「自営業」の意味とは?確定申告のやり方や年金についても紹介

「自営業」を行っている人といえば、街の商店主がイメージされるかもしれません。さらに似た言葉である「個人事業主」や「フリーランス」との違いも、はっきりしないでしょう。この記事では、「自営業」の意味や「個人事業主」や「フリーランス」との違いのほか、確定申告のやり方や年金についても紹介しています。



「自営業」の意味とは?

「自営業」とは自分で事業を行うこと

自営業とは誰かに雇われて給料をもらうのではなく、独立して自分で事業を行うことやその事業のことを指す言葉です。街でよくみかける「〇〇商店」や「△△酒店」などのほか、チェーン店でない美容院や接骨院などはたいてい「自営業」です。

「自営業」は家族や少数の従業員で営まれていることが多く、大手企業の下請けを行っているケースもよくみられます。

「自営業」に含まれる「個人事業主」

「自営業」を行っている人のことを、「個人事業主」と呼ぶことがありますが、完全にイコールというわけではありません。

たとえば法人として会社経営を行っているようなケースは「自営業」に含まれますが、「個人事業主」には該当しません。つまり税務上において「自営業」は、「個人事業主」と「法人」に区別されているのです。

「フリーランス」は「自営業」の別名

「自営業」には、店舗を構えずに行う事業も含まれます。たとえば個人で行う農業や漁業のほか、フリーのカメラマンやプログラマー、webデザイナーなども「自営業」にあたる事業です。

一般的にカナカナの職種や、営業時間を決めずに事業を行っている職業などは、「フリーランス」と呼ばれることがよくありますが、「フリーランス」には「自営業」と同様に法人化したものも含まれています。したがって「フリーランス」は、「自営業」の別名と理解して問題ありません。

「自営業」の確定申告のやり方

「自営業」の納税は自分で行う

ほとんどのサラリーマンの場合、所得税は毎月の給与から天引きされる源泉徴収と年末調整によって行われています。しかし「自営業」の場合は、自分で確定申告を行い税金を支払います。

確定申告とは、年に一度(2月中旬から3月中旬)前年の所得に対する所得税の計算を行い、税務署に申告・納税を行う手続きのことです。なお、サラリーマンの場合でも還付申告といって、医療費や住宅ローン控除などのために別途、確定申告を行うことがあります。

確定申告で必須の確定申告書B

「自営業」を行っている人が確定申告を行うときに必須の書類は、確定申告書Bです。確定申告書Bに必要事項を記入するためには、所得の合計金額のほか以下のようなさまざまな書類が必要となります。

  • 青色申告決算書(青色申告の場合)
  • 収支内訳書(白色申告の場合)
  • 源泉徴収票(アルバイトなどの給与所得もある場合)

その他、控除を受ける場合には次のような書類も必要です。

  • 国民年金保険料の控除証明書
  • 生命保険料の控除証明書
  • 地震保険料の控除証明書
  • 医療機関の領収書(医療費控除用)
  • 寄附金の受領書(寄附金控除用)

「自営業」なら青色申告がお得

青色申告と白色申告の大きな違いは、節税効果の有無です。青色申告では所得から最大65万円の特別控除が受けられますが、白色申告の場合はそのような特典はありません。その他にも3年間の赤字の繰り越しや、家族への給料を全額経費にできるなどの特典も利用できます。

なお、青色申告を行うためには複式簿記による帳簿作成が必要となりますが、会計ソフトを利用すれば青色申告決算書などの必要書類が自動的に作成できるので、問題ありません。

確定申告は自宅のパソコンでできる

確定申告は、年度末の忙しい時期の約1ヵ月間に行わなければなりません。多くの「自営業」は少ない人員で経営をやりくりしているので、事業主は毎年の確定申告に頭を悩ましているようです。

しかし国税庁の電子申告・納税システム「e-Tax(イータックス)」を利用すれば、自宅のパソコンから申告を行うことができます。「e-Tax」なら24時間いつでも都合の良い時間に申告ができるだけでなく、源泉徴収票などの添付を省略できるメリットもあるのです。

「自営業」の年金は?

「自営業」の年金は国民年金

サラリーマンは厚生年金に加入しますが、自営業者の場合には国民年金に加入します。国民年金の保険料は所得に関係なく一律で、月額16,410円です。納付期限は納付対象月の翌月末日で、前納制度を利用すると保険料の割引を受けられます。

なお、所得が少ないなどの理由で保険料の支払いが困難なときには、保険料の全額もしくは一部免除や納付猶予の申請を行うことができます。

保険料の免除や納付猶予が承認された期間でも年金の受給資格期間に算入されますが、将来受け取る年金の額は減ってしまうというデメリットがあります。しかし、保険料免除や納付猶予になった保険料を追納することで回復できるケースもあるのです。

国民年金基金などには節税効果も

国民年金の受給額は、満額納付した場合でも月額で約6.5万円と少額ですが、任意で加入できる国民年金基金や小規模企業共済を活用することで年金額を増やせるのです。

国民年金基金や小規模企業共済の掛け金は所得から控除できるため、年金を増やしながら節税効果も得られます。なお、国民年金基金や小規模企業共済は自分で手続きしたうえで、一定の資格を満たしていなければ加入できません。

まとめ

「自営業」の意味を理解するために、「個人事業主」や「フリーランス」との違いのほか、確定申告のやり方や年金についても紹介しました。

自営業の年収は、事業の種類だけでなく事業主によって大きく異なりますが、利益を上げられなければ収入を得ることができないという点と、リスクが不可避となっている点において厳しいものがあります。

つまり、「自営業」が向いている人は判断力と決断力があるタイプで、会社勤めが退屈だから「自営業」を始めようというのは避けておくことをおすすめします。