を理解できる読解力は別モノであり、どちらかができればもう一方もできるという関係ではありません。

たとえば契約書に書かれた文字を読むことは、ほとんどの人ができるでしょう。しかし内容を理解できないままサインする人は少なくなく、後日トラブルが発生したとき「そんな話は聞いていない」ということになるのです。

このように、読むことはできても意味がわからない状態のことを機能的非識字といい、読解力を強化する必要性が生じています。

理解力があっても読み書きできないことも

知的能力や理解能力に異常がなくても、文字の読み書きがうまくできないケースもあります。「識字障害(ディスクレシア)」「書字障害(ディスグラフィア)」などの学習障害でみられる状態です。

このようなケースでは、文章の内容を理解したり、自分の考えを文字に表したりすることはできませんが、文字によらない表現を使うことで理解や知的活動を行っているケースもみられます。

「文盲」のネットでの用法

ネットでの「文盲」は「読解力がない」こと

インターネット上でいう「文盲」は、「文章の読解力がない人」への皮肉を込めた呼び方です。ネットでは、文字による「書き込み」によって意見交換されることが多く、読み書きできることが前提になっているためです。

ネット上で「文盲」が使われる場合、本来の意味の文字の読み書きができないことを指していないケースが良く見られます。

まとめ

「文盲」の意味と類語に加え、読解力との関係やネットでの用法も紹介しました。読み書きは読解力や理解力とセットになってこそ意味があります。幅広い知識や深い見解を身につけるためには、内容がやや難しい長文を読んだり、得意分野以外の情報にふれたりすることが役立つでしょう。

分厚い書籍や論文などは敬遠しがちですが、この機会にぜひチャレンジしていただければと思います。