「アピール」の意味と使い方は?ピーアールとの違いや類語も解説

「アピール」という言葉は、日常生活やビジネスにおいてしばしば見聞きされます。同様に「ピーアール」という言葉も広く用いられていますが、両者にはどのような違いがあるのでしょうか?この記事では「アピール」の意味と使い方をはじめ、ピーアールとの違いと類語、さらに履歴書での使い方についても紹介しています。

「アピール」の意味とは?

「アピール」の意味①訴え掛けること

「アピール」の意味は、“他人に向かって広く訴えかけること”です。英語の「appeal」の読みをカタカナ表記したもので、「アッピール」ということもあります。

「新製品の特長をアピールする・自説を読者にアピールする」というように用いますが、日本語の「訴える」=「アピールする」と考えれば理解しやすくなるでしょう。

「アピール」の意味②魅力がある

「アピール」の意味は、“魅力があること”です。強く訴えかけるものということから、人々を引き付け虜にする魅力があるという意味合いに展開したものです。また、強みや長所のことを指して「アピールポイント」という言い回しで表現することもよくあります。

「当サービスのアピールポイントは~」という場合は、特に強調したい優れた点を指し示すときによく使われる表現です。

「アピール」の意味③抗議する

「アピール」の意味は、“抗議する”ことです。スポーツの試合などで審判のジャッジメントに不服を申し立てるようなときに使われています。

野球中継などでアナウンサーが、「今の判定に対して、監督が審判にアピールしています」というように発言している事例はよく見かけるものです。

「アピール」の使い方を例文とは?

「アピール」を使った例文

「アピール」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 自社の優位性をアピールするためには、キャンペーンの内容を変更すべきだ。
  • 私のアピールポイントは、決してめげない打たれ強さだ。
  • 熱心なのはわかるけれど、彼のくどすぎるアピールには辟易している。

「アピール」と「ピーアール」との違いとは?

「ピーアール」とは関係性を構築するもの

「ピーアール」と似ている言葉として、「広報」と訳される「ピーアール(PR)」があげられます。行政や企業などの情報公開や宣伝・広告と受け止められているものです。

「ピーアール」は”パブリック・リレーションズ(Public Relations)”の頭文字から取ったもので、「Public(公的)」と「Relations(関係)」という意味を持つ2つの単語を組み合わせてつくられています。

公的団体(行政や企業など)と一般の人々(国民や消費者など)の関係性を良好にするために、施策や情報を共有する活動全般を表すものです。

「アピール」は自己主張を優先

就活などにおいては、自己ピーアール=自分のよさをアピールすることとしている事例が多くみられるようです。自分のことを宣伝するという意味で、「自己ピーアール」と「アピール」は似た行為といえます。

しかし、相手との関係性を構築する目的で行われるものが「ピーアール」であることに対し、「アピール」は自分の主張を通すことが目的であるという点で異なるものです。

「自己アピール」は”自己ピーアール”との混用

「自己ピーアール」と「自己アピール」を混同している事例を見掛けます。しかし「アピール」には自己主張という意味合いがあるため、「自己アピール」という用法は少しくどく受け止められがちです。「ピーアール」と「アピール」の語感が似ているという点が、混同を招く大きな原因でしょう。

「アピール」の類語とは?

類語①「訴求」とは強く訴えること

「訴求(そきゅう)」とは、強く訴えることを表した語句です。マーケティング分野でよく用いられている言葉で、もともとは売り手が消費者の欲求に訴えてサービスや商品の利用・購入を促すことを指しています。

「訴求」は、ターゲットが「利用・購買」行動を起こすように様々な手段を用いて働きかけることを意味しているので、「アピール」の言い換えとしても使える類語です。

類語②「主張」とは自分の意見を強く言い張ること

「主張」とは、自分の意見や考えなどを強く言い張ることやその意見・考えのことを指した言葉です。「主張」は、強く訴え掛けることを表す「アピール」とほぼ同義ですが、「魅力がある」という意味合いは含みません。

「主張」を「アピール」の言い換えとして用いるときには、この点での違いを踏まえておく必要があります。

「アピール」の履歴書での書き方とは?

履歴書での「アピール」は自己PR欄に

履歴書における「自己PR欄」は、自分の強みをアピールする項目として設けられたもので、記載する内容は応募する企業が求める能力やスキルに合ったものであることが大切です。

「志望動機欄」や「趣味・特技欄」は、直接「アピール」を行うためのものではありませんが、自分の強みや持ち味が志望動機の根拠につながるものであることや、企業に貢献できることを強調するためのものと考えましょう。

企業分析と自己分析でアピールポイントを探す

就活は、自分と企業をうまくマッチングさせることができれば成功に近づくことができます。そのための方法は、企業分析によって企業が求める人材像を明らかにしたうえで、自己分析で発見した自分の強みをすり合わせながらアピールポイントを探し、それを履歴書に書くことです。

まとめ

「アピール」の意味と使い方のほか、ピーアールとの違いや類語などについて紹介しました。「アピール」が下手だと、そのものの良さをスムーズに伝えることが難しくなりますが、「アピール」したいものに対しての自信があれば自ずと説得力は高まります。「アピール」する技術と、「アピール」するに足りるものを作り出すことの両方を高めることが大切です。