「一身上の都合」の意味とは?履歴書の退職理由での使い方も紹介

「一身上の都合」は、退職理由の定型となっているもので、再就職に際して必須の履歴書にも記載します。このように「一身上の都合」という言葉は重要な場面に登場するため、使い方をきちんと理解しておくことが必要です。この記事では「一身上の都合」の意味のほか、履歴書の退職理由での使い方についても紹介しています。

「一身上の都合」の意味とは?

「一身上の都合」の意味は個人的な都合や事情のこと

「一身上の都合」とは、自分の身の上に起きたことや家庭の問題などのような、個人に由来する問題に寄る事情のことです。

平たく表現すると「自分の都合」ということになり、具体的な例としては、自分や家族の病気・怪我のほか、結婚・出産、転居、転職などがあげられます。

「一身上の都合」には重い意味合いが

「一身上の都合」は、「自分の都合」ということを堅く表現しただけのものではありません。「一身」の意味は自分自身のことですが、「一身に引き受ける」「一身を顧みず」という形で用いられることからわかるように、本来は「自らのすべて」という重い意味合いがあるのです。

そのため「一身上の都合」という言葉は、社会人にとって極めて重要な「退職」に際して用いる決まり文句となっています。

履歴書の退職理由で「一身上の都合」の使い方

退職理由でよく使われる「一身上の都合」

「一身上の都合」を日常生活で使うことはまれで、退職理由として用いられることが一般的です。退職理由は、退職後受け取る失業保険の受給期間・金額のほか、給付制限の有無などを左右する重要なもので、大きく「自己都合」と「会社都合」に分けられます。

そして転職に際して必要となる履歴書には、「自己都合」による退職の場合「一身上の都合により退職」と記述するのです。

会社都合での退職で「一身上の都合」は使えない

退職理由が会社都合である場合、履歴書に「一身上の都合」と書いてはいけません。会社都合での退職としては、以下のようなケースがあります。

  • 倒産
  • リストラ
  • 解雇(懲戒処分などは自己都合退職扱い)
  • セクハラやパワハラなど
  • 継続的な賃金の未払い

つまり退職を余儀なくされた場合には会社都合での退職となります。

「会社都合による退職」では、失業保険の支給において有利な扱いを受けることができますが、履歴書に会社都合と書きたくないという人もいるようです。しかし、失業保険で会社都合の扱いになった場合、履歴書には正直に「一身上の都合による退職」と書きましょう。

会社都合での退職でも「自己都合」を選択することも

会社によっては、会社都合での退職を認めたがらないケースがあり、とくにセクハラやパワハラなどによる退職では立証が難しいことも多いようです。このようなケースでは堂々と「会社都合」を主張すべきなのですが、会社が退職手続きを渋ることもあります。

加えて転職活動において不利になる懸念もあることから、会社都合による退職でも自己都合による退職を受け入れる人は少なくありません。この場合は失業保険での扱いも自己都合となるため、履歴書には「一身上の都合による退職」と書きます。

「一身上の都合」の類語

「自己都合」を言い替えると「一身上の都合」

「一身上の都合」は「自己都合」を言い替えたものであることから、両者は同じ意味合いの言葉といえるものです。

「自己都合」での退職に際し、退職届や履歴書に記入する退職理由として「一身上の都合」とすることは、ビジネス上の約束事項です。

「私事」は個人的なことがら

「私事」は、公ではない個人の私的な領域におけることがらという意味の言葉です。「わたくしごと」あるいは「しじ」とも読み、密事という意味でも使います。

したがって意味合いは「一身上の都合」と似ていますが、公的なものである退職届に対して用いることはふさわしくありません。

自分にとって都合が悪いことだけでなく、相手に無用な気遣いをさせたくないことに対しても使われるほか、相手に察してほしいという意味合いを込めても用いられます。また、会社を休みたいときや早退したいときの届け出などに使うこともできる言葉です。

「一身上の都合」は内定辞退でも使える?

本来「一身上の都合」は退職理由としての言葉

内定辞退の理由として「一身上の都合」があげられている事例を見掛けますが、本来「一身上の都合」は退職理由として使う言葉です。

内定辞退の連絡は電話かメールで行いますが、辞退の理由を具体的に述べる必要はなく「検討の結果、辞退させていただきます」で充分でしょう。

内定辞退はできるだけ早く伝える

就活で複数の内定をいただいた場合、いくつかの内定は辞退することになります。内定承諾書の提出前であれば、内定を辞退することそのものに問題はありませんが、できるだけ早く辞退の意思を先方に伝えなければなりません。内定を辞退する理由を考えすぎるあまり、連絡が遅れてしまうようなことは避けましょう。

まとめ

「一身上の都合」の意味のほか、履歴書の退職理由での使い方などについても紹介しました。「一身上の都合」は、内定辞退の理由として使われることが増えていますが、本来は退職の時に使う言葉です。

自己都合で退職した場合、転職活動で必要となる履歴書には類語の「自己都合」や「私事」ではなく、「一身上の都合」と書くようにしてください。