// 「凡事徹底」の意味とは?類語・例文や仕事への応用方法も紹介 | TRANS.Biz

「凡事徹底」の意味とは?類語・例文や仕事への応用方法も紹介

「凡事徹底」は、書籍の題名や座右の銘だけでなくスピーチなどでもよく用いられています。それだけに見聞きする機会が多い言葉といえますが、意味合いには深いものがあるのです。この記事では「凡事徹底」の意味を理解するために、例文や類語のほか仕事への応用方法など、幅広く紹介しています。

「凡事徹底」の意味とは?

「凡事徹底」とは当たり前のことを突き詰めること

「凡事徹底(ぼんじてってい)」とは、平凡で当たり前のことをどこまでも突き詰めて行うことや、他の追随を許さないレベルまで高めることを意味する四字熟語です。

「凡」という文字には「なみ」「あたりまえ」という意味があり、「凡事」で特別なものではなく普通であることを表します。

「徹底」は、底までつらぬき通ることを指しており、中途半端でなく一貫していることや、末端まであまねく行き渡らせることという意味です。

「凡事徹底」の実践は難しい

「凡事徹底」の対象となる行為そのものは、特別に難しいことではなく普通にできるレベルのものです。しかしそれを徹底させることはとても難しいようです。

そのため、「座右の銘」やスピーチなどだけでなく、経営者が著した本のなかでもしばしば取り上げられています。

「凡事徹底」は成功への王道

「凡事徹底」で行うことは基礎的かつ地味なもので、つい軽くみてしまうこともよくあります。しかし、どのようなものでも基礎をおろそかにしたものは脆弱で、遅かれ早かれ底の浅さが露見してしまうものです。

地味なものを軽んじることなく継続して行うためには強い意思と根気が不可欠でしょう。結果的にスキルだけでなく精神力も鍛えられることから、「凡事徹底」は成功への王道といえるものです。

「凡事徹底」の例文

「凡事徹底」を使った例文

  • トップ営業マンの彼が実践している凡事徹底は、毎朝仏壇に手を合わせることらしい。
  • 強豪といわれるチームの多くは、靴をそろえるなどの凡事徹底を積極的に取り入れているようだ。
  • 「凡事徹底」を座右の銘にしている人は多いが、実践できている人は少ない。
  • 派手好きで目立ちたがり屋の彼女の口から、「凡事徹底」という言葉が出るとは意外だった。

「凡事徹底」の類語

「一所懸命」とはひとつのことに全力で取り組むこと

「一所懸命(いっしょけんめい)」という四字熟語は、ひとつのことに全力で取り組むことを表しています。「一所」は「ひとつの場所」のことで、鎌倉時代の武士が自分の土地(一所)を命がけで守ったことが由来です。

同じ意味合いの「一生懸命」は「一所」を取り違えた誤用でしたが、現在では「一生懸命」のほうが一般的となっています。

「一所」が必ずしも当たり前のことを指すとは限りませんが、あれこれと手を広げずただひとつのことにひたすら力を注ぐという意味合いに、「凡事徹底」と共通するものがみられます。

「一意専心」は心をひとつのことに集中すること

「一意専心(いちいせんしん)」は、ほかの者には目もくれずひたすらひとつのことに心血を注ぐという意味の四字熟語です。「一意」とは意味や値がユニークであるという意味ではなく、一つの事に思いを集中することをさします。

「専心」もひとつのことだけに心を集中するという意味なので、「一意専心」は同じ意味を重ねて強調する構成の四字熟語といえるものです。また、訓読すると「意を一にし、心をもっぱらにす」となり、意味合いが一層明らかとなります。

「凡事徹底」の仕事への応用方法

仕事能力向上につながる「凡事徹底」

「凡事徹底」は、会社での社員教育や個人のスキルアップを目的とする取り組みです。しかし、剣道における素振りや笑顔での挨拶などのような、目的に直結する行為だけが徹底すべき凡事ではありません。

たとえば掃除などは、掃除を業務としている場合を除いて直接仕事につながっているとはいえないものです。しかし、掃除を徹底することですがすがしい心持ちになり、清潔で整った環境だと作業効率もアップします。

継続力と習慣が身に付く「凡事徹底」

仕事で「凡事徹底」を継続するためには、意思や根気が必要です。しかし、いつの間にか習慣化されて自然に体が動くようになります。

これは仕事の習熟化と同じステップであるため、たとえば早起きなどのような仕事に直結しない行為であっても、継続による習慣化の訓練となるのです。

「凡事」の深さがわかれば成長の証

誰にでもできる当たり前のことを「凡事」といいますが、「凡事」を徹底して突き詰めることで「凡事」の深さが見えてくるようになります。

つまり、物事を表面的に見ていてはわからない本質のようなものがつかめるようになり、今まで見えなかったものが見えるようになった証となるものです。このような本質を見抜く目は仕事においても活かされ、アウトプットの質を高めることにもつながります。

まとめ

「凡事徹底」の意味に加え、類語や例文のほか仕事への応用方法も紹介しました。誰でもできる当たり前のことはつい軽くみて雑に行いがちですが、これでは「凡事徹底」とはいえません。

対象にきちんと向き合えば日々新たな発見を重ねることができ、いつしか他の追随を許さないところに到達できるでしょう。