「リベラル派」とは?保守派・左翼との違いやアメリカとの比較も

選挙が近づくと、「リベラル派」「保守派」「中道派」という言葉が見聞きされるようになります。各政党がどのような主張を持っているかについては、有権者が投票する際に必要な知識といえるものです。この記事では「リベラル派」とはどのようなものかをはじめ、保守派・左翼との違いやアメリカとの比較も紹介しています。

「リベラル派」とは?

「リベラル派」とは革新派のこと

「リベラル派」とは、伝統的な政治の在り方を変えていこうとする考え方や、そのような考えを持った人たちのグループのことです。革新派・左派・進歩主義とも呼ばれ、日本の主な政党のなかでは日本共産党や社会民主党、立憲民主党が「リベラル派」とされています。

対する「保守派」と呼ばれる主な政党は自由民主党と日本維新の会で、伝統や秩序を重んじる政治を守っていこうとしています。なお両者の間に位置する「中道派」としては、国民民主党と公明党があります。

「リベラル」とは自由主義者のこと

「リベラル」とは英語の「liberal」をカタカナ表記したもので、制限や制約のないことを指すラテン語の「liber」が語源です。自由主義者という意味があり、古くからの風習や伝統にしばられることを良しとしない傾向を持っています。

日本の「リベラル派」は憲法改正に反対していますが、戦後平和主義のよりどころとなっている9条を守るという立場によるものです。具体的に「保守派」政党には、以下のような傾向がみられます。

  • 政治的傾向:護憲・反戦
  • 経済的傾向:福祉国家・格差是正
  • 文化的傾向:ジェンダーフリー・マイノリティの保護

「リベラル派」と「左翼」との違い

「リベラル派」と「左翼」は別のもの

「リベラル派」が「左派」と呼ばれるのは、フランス革命のころの議会での座席が由来です。議長席から見て左側に「リベラル派」が、右側に保守派が座ったことから、「リベラル派」を「左派」というようになりました。

「左」という文字がつくことから「左派」と「左翼」が同一視されることがありますが、「左派(リベラル派)」と「左翼」は別のものです。

「左翼」とはマルクスを信奉する人たちのこと

「左翼」とはマルクスの思想を信奉する人たちのことで、共産主義や社会主義を掲げています。共産主義や社会主義は、唯物史観や計画経済がベースになっているものです。

具体的には、現在の中国や北朝鮮のように個人の自由を強く制限する政治体制となるため、「左翼」は自由主義を標榜する「リベラル派」とは相容れないものです。

日本の「リベラル派」は「左翼」でもある

日本の政党で「リベラル派」に属するのは日本共産党や社会民主党ですが、ともに「左翼」と目されている政党でもあります。しかし、保守派であるはずの自由民主党が新自由主義に基づいた政策を行うなど左傾化しているため、政党の色合いが従来のものとは違ってきているようです。

そのようなことから本来の意味合いが薄れてきたため、日本においては「リベラル派」イコール「左翼」といっても問題ない状態といえます。

アメリカと日本での「リベラル派」の違い

アメリカの政党はいずれも「リベラル派」

アメリカでの「リベラル派」も、自由主義を標榜する人たちやグループのことです。アメリカは、リベラルである民主党と保守である共和党からなる二大政党制で、日本のように与党と複数の野党という形にはなっていません。

加えてアメリカという国そのものがリベラルな考えに基づいて建国されているため、保守である共和党もヨーロッパのような伝統的権威主義に寄って立つものではないという特徴があります。

アメリカでは保守の方がより自由主義

アメリカで保守と目されるのは共和党ですが、リベラルである民主党よりむしろ自由主義の度合いが強いのです。共和党の姿勢は、経済・社会・宗教のほか州の行政などについて、国家の介入を好まないものとなっています。

一方、民主党の姿勢は、個人の自由を守るために国家の介入を認めるというものであるため、自由を尊重する気風は保守である共和党の方が強いという一面があるのです。

大きな政府を支持する「リベラル派」

「リベラル派」は国家の介入を認めたいわゆる「大きな政府」を支持していますが、軍事力の維持・拡大には消極的です。

一方公共事業には積極的で、この流れは1930年代の「ニューディール政策」からオバマ前大統領まで続いていました。また、同性愛者の保護や人種差別撤廃などマイノリティへの福祉にも力を入れています。

まとめ

「リベラル派」とは何かをはじめ、保守派・左翼との違いやアメリカとの比較について述べました。「リベラル派」とまとめられる政党であっても、自由というものや国家の在り方についての考え方には各人に幅があるようです。

また、政治・経済・文化における主義・主張も時代の要請に呼応して変化することから、政党の離合集散が繰り返されています。そのためか選挙は面倒だという声もありますが、有権者の権利として適切に行使したいものです。