「重畳」の意味や由来とは?2つの用法の使い方と例文・類語も解説

「重畳」は、普段あまり見聞きする機会がない言葉です。漢字そのものは簡単で、それぞれの文字の意味もわかりやすいものですが、熟語の意味や読み方を知っている方は少ないかもしれません。この記事では「重畳」の意味と読み方をはじめ、由来や類語について解説しています。

「重畳」の意味とは?

「重畳」の意味は「幾重にも重なること」

「重畳」の意味は、何重にもたくさん重なることです。熟語を構成している「重」という文字には、「重い」ということのほかに「重なる」という意味があります。

もう一つの文字である「畳」には、和室に敷きつめる「畳」のほかに、「たたむ」「重なる」「積み重ねる」という意味があり、同じ意味を持つ漢字二文字を組み合わせる成り立ちによって、漢字が持つ意味を強めた「重ね重ね」という意味合いの熟語となっています。

感嘆詞の「とても喜ばしいこと」という意味も

「重畳」には、ほかに「とても喜ばしいこと」「この上なく満足なこと」という意味もあり、感嘆詞として用いられます。

「重畳」は古めかしい言葉であるため、日常生活のなかで用いられることはまれですが、感嘆詞としての用法は、時代小説や時代劇などのなかでのおめでたい場面でしか見聞きする機会はありません。

「重畳」の読み方は「ちょうじょう」

「重畳」の読み方は「ちょうじょう」です。「重」は「じゅう」と読む用法が多いため、「じゅうじょう」と読んでしまいがちです。また、語句そのものを見聞きする機会が少ないため、誤った読み方をしたとしても指摘されることは少ないでしょう。

とても喜ばしいという意味での「重畳」を「頂上」と書くこともあるので、読み方を忘れないためのトリガーにされてはいかがでしょうか。

「重畳」の由来とは?

「重畳」の由来は「畳が重なること」

「重畳」の漢字の意味が重なったことを由来とする場合の意味は、「重ね重ね」です。一方、大変喜ばしいときに用いる場合の「重畳」の由来は、畳が積み重なることから来ています。

畳は古事記が編纂されたころにはすでに存在していましたが、高貴な人物だけが使うことができる高級品で、江戸時代になっても将軍など限られた人間だけに許されたものでした。

つまり高級品である畳が積み重なっている状態は、大変喜ばしく満足できるものであるということが「重畳」の由来となったのです。

「重畳」の使い方

花びらや山脈などが幾重にも重なることを「重畳する」と表現

「幾重にも重なること」の意味で一般的な使い方としては、花びらや山脈などのように、何重にも重なっているものを描写することです。「重畳する」「重畳した」という言い方や、やや硬い表現で「重畳たる○○」とも言います。

  • 美しい斑入りの花びらが重畳した見事な牡丹が、絢爛に咲き誇っている
  • やっとの思いで、重畳たる山並みが見渡せる絶景スポットにたどり着いた
  • 「鯉のぼり」は、屋根瓦と雲の波が重畳するさまを描いた唱歌だ

おめでたい場面で「重畳だ」「重畳の至り」とも使う

「重畳」のもうひとつの意味「とても喜ばしいこと」は、おめでたい場面で使います。日常会話で用いる機会は少ないですが、祝うべきことがある場面で使う表現だと覚えておきましょう。

  • 大口の契約を締結できたことに、「何より重畳」と皆で喜び合った
  • 記念受験した大学に合格できた彼は、「これは重畳の至り」とおどけてみせた

電気回路の計算手法「重畳の理」とも使われる

「重畳」は「重畳の理」という言葉のなかで用いられることもあります。複数の電源がある回路の解析を行う際、電源ごとに電流の計算をして最後にまとめ合わせるという手法のことです。

「重畳」を何重にも重ねるという意味で使ったものですが、なじみが薄い言葉であるため、わかりやすいように「重ね合わせの理」とも呼ばれています。

「重畳」の類語

「同じことが重なること」の意味での類語は「度々」「再三」

「度々」には、「何度も」という意味があります。同じことが重なって何度も繰り返されることを指し、「重畳」と同じ意味合いを持っています。格調高い「重畳」とは異なり、「度々」は口語でもしばしば用いられるほど気軽に使うことができる言葉です。

再三は、「二度も三度も」ということを指した言葉です。熟語に用いられている「再」という文字には、「ふたたび」のほかに「二度」や「繰り返す」という意味があります。「三」には数字の三以外に「たびたび」「何度も」という意味があるため、二つの文字があわさった「再三」の意味である「二度も三度も」は、単に回数を示すのではなく何度も繰り返すことを表しているのです。

「喜ばしいこと」の意味での類語は「満悦」「堪能」

「満悦」とは、心が満ち足りてよろこぶことを表した言葉です。「満」は「すべて」「満ちる」ことを、「悦」は「よろこぶ」「たのしむ」ことを指す文字で、二つがあわさった「満悦」は、不足に感じるものが何一つないほどによろこんでいる様子を示しています。

「堪能」とは充分に満足することを指した言葉ですが、漢字は当て字で「足(た)んぬ」の音が変化したものです。山海の珍味でもてなされたときなどに、「素晴らしい料理を堪能した」というように用います。

まとめ

「重畳」の意味と読み方のほか、熟語の由来や類語についても解説しました。漢字そのものは簡単であっても、使われる機会が少ない語句は意味や読み方が分かりづらく、覚えたつもりでも忘れてしまいがちです。

うろ覚えになっている言葉は面倒でも、使う前に意味や用法を調べなおすようにすれば誤った使い方をせずにすむでしょう。