「マウンティング」の意味とは?男性と女性との違いや心理状態も

「マウンティング」という言葉は流行語大賞にノミネートされて以来、日常的に使われるようになりましたが、造語ではなくもともと存在していた言葉です。この記事では「マウンティング」の意味のほか、男性と女性における違いや「マウンティング」する人の心理状態についても紹介しています。

「マウンティング」の意味とは?

「マウンティング」の意味は”相手の上に立とうとする行為”

「マウンティング」の意味は、“相手より自分の方が優れていることをアピールする行為のこと”です。人間は平等という建前になっていますが、実際にはさまざまな分野でランク付けされていますが、職場の同じ部署で同じ役職にある人の間でも、容姿や学歴などによって優劣が生じます。

私生活の充実度などのような、基準があいまいな指標でさえランク付けの対象となることもあり、「マウンティング」によって自らの優位性を強くアピールすることで自分の存在感を高めているようです。

「マウンティング」の元の意味は”犬の馬乗り行為”

「マウンティング」とは、犬や猿などの動物が自分の優位性を示すことを目的に、”相手に馬乗りになる行為のこと”です。

英語で山のことを「mountain」ということから連想できるように、「mount」には”山に登る”という意味があります。上に乗るという意味はここから来ており、「mount」に現在分詞の「-ing」がついた語句をカタカナ表記したものが「マウンティング」です。

「マウンティング」で男性と女性との違いとは?

「マウンティング」は男性にもみられる

「マウンティング」という言葉が広く認知されたきっかけが、人気ドラマに登場した女性の言動だったためか、「マウンティング」には女性の専売特許のようなイメージがあるかもしれません。

しかし、「マウンティング」は主に動物のオスの本能に由来するものであるため、人間の男性にもみられるものです。

男性は「マウンティング」で”強さ”をアピール

男性の「マウンティング」の特徴は、”強さ”をアピールすることです。動物のオスは、強くなければエサを手に入れることもメスを獲得することもできません。そのため、強くなければ生存することさえできないという恐怖が、人類のオスである男性にも植え付けられています。

現代社会における一般的な男性にとっての「強さ」は、社会的地位や学歴のほか収入の高さなどであるため、「マウンティング」の根拠となるものは客観的に判断しやすいことが多いようです。

女性の「マウンティング」はエンドレス

女性は男性と違って、横のつながりを重視する傾向が強くみられます。女性の多くが社会進出するようになりましたが、女性にとって社内組織における序列がすべてではありません。

女性の多くは家庭や恋愛のほか、趣味などを通してさまざまなコミュニティーに属しており、それぞれにランク付けが行われています。

つまり仮に業績や出世が不本意であっても、他の分野でいくらでも上に立つチャンスがあるため、女性の「マウンティング」はエンドレスになりがちです。

例をあげると、夫の年収や子供の出来だけでなく、友達の数やファッションセンスなど、さまざまなジャンルでそれぞれに「マウンティング」の熱い戦いが展開されています。

ママ友の「マウンティング」は子供にも伝染する

ママ友の間でも「マウンティング」はみられます。しかしやっかいなことに、ママ友の「マウンティング」は子供にまで伝染する傾向がみられ、母親の言動を真似た子どもが、友達に対して「マウンティング」し始めることがよくあるのです。

ママ友の「マウンティング」は子供の教育にも悪影響をおよぼし、いじめの元にもなりかねません。ママ達には、子供に真似されても大丈夫な言動を心掛けていただきたいものです。

マウンティングする人の心理状態とは?

「マウンティング」する人は負けず嫌い

負けてうれしいという人は多くないと思われますが、「マウンティング」をする人には、自分が負けることを極端に嫌うという心理があります。この場合の勝ち負けは実際の優劣やそのもの自体の重要さではなく、相手に負けを認めさせることが重要であることさえあるのです。

そのため客観的にみて価値が乏しいようなことや、どうでもよさそうなことにこだわって、相手を降参させようとするケースもみられます。

「マウンティング」する人は満たされていない

「マウンティング」する人の心理には、満たされていないという思いがあります。よくいえば「ハングリー」「上昇志向」ですが、要は今の自分に満足できていないのです。

「もっと」という気持ちがよい方向に向かえば、自分を成長させる原動力になります。しかし自らを高めるのではなく、他人を低く押さえつけたり引きずり下ろしたりすることで自分の優位性を示そうとすれば、「マウンティング」になってしまうのです。

「マウンティング」する人は依存心が強い

「マウンティング」する人は意外なようですが、依存心が強いという心理状態にあります。本当に自信がある人や自立できている人にとって、他人の評価はどうでもよいことですが、「マウンティング」する人にとっては他人から認められることが自信の裏付けとなっています。

つまり相手や周囲に自分のすごさを認めてもらうことで満足したいという他者依存の心理が、「マウンティング」に駆り立てる要因となっているのです。

まとめ

「マウンティング」の意味のほか、男性と女性における違いや心理状態について紹介しました。本当の強者はすでにその優位性を周囲に認められているため、ことさら「マウンティング」を行う必要はありません。

つまり「マウンティング」する人はよく吠えるけれどさほど強くない犬のようなもので、恐れる必要はないのです。とはいえ、「マウンティング」する人に噛みつかれると災難です。さりげなく離れておくことが賢明でしょう。