「瑕疵」の3つの意味とは?使い方や「過失」との違いも解説

「瑕疵」は日常あまり見聞きしませんが、民法上や不動産契約においてはひんぱんに登場する言葉です。難しい言葉ではありますが、不動産契約に関しては多くの方が何度か経験するため知っておいた方がよいでしょう。この記事では「瑕疵」の意味と類語のほか、「過失」との使い方の違いについても解説しています。



「瑕疵」の3つの意味とは?

「瑕疵」の意味1:きずや欠点のこと

「瑕疵」の読み方は「かし」で、意味はきずや欠点のことを指します。「瑕」という文字には「きず」「欠点」「過ち」という意味があります。「疵」にも「欠点」「傷跡」「罪」といった意味があり、ともに似た意味合いを持つ文字です。

なお「疵」には「そしる」という意味もあり、「瑕疵」が単なる欠点ではなく責められるべきものであることを表しています。

「瑕疵」の意味2:法律上の欠陥

「瑕疵」は法律用語としても用いられており、人の行為や権利およびものにおいて、法的に何らかの欠陥や欠点があることを表す言葉です。通常あるべき品質や状態が欠けてたり、意思表示の際に詐欺・強迫があったりする場合に使われます。

民法では詐欺などの被害者を救済するため、瑕疵ある意思表示は後から取り消すことができるようになっています。

「瑕疵」の意味3:不動産の欠陥

不動産の契約における「瑕疵」とは、土地・建物や設備に備わっているべき品質や機能が損なわれていることを指します。

取引される土地や建物における欠陥は物理的なものにとどまらず、法律的な欠陥も含むものです。たとえば都市計画道路に指定された土地を知らずに購入したような場合、「瑕疵担保責任」によって買主は売主に対して損害賠償や契約解除を請求できます。

※「瑕疵担保責任」とは、不動産に瑕疵(欠陥)があった場合に、売り主が買い主に対して負う責任のことを言います。

「瑕疵」の使い方とは?【過失との違い】

「瑕疵」はものの欠陥に対して使う

漢字の偏をみればわかるように、本来「瑕」は玉についたきずのことを、「疵」は身体のきずや病気のことを表してます。

ところが熟語の「瑕疵」が用いられるケースは、ほとんどの場合ものが対象となっているのです。とくに民法上で用いられることが多く、不動産契約においてはしばしば登場しています。

「過失」は人が犯した過ちに対して使う

「過失」も「瑕疵」も過誤という意味合いがある言葉ですが、「過失」は人間が不注意などによって引き起こした過ちのことを指しています。

法律用語としても、注意義務に違反した状態のことを表しており、いずれも人の不注意や怠慢によって起きた過誤という意味です。

「過失」は故意に犯した過ちには使わない

「過失」は「過ち」と似た言葉ですが、故意に犯した過ちを「過失」と呼ぶことはありません。「過失致死罪」は過失によって他人を死亡させたときに適用される罪で、50万円以下の罰金が科せられます。

故意に人を殺害した場合の殺人罪では、死刑または無期もしくは5年以上の懲役が科せられます。人を殺めた点については同じでも、故意ではない「過失」であればかなり軽い刑罰が適用されるのです。

「瑕疵」の類語

「疵瑕」は「瑕疵」の同義語

「瑕疵」の文字を入れ替えた「疵瑕」は、「しか」または「しが」と読み、「瑕疵」と同じく欠点や過ちのことを表す言葉です。

「習慣」「慣習」のように熟語の前後を入れ替えても成り立つ言葉はありますが、細かな意味合いや用法に若干の違いがあるケースが多く見られます。

「疵瑕」の場合も、法律用語として使われることがないという点や、「不運・不幸」という意味も持っているという点で「瑕疵」と完全に一致するものではありませんが、一般的な用法では同義語として取り扱うことができます。

「欠陥」とは欠点のこと

「瑕疵」の同義語として、「欠陥」を挙げることができます。熟語に用いられている「陥」という文字の意味は、「穴」のほか「おちこむ」「欠ける」です。

同じ「欠ける」という意味を持った「欠」と「陥」が合わさって、欠点や不足を表す「欠陥」という熟語になっています。

「不具合」は状態がよくないこと

「不具合」は、状態や調子がよくないことやその様子を表す言葉です。システムなどが適正に動作しない場合、「システムの不具合によって、作業を一時中断せざるを得なくなった」というように使います。

不具合を端的にいえば、何らかの欠陥による故障やトラブルのことですが、「不具合」という言葉を用いて婉曲に表現するケースが多くみられます。

民法改正で「瑕疵担保責任」が廃止に

「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」に変更

明治時代の制定以来120年ぶりとなる2020年4月1日の民法改正で、不動産の売却における「瑕疵担保責任」に代わって、「契約不適合責任」という責任が売主に課させることになりました。

「契約不適合責任」では、売却物件が契約内容に適合しているかどうかが問われますが、売主の責任が一層重くなるとみられます。

まとめ

「瑕疵」の意味と使い方、類語についても解説しました。「瑕疵」は契約などの法的行為に対して使われることが多い言葉です。

「瑕疵」は書面で用いられるケースが多く、日常会話で使われることはまれなため、ビジネスや契約ではない通常の会話では、平易な類語に言い換えた方がよいでしょう。