「研修報告書」の書き方とは?概要や所感を書くコツ【例文つき】

「研修報告書」は、研修の内容や所感、感想をまとめた書類で、研修に参加した後に提出を求められます。面倒くさいなと思いわれがちな研修報告書ですが、基本的な構成や所感の書き方などを学べばそれほど時間をかけずに作成できるでしょう。今回は「研修報告書」の意味や書き方に併せて例文も紹介します。

「研修報告書」の意味と目的とは?

「研修報告書」とは”研修内容をまとめた書類”

「研修報告書」とは、“研修に参加した後に研修内容をまとめた書類”です。ビジネスシーンでよく使われています。

新人研修やセミナーなど、社内や社外に問わず、何かの研修に参加したときに、その研修内容や所感をまとめて提出します。研修レポートと呼ばれることもあります。

また講師や人事担当者が研修を行ったことを会社に報告する「研修実施報告書」も研修報告書と呼ばれます。

「研修報告書」の目的は”研修の成果を伝えること”

「研修報告書」が書かれる目的は、“研修に参加して参加者は何を学び、学んだことから得た成果を報告すること”です。

企業が社員にその研修に参加させる理由や目的があったからで、研修報告書で参加者が参加目的を達成したのかが確認されます。そのため研修報告書には、研修内容に加えて、所感や感想で参加者が学んだことや考えたり思ったりしたことを書くことが大切になります。

「研修報告書」の書き方とテンプレートとは?

「研修報告書」に書くときの3つのポイント

研修報告書を書くときには、次の3つのポイントに注意しながらまとめます。

  1. 研修目的・結果・効果を明確にする。
  2. 読み手にわかりやすいレイアウトと文章でまとめる。
  3. A4サイズ1枚にまとめる。

研修報告書の作成準備として、①の「研修目的・結果・効果」を明確にしましょう。研修の目的と、実際に研修に参加してどのような結果を得て、その結果からどのような効果があったのかをはっきりとさせます。

わかりにくいときは、「その研修はなぜ行われるのか」「研修に参加したら、何を学べるのか」「学んだことが、どのように自分に影響し実務に生かせるのか」などと自問自答してみると、整理できるでしょう。

次に、②の読み手にわかりやすいレイアウトと文章を心がけます。すっきりと見やすい構成にして、1段落は3行程度でまとめると読みやすくなります。

最後に、研修報告書は➂のA4サイズ一枚程度にまとめます。5日以上の研修なら2枚程度を目安にしましょう。

研修報告書の基本的な構成

研修報告書の基本的な構成は次の通りです。

  1. 研修報告書の作成日
  2. 研修報告書の提出先の組織名や個人名
  3. 作成者の氏名
  4. タイトル
  5. 序文
  6. 研修内容:研修名、参加日時と場所、講師名、参加費用や研修概要など。
  7. 所感または感想

タイトルでは、「研修報告書」としてもいいですし、参加した研修名を入れて「○○の研修報告書」としてもいいでしょう。

研修内容は、研修名や参加日時などを具体的に簡潔に書きますので、手元に資料さえあると簡単です。

概要と所感または感想は、簡潔にわかりやすくまとめます。

「ですます調」か「である調」を混在させない

研修報告書に限らずビジネス文書のほとんどが、ですます調またはである調のどちらでも構わないことが多いです。大切なことは、両方の語調を混在させないことです。

「ですます調」か「である調」で統一して、一貫して一つの語調で書くようにしましょう。

【介護】研修報告書のテンプレート

ここでは研修報告書の一例として、研修報告書を書く機会の多い看護の研修報告書を紹介します。

研修報告書の例

令和○○年○月○日

        殿

研修報告書

このほど、下記の研修会に参加いたしましたので、その報告を申し上げます。

研修テーマ:「看護師に大切なチームワークとは」

主催者名:当病院 ○○部

研修日:令和○○年○月○日

開催場所:当病院コンファレンスルーム1

講師:○○病院 佐藤早苗氏

研修内容:他の医療スタッフ・看護師同士・患者さまやご家族とのチームワーク

所感:研修でチームワークの大切さについて学んだ。病棟内で各看護士が情報を共有することが、患者さんのケアの向上につながるのだということがよくわかった。今後は、効率よく作業を進めるためにもチームカンファレンスの時間を大切にして、情報の共有に努めたい。

以上

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「研修報告書」の概要と所感を書くときのポイントとは?

「概要」は私情をはさまないこと

研修内容である概要を書くときは、私情を挟まず、研修内容の事実だけを書くようにします。

例えば新人研修なら、ビジネスマナー(身だしなみ、電話対応等)、経営理念、PC研修(WordExcel)のように、箇条書きで時系列に書くのがいいでしょう。

「所感」は成果と感想を分けると書きやすい

所感は、研修を受けたことで得られた成果や、研修に参加して思ったことなどの感想を分けると書きやすくなります。

研修で学んだことやわかったこと(成果)で、それに対して思ったこと(感想)を続けるようにして書きます。読み手にも何を学び、何を感じたのかが伝わりやすい手法です。

所感では、「おもしろかった」のようにただの感想文にならないように注意しましょう。

例文
  • 「ビジネスマナー研修ではビジネスマナーの基礎を学んだが、すべてのマナーを身に着けられなかったので、実践する機会が必要だと感じた」
  • 「今回のエクセルのブラッシュアップ研修では使いこなせていない機能があることを知った。データ処理上のフォーマットを見直し改善提案を試みたい」

「研修報告書」の英語表現とは?

「研修報告書」は英語で”Report on …”

「研修報告書」は英語でReport on …”と表現します。「…」には研修内容を書き入れます。例えば、新人研修についての研修報告書なら、次のようになります。

例文
  • “Report on training for new employees”
  • “Report on new employee training”
  • “Report on orientation for new employees”

Report on」に続く表現に迷ったら、参加する研修のタイトルをそのまま使うこともできます。

まとめ

「研修報告書」は研修に参加して学んだことなどをまとめた書類です。研修に参加した証明にもなるので、研修日時や場所などを明記し、研修概要は簡潔に事実だけを書くようにします。また所感では学んだことと思ったことを分けると書きやすくなるでしょう。

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。