「条例」の意味とは?罰則と規則・法律との違いについても解説

「条例」は「迷惑防止条例」など、日常生活における身近なルールとして存在しているものです。しかし罰則の有無や、「規則」「法律」との違いについてはよく理解しきれていないかもしれません。この記事では「条例」の意味と罰則のほか、「規則」や「法律」との違いについても解説しています。

「条例」の意味とは?

「条例」とは地方が制定する自主法

「条例(じょうれい)」とは、地方公共団体が自治権に基づき国の法律とは別に定める法のことで、憲法第94条において保証されているものです。

「条例」は議会の議決によって制定される自治立法であり、その自治体区域内のみで効力を有します。「条例」の具体的な事例としては、「迷惑防止条例」や「騒音防止条例」などがよく知られています。

「条例」は「条令」と同じ意味

「条例」と同じ読みをする言葉として、「条令」があげられます。「条令」は「条例」と同じ意味合いで用いられ、厳密には箇条書きにされた「条例」や法令のことを指すものです。

つまり、「条令」は条件付きの「条例」と理解すればわかりやすいでしょう。なお「条令」は、このほかにも「法令」や「規則」の別名としても用いられることもあります。

「条例」の作り方

「条例」の作り方は3つ

「条例」は、議会の議決によって制定され自治体の首長が公布するものですが、作られる過程には以下の3つがあります。

  • 首長が議会に提案して、議会が議決する
  • 議会が提案して制定する
  • 住民の直接請求により議会が制定する

「条例」には審査がある

「条例」は、「条例案」の段階で審査が行われます。首長が提案した場合では、担当課が作成した条例案を例規等審査会が審査しますが、その前に文書法務課が審査を行います。文書法務課の審査は事前審査として行われ、原案に対し以下のような点について検討します。

  • 立法内容は法的に妥当であるか
  • 立案の意図は法文上に正確に表現されているか
  • 条文の表現や配列などの構成
  • 用字・用語の使い方

「条例」は公布により効力が発生

「条例」は、公布によって効力が発生します。審査を通過した条例案は、議案として議会に諮られ議決を経て成立し、議会の議長は3日以内に地方公共団体の長に送付しなければなりません。

「条例」の送付を受けた地方公共団体の長はその後20日以内に公布します。公布とは、「条例」を公表して住民が認知できるようにすることで、自治体ごとに掲示方法が規定されているのです。

「条例」の罰則

「条例」違反には罰則が適用されることも

「条例」には、地方自治法第14条第3項に基づいて以下のような罰則を設けることができます。

  • 2年以下の懲役もしくは禁固(行政刑罰)
  • 100万円いかの罰金・拘留・科料もしくは没収刑(行政刑罰)
  • 5万円以下の過料(秩序罰)

すべての「条例」に対して違反行為への罰則規定が決められているわけではありません。また、いきなり罰則を適用するのではなく、指導・勧告・命令という段階を経たうえで最終的に罰則が適用されるケースが一般的です。

「条例」と規則との違い

「規則」は議会の決議を経ない

「規則」も「条例」と同様に自治立法ですが、議会の議決を経ないという点で大きく異なるものです。つまり「条例」は議会が、「規則」は地方公共団体の長や委員会が定めるルールといえます。

地方公共団体は、その権限に属する事務について法令に違反しない限り「規則」を制定することができ、違反した者に対しては5万円以下の過料(行政罰・秩序罰)を科する規定を設けることもできるのです。

「条例」と「法律」との違い

「法律」は「条例」の上位にあるもの

「法律」とは国会によって定められる法で、国全体に適用されるものです。一方「条例」は地方自治体が制定する法で、その地方にだけ適用されるものとなります。

「条例」は「法律」との範囲内において制定できるものであり、法令に反するものであってはなりません。したがって「法律」は「条例」の上位にあるもので、通常「条例」は「法律」を超える規制を行うことはできないのです。

「法律」より「条例」が厳しいケースも

通常「条例」は、「法律」を超える規制を行うことはできません。しかし、「法律」が規制をしていない領域や「法律」とは規制の目的が異なる場合、法令が最小限の規制しかしていない場合には、「法律」を超える規制を独自に行うことができます。

国の法令(法律や命令)と同じ事項について、法令よりも厳しい規制にする「上乗せ条例」や、国の法令より規制対象の範囲を広げる「横出し条例」が、その事例です。

具体的には、「上乗せ条例」で化学物質の排出基準を「法律」より厳しい数値に規制したり、「横出し条例」で規制する有害物質の対象範囲を「法律」より拡大したりするケースなどがみられます。

まとめ

「条例」の意味について、罰則の有無や「規則」「法律」との違いについてもふれながら解説しました。「条例」には罰則が規定されているものもありますが、「条例」の目的は住みよい地域づくりにあります。

罰則があるからではなく、自分たちの住む地域をよりよくするために、「条例」は積極的に守っていきたいものです。