「RPO」の意味とは?「RTO」や「RLO」との違いについても

「RPO」という言葉は、IT業界でよく用いられています。しかし、人事業務やアメリカンフットボールの世界でも見うけられることから、複数の意味合いを持っている言葉のようです。この記事では各界での「RPO」の意味を皮切りに、類似語である「RTO」や「RLO」との違いと関係性についてもそれぞれ解説しています。

「RPO」の3つの意味とは?

IT用語の「RPO」とは「目標復旧時点」のこと

ITで用いられる「RPO」は「Recovery Point Objective」の略称です。日本訳は「目標復旧時点」で、復旧するバックアップファイルの古さを時間で表しています。

「RPO」は天災や火事のほか、テロ行為などのインシデントによってシステムやネットワークが被害を受けた場合、素早く復旧させるために設定されているものです。

失われたデータを復元する際、どの時点までさかのぼるかをあらかじめ定めておき、これも元にバックアップで採用する手法・機器・頻度などが決定されます。

インシデントによってバックアップ以降の変更は失われてしまうため、許容できるデータ損失を最適化できるバックアップ設定が必要です。

「RPO」とは採用代行サービスのこと

人事などで用いられる「RPO」は、採用代行サービスを指す言葉です。正式な名称は「Recruitment Process Outsourcing」で、直訳すると「採用プロセスの外注」となります。

従来は企業が自前で行うことが多かった人員の求人・採用業務ですが、この一部もしくはすべての業務委託を請け負うサービスを「RPO」と呼ぶのです。人材派遣などを展開している「リクルート」でも、「RPO」業務を行っています。

アメフトでの「RPO」はプレーの選択肢のひとつ

「RPO」という用語は、アメリカンフットボールでも使われています。「run-pass option(ラン・パス・オプション)」を省略した言葉で、QB(クォーターバック)がRB(ランニングバック)にボールをハンドオフ(ランプレー)するか、相手チームのディフェンスの動きを見てパスプレーにスイッチするかを選ぶというものです。

QBは司令塔としての役割を果たすため、「RPO」の実践に必要なスキームを学び、フィールドで的確なQBリードを行う必要があります。

「RPO」と「RTO」との違い

「RTO」とは「目標復旧時間」のこと

「RPO」と似た言葉のひとつに、「RTO」があります。「Recovery Time Objective」の略称で、日本語訳は「目標復旧時間」です。

「RTO」に含まれる時間は、バックアップデータをリストアする時間だけでなく、動作テストを含む業務再開までに必要な時間の合計です。

したがって適切なバックアップに加え、実際に稼働できるようにするための手順についても押さえておく必要があります。

「RTO」は期限「RPO」はデータの鮮度

「RTO」は、インシデントの発生から通常の業務に戻るまでに許容できるダウンの最大時間のことを指すもので、「RPO」と同様に秒や日などの時間単位で表されます。

両者の違いをひとことで説明するならば、「RTO」は復旧までに必要な時間を表したもので、「RPO」はバックアップデータの鮮度を表したものです。

「RPO」と「RTO」はプラットフォームの決定要因

「RTO」が極端に短くダウンタイムが許容されない場合には、複製サイトを用意して障害が起きた場合に備える「冗長化」も検討しなければなりません。しかし、頻繁なバックアップが必要でコスト高になるため、システムダウンによる利益損失と考えあわせて設定することが求められます。

バックアップと災害復旧に備えるプラットフォームの決定に、「RPO」は「RTO」とともに重要な要因となるものです。

 
 

「RPO」と「RLO」との関係

「RLO」とは「目標復旧レベル」のこと

「RPO」と似ている言葉として、「RLO」もあげられます。「Recovery Level Objective」の略称で、日本語訳は「目標復旧レベル」です。

復旧が段階的に行われる場合、その段階ごとの復旧水準とする目標を決めたもので、「いつまでに」を示す「RTO」の目標値とともに設定されます。

合理的な復旧を可能にする「3R」

データの鮮度を決める「RPO」と復旧の期限を設定する「RTO」では、時間が単位となっています。一方「RLO」の場合は生産能力や処理能力のほか、品質レベルや対応可能なユーザー数など、業種や業務によって異なった設定数値を用います。

設定数値は、パーセンテージで表されることもありますが、いずれの場合も復旧までの時間を可能な限り短縮し、最小のコストで最大の効果を得られるようにすることが目標です。

合理的な判断に基づいた的確な復旧を行うためには、「RTO」「RPO」「RLO」のいずれもおろそかにはできません。

まとめ

「RPO」が持つ複数の意味をはじめ、「RTO」や「RLO」との違いについても解説しました。「RPO」は単独で考えるものではなく、「RTO」や「RLO」を含めたトータルな見地からバランスよく組み立てることで、最適な危機管理対策となります。

なお、英語の頭文字を並べて短縮した言葉がよく用いられますが、「RPO」のように元の言葉がまったく異っているものもあります。思い込みや早とちりによって違う意味で受け止めてしまうこともあるため、話の内容に注意を払い慎重に判断したいものです。