「要因」の意味とは?類語の「原因」や「要素」との違いも解説

「要因」は、ビジネスシーンや報道などでよく見聞きする言葉です。ところが日常会話で用いることは少ないため、似た言葉である「原因」や「要素」との違いや使い分けがわかりにくいことがあるかもしれません。この記事では「要因」の意味のほか、類語との違いについて例文もあげながら解説しています。

「要因」の意味とは?

「要因」の意味は”結果につながる主な因子のこと”

「要因」の意味は、“結果につながる主な因子のこと”です。

熟語を構成している「要」は肝心なところのことを、「因」はよすが・理由のことを指しており、あわさって「要因」が持つ”主な因子”という意味を成しているのです。

「要因」と「原因」との違いとは?

「原因」とはものごとを引き起こす元となること

「原因」とは、ある状態や変化などを引き起こす元となることや事柄のことです。熟語に用いられている「原」には、ものごとのおこりやもとにさかのぼるという意味があります。

ある状態や変化をさかのぼると、何らかのきっかけとなるものがあるもので、これが「原因」にあたるものです。

「原因」はポジティブなことには使わない

「原因」を使った例文としては、”失敗の原因・原因不明の難病・事故の原因”などがあります。いずれの用法もいい意味ではない点が、「要因」とはことなるところです。

ものごとがうまくいくようなポジティブな変化をもたらした場合には、一般的に「原因」ではなく”勝因”や”契機”などが用いられます。

「要因」と「要素」の違いとは?

「要素」とは”要因”を構成するもの

「要素」とは、ものごとを成り立たせているものの内容や条件のことで、”要因”や”原因”を構成しているものです。

水の分子が水素と酸素という元素によって構成されているように、”要因”や”原因”にはさまざまな「要素」が含まれています。

IT用語の「要素」はタグで囲まれたもの

IT用語で用いられる「要素」とは、webページを作成するための言語であるHTML(Hyper Text Markup Language)のソースコードを構成するタグのことです。

開始タグと終了タグに囲まれた「要素」が入れ子になって、テキストの羅列に意味を持たせることで、webページができあがっています。

要因・原因・要素の使い分けとは?(英語表現と例文)

「要因」は英語で”factor”

英語で「要因」にあたる単語は“factor”です。数学の「因数」のことを表す単語でもあります。「因数」は、数や式がいくつかの数や式の積で構成されるときの個々の数や式のことを表しており、主な因子が掛け合わさって結果が生じる「要因」という熟語をイメージできます。

「原因」は英語で”cause”

英語で「原因」にあたる言葉は“cause”です。接続詞の「なぜなら」を表す”because”の元になっている単語で、何かを引き起こすという意味合いがあります。

「cause」も日本語の”原因”と同様によくないことが起きたときに使い、動詞で用いられる場合の「cause」にも迷惑を掛けるというネガティブな意味合いがあります。

「要素」は英語で”element”

「element」の語源は、古代ギリシャで考えられていた世界を構成する4元素です。 現在も科学系の分野では”成分・元素”という意味の用語で、一般的にはあるも のを構成している成分や要素のことを指しています。

「an element of ~(~の要素)」というように使われていますが、「my element」と言う形で”自分にぴったりの環境”という用法もみられるようになっています。

「要因」「原因」「要素」の使い分けがわかる例文

例文からわかるように、「要因」はものごとを引き起こした理由が特定できないときに使われます。

「要因」や「原因」は、さまざまな「要素」によって構成されていますが、「原因」は ネガティブな出来事に対して用いられることが一般的であることに対し、「要因」 はポジティブなことにも用いられる言葉です。

例1
  • A社の業績が V 字回復した「要因」としては、さまざまなことが考えられる。
  • A 社の業績が悪化した「原因」は、創業者一族による放漫経営だ。
  • A社の企業体質を分析することで、業績回復のための「要素」を見出したい。
例2
  • クレームの発生につながった「要因」ごとに、対策を講じる必要がある。
  • クレームが発生した「原因」を特定して、重点的に対応すべきだ。
  • さまざまな「要素」が絡み合って、クレームの「要因」となったようだ。

「要因」の類語とは?

類語①「理由」とはものごとがそうなった根拠のこと

「要因」の類語として“理由”があげられます。ものごとの主な理由のことが「要因」であるため、「理由」と意味合いはほぼ同じです。したがって”体重超過の要因は食べ過ぎ”といいたいときに、「要因」を「理由」に置き換えることができます。

ただし「理由」には「わけ・事情」という意味もあるため、「ダイエットする理由は体重が増えたから」「健康上の理由からダイエットを決意した」といいたい場合、「理由」を「要因」に置き換えることはできません。

類語②「誘因」とはあることを引き起こす原因のこと

「誘因」の意味は、あることを引き起こす原因のことです。ものごとが起こるときのきっかけとなるもののことで、”中東問題が原油価格上昇の誘因となった”というように使います。

「要因」が主な原因であることに対し、「誘因」は誘い水になった原因という意味合いであるため、より直接的な原因を指したい場合は「要因」を用いたほうが適切です。

まとめ

「要因」の意味のほか、類語の「原因」や「要素」との違いについて解説しました。「因」がつく熟語は意外とたくさんありますが、いずれも「原因」という意味を持っています。

注意したい点は、「原因」という言葉そのものは通常、ポジティブなものごとに対して使わないことです。この機会に、「要因」と類語についての理解を深めていただければと思います。