「適用」の意味とは?適応や摘要との違いや類語・反対語も解説

「適用」は、ビジネス以外にも社会生活のなかでよく用いられる言葉です。似た言葉の「適応」や「摘要」もよく使われています。しかし、それぞれ意味合いが違っているため用途によって使い分ける必要があるのです。この記事では「適用」の意味のほか、「適応」「摘要」との違いや類語・反対語などについて解説しています。

「適用」の意味とは?

「適用」の意味は当てはめて使うこと

「適用」とは、規則や法律などを当てはめて使うことです。「適」という文字には「適切」「適所」という熟語からもわかるように、ちょうどよい・ぴったり合うという意味合いがあります。ここに用いるという意味の「用」が続いて「適用」という語句が成り立っているのです。

「適用」の例文

  • この成功事例を自社に適用したいが、いくつかの問題点がある
  • 一律に規則を適用するというやり方には賛成しかねる
  • この制度は適用範囲が広いため、多くの人が利用できそうだ

「適用」と「適応」との違い

「適応」とはその状況に合わせること

「適応」とは、その状況や環境などに合わせること、あるいは合うことを指す言葉です。熟語に用いられている「応」という文字には、他の働きかけに反応して行動するという意味があり、ぴったり合うという意味の「適」とあわさった「適応」の意味を形成しています。

「適応」は受け身的な行動

「適用」は、あるものに当てはめることを指しているため、外側から働きかけるイメージです。一方「適応」は、外からの働きかけに当てはまるように行動することを表した言葉で、柔道の受け身のようなニュアンスがあります。

「適用」「適応」ともにぴったり合う状態を目指すものですが、違いは「適用」は能動的、「適応」は受動的な行動となる点です。

「適応」の例文

  • 生物が絶滅する理由は、環境に適応できなかったことが大きい
  • 薬品の適応症への知識は、副作用を防ぐためにも必要だ
  • 顧客とのやり取りのなかで、自分の適応力が試されていることを実感した

「適用」と「摘要」との違い

「摘要」とは要点を抜き出したもの

「摘要」とは、要点を抜き出したもののことです。「摘」は選んで抜き出すことを指す文字で、「摘出」という熟語にも文字の意味合いが表れています。

「要」は「かなめ」とも読む、大切な個所という意味の文字です。両方の文字があわさって「摘要」という熟語を形成しています。「摘要」を手書きする場合、「摘」を「適」と書き誤らないように注意が必要です。

「適用」の類語

「応用」は当てはめて用いること

「応用」は、すでにあるものを他のものに当てはめて用いることを指した言葉で、「適用」に近い意味合いを持っています。また、相手や場の状況に合わせて変化させるという意味もあるため、「適応」に似ている言葉ともいえるものです。

しかし、以下のように「応用」を「適用」の言い替えとして使うことはできますが、「適応」の言い替えとしては使えないことがあります。

〇 この原理を応用すればうまくいく⇔この原理を適用すればうまくいく

〇 彼の適応力には驚かされる⇔彼の応用力には驚かされる

× 時代の流れに適応できない≠時代の流れに応用できない

「流用」は別の目的で使い回すこと

「流用」とは、用途が決まっているものを別のことに用いることを表した言葉です。すでにあるものを他のものに使うことを指す、「適用」に近い言葉といえるもので、以下のように言い替えとして使うことができます。

適切な言い換えの例

〇この資材を別の用途に適用したい⇔この資材を別の用途に流用したい

「流用」には本来、悪い意味合いはありませんが、「経費を不正流用した」というようにネガティブな行為に対して使われることがあるため、マイナスのイメージを持たれがちです。

一方の「適用」には不適切というイメージはないため、以下のような言い替えは文法的に誤りではありませんが、少し不自然に感じられます。

言い換えが不自然な例

△ 許可を得ずにアイデアを流用すると問題になる
→許可を得ずにアイデアを適用すると問題になる

「適用」の反対語

「取消」はすでに決めたことを撤回すること

「取消」は、それまでの発言や決定事項などのような、すでにあるものをなかったことにすることです。当てはめて用いるということを指す「適用」とは逆の行動を表したものであることから、「取消」は「適用」の反対語にあたります。なお「取り消し」と書き表す場合、「取り消す」と表現することで動詞として使うことができます。

「免除」は役目などから外すこと

「免除」の意味は、義務や役目などあてがわれていた役わりを果たさなくてもよいとすることです。「免」という文字には、「まぬがれる」「やめさせる」「ゆるす」という意味があり、「取り除く」という意味の「除」とともに「免除」という語句を形成しています。

まとめ

「適用」の意味のほか、「適応」「摘要」との違いや類語・反対語などを紹介しました。当てはめて用いるという意味での「適用」は、適用範囲が広い言葉です。正しい意味を知るためにも、似た言葉との違いや類語や反対語の知識を役立てていただければと思います。