「革新」の意味と使い方とは?対義語「保守」との関係や類語も紹介

「革新」という言葉は、テレビや新聞などの報道でよく見聞きします。政治関係においては「保守」と対立するものとして用いられていますが、両者の立場や関係はどのようになっているのでしょうか。この記事では「革新」の意味と使い方のほか、「保守」との関係や類語・英語表現も紹介しています。

「革新」の意味とは?

「革新」とは既存のものを改めること

「革新(かくしん)」とは、既存の習慣や制度、組織などを改め、新しいものに変えることを指す言葉です。熟語に用いられている「革」は動物から皮を剥ぎ取って開いた様子を象ってできた文字で、余計なものを取り除いたり切り開いたりして変化させることを表します。

そのため「革」には、なめした動物の皮のこと以外にも「あらたまる」「新しくする」という意味があり、新しいものにすることを表す「新」という文字とともに「革新」という熟語となりました。

「革新」の使い方

「革新」は新しければよいというわけではない

「革新」は、旧来のものを壊して新しくするというイメージで語られる語句ですが、単に新しければよいというわけではありません。これまでの良くなかった点を改め、新しい価値をもたらすものでなければならないのです。

したがって古いものを潰したところで終わったり、これまでの物より悪くなったりした場合には「革新」とはいえません。

産業界での「革新」は「技術革新」のこと

「革新」という語句が産業界で使われる場合は、主に「技術革新」という意味合いで用いられています。この場合の「革新」を英語で表現すると「innovation」となり、読みをカタカナ表記した「イノベーション」は日本語として通用しているものです。

産業における「革新」には、社会的意義のある新たな価値創造や大きな変化をもたらすレベルが求められており、身近な事例としては携帯電話にタッチパネルを搭載したことで、電話の延長線上にはない新たな地平に立ったスマートフォンが誕生したことがあげられます。

政治での「革新」は左派のこと

「革新」という言葉が政治で用いられる場合には、左派や左翼のことを表します。この場合の「革新」にあたる英語は「liberal」で、「リベラル」というカタカナ語も広く用いられています。

伝統や現状を維持しようとする右派や右翼とは反対のもので、現行の政治体制を変えていこうとする姿勢がよくみられるものです。

しかし、日本の左派・左翼は憲法改正ではなく護憲を訴えており、むしろ右派・右翼のほうが憲法改正を目指しています。また、自己責任や自由競争を標榜し規制撤廃を推進する新自由主義は革新的ですが、左派とは対極の立場です。

「革新」と「保守」との関係

「保守」は「革新」の対義語

「保守」とは、これまで続いてきた伝統や社会秩序などを尊重・維持していこうとする立場を指すものです。ものごとの変更や廃止に対しては慎重な態度を示し、既存のものを新しいものに変えていこうとする立場の「革新」とは反対の意味を持っています。

政治において「保守」は右派のことを表し、二大政党制のアメリカでは「保守」が共和党、「革新」が民主党にあたります。英語では「conservative」となり、カタカナ語の「コンサバティブ(コンサバ)」としても使われているものです。

「保守」とは正常な状態を保つこと

「保守」には、機器やシステムなどを正常な状態に保つことという意味もあります。この意味での「保守」に対して、「革新」は対義語にあたりません。

点検や整備などを行ったり不具合の修正を行ったりするほか、障害の発生を未然に防ぐために定期的な部品交換を行うことを指し、英語表現の「maintenance」は「メンテナンス(メンテ)」と日本語化しています。

「革新」の類語・類義語とは?

「改革」とは古いものを改めてよりよくすること

「改革」とは従来の制度や手法などの良くない点を改めて新しくすることを指す言葉で、「革新」の類語といえるものです。

主に社会制度や機構・組織などに対して用いられますが、「革命」のように体制を全面的に変えてしまうのではなく、既存の体制内で改善や改良を行うことを指します。

「刷新」とはすべて新しくすること

「刷新」は、既存の良くない点を取り除きすべて新しくすることを表した言葉で、熟語に用いられている「刷」という文字には「払い清める」という意味があるのです。

「新」とあわさって、好ましくないものを一気に取り去って新しくする「刷新」という熟語を形成し、「人事を刷新する」というように組織や機構に対する用法が多くみられます。

「一新」とはリニューアルすること

「一新」とは従来のものをすっかり新しく変えることを指した言葉です。問題や不具合の有無に関わらず全てを新しくすることで、「一新」後に内容がよくなっているかについても問いません。カタカナ語の「リニューアル」が「一新」に該当する理解しやすい言葉といえます。

まとめ

「革新」の意味を、政治や産業界における使い方だけでなく「保守」との関係や類語などをからめながら紹介しました。政治においての「革新」といえるものは、時代や社会情勢によって変化するため理解しづらい面がありますが、目新しさだけでなく内容が伴うものであることが望まれます。

なお、使用場面における「革新」の意味合いの違いは、英語表現からみていくことで分かりやすくなるでしょう。