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「論理的」の意味とは?類語の「理論的」との違いや対義語も紹介

「論理的」はよく耳にする言葉ですが、類語の「理論的」と混同されることもあるように、具体的にどのような意味なのかをはっきりと説明することは難しいものです。この記事では「論理的」の意味を知るために、類語の「理論的」との違いや対義語のほか、対応する英語などについても紹介します。

「論理的」の意味とは?

「論理的」の意味は”筋道が通っていること”

「論理的」の意味は、“きちんと筋道立てて考える様子のこと”です。熟語を構成している「論」と「理」の意味は、「筋道」という共通したものです。その他「論」には「議論する」、「理」には「ことわり・条理」という意味もあります。

2つがあわさった「論理」は、道理に基づいて議論すると読み下すことができ、意見や見解を導き出すときの方法に筋が通っていることを表します。

「論理」の後に「~のような性質」という意味合いを加える「的」がついた「論理的」という熟語は、「論理的〇〇」というように、対象となるものごとが論理に基づいた手法で扱われたものであることを示しているのです。

「論理的」と「理論的」との違いとは?

「理論的」とは現象から法則を導き出すさまのこと

「理論的」とは、現象を法則的に論じることができるように、筋道を立てて構築するさまのことを指す言葉です。

現実の事象から法則を構築することで得られる「理論」は、帰納的な論理によって導き出されたるものであり、「理論的に正しい〇〇」という場合、〇〇は経験則や統計学によって得られた正解ということを示しています。

「論理」は手法で”理論”は法則

「理論」は、議論される「理(ことわり)」と読み下すことができる熟語です。「理」は法則や条理のことを指すため、言葉で説明することを表す「論」とあわさって、言葉によって説明される法則や知識という意味になります。

つまり、「論理」は筋の通った議論によって「理論」に到達するための手法で、「理論」は論理的に説明できる法則や知識体系のことです。

英語表現にみる「論理的」と「理論的」の違い

「論理的」は英語で「logical」

「論理的」は、英語での「logical」にあたります。論理という意味の「logic」の後に、性質を表す接尾辞の「-al」がついてできた言葉で、話の筋道が通っているということを表したものです。

「logic」は「談話・言葉」のことを示す「logue」が語源で、同じ語源を持つ単語である「dialogue(対話)」「prologue(序文)」にも筋道が通った言葉という意味合いが見受けられます。

さらにさかのぼると、古代ギリシャ語で考えることを指す「logos」にたどりつき、思考は言葉によって論理的に展開されることが示されています。

「理論的」は英語で「theoretically」

英語で「理論的」にあたる言葉は「theoretically」です。「理論」の英訳である「theory」は、古代ギリシャ語で「見ること」や「見解」という意味の「theoria」が語源で、自分が見たものから得られた意見・見解が論理的に再構築された「理論」を指すようになりました。

「theory」から派生した「theoretical(理論上の)」に副詞を作る接尾辞の「-ly」がついて、「理論的」という意味を持つ英単語である「theoretically」ができています。

「論理的」の類語表現とは?

類語①「合理的」とは理にかなっているさま

「合理的」とは読んで字のごとく、理(ことわり)に合致している様子のことです。理とは論理的に説明できるものであることから、「合理的」なものは「論理的」でもあるといえます。

なお、「合理的」は迷信や因習などに左右されない様子のことも指しており、この場合は「論理的」と同様に思考の進め方のことを説明したものです。

類語②「体系的」とは秩序立っているさま

「体系的」とは、個々のことがらが秩序を持ってまとまっている様子を示した言葉です。たとえば「体系的」な研究といった場合、各々の研究がバラバラに行われているのではありません。

仮に関連が内容に見える研究であっても、「論理的」に構築された秩序に基づいたまとまりを持って行われています。

類語③「理性的」とは道理に従って判断するさま

「理性的」とは、個人的な感情や本能ではなく、道理に従って判断するさまのことです。「論理的」な判断も、感情や本能ではなく道理に基づいて行われるため、思考の筋道を客観的に説明できます。なお、「感情的」は「理性的」の対義語ですが、「論理的」の対義語ではありません。

「論理的」の対義語とは?

「論理的」の対義語は”非論理的”

「論理的」の対義語は、「非論理的」です。「非」は、あるべき姿に反することを表す接頭辞であり、そうではないという意味の「非ず」とも読みます。したがって、「非論理的」は「論理的ではない」という意味で、「論理的」の対義語です。

「直感的」は勘による理解や判断

「直感的」は「論理的」の反対の意味を持つ言葉で、感覚的にものごとを見てとることです。論理や思考などの方法ではなく、一瞬のひらめきや勘によるもので、その結論に至った理由を説明することはできません。したがって、第三者の理解が得られる場合は、「論理的」なものではなく「共感」によるものとなります。

まとめ

「論理的」の意味のほか、類語の「理論的」との違いや対義語などを紹介しました。「論理的」に討論を展開していても、だんだんと感情的になってしまうのが人間で、しばしば情に流されて判断を誤ってしまいがちです。

しかし、感情論だけで大勢の人を説得することもできません。他人の理解を得るためには、「論理的」な説明とともに、感情に訴える要素も準備しておくと効果的でしょう。