「エクストラ」の意味とは?「エキストラ」との違いや類語も紹介

「エクストラ」というカタカナ語は、製品やサービスだけでなく医療分野でも見聞きされる言葉です。また一字違いの「エキストラ」は、映画や音楽の分野でよく使われています。この記事は「エクストラ」の意味のほか、「エキストラ」との違いや類語なども紹介したもので、語句の使い方まで理解できる内容です。

「エクストラ」の意味とは?

「エクストラ」の意味は「余分な・臨時の」

「エクストラ」の意味は、“余分な・臨時の”ということです。英語の「extra」の読みをカタカナ表記したものです。日本語のカタカナ語として通用しています。

「extra」は”~を越えた・~の外の”という意味のラテン語「extra」が語源で、単語に含まれる「ex」からも意味合いが伺えるものです。

そのため英語の「extra」は、”割増料金・課外講義・号外・臨時増刊”のことを指しても用いられています。

「エクストラ」には「特上の・特別な」の意味もある

「エクストラ」には、“特上の・特別な”という意味もあります。語源であるラテン語が持つ基本的な意味合いである「~を越えた」から来たもので、通常のレベルを超えていることを表すときにも使うことができる言葉です。

「エクストラバージンオイル」は特上のオリーブオイル

食事や料理に使う「エクストラバージンオイル」をご存じの方は多いでしょう。精製しないオリーブオイルの中で、基準を満たした高級品を「エクストラバージンオリーブオイル」と呼びます。

ここでの「エクストラ」は、”特上の”という意味合いで使われているものです。「エクストラバージンオイル」は品質の良さから、料理にそのままかけたりパンにつけて食べることに向いています。

「エクストラ」と「エキストラ」との違いとは?

元の英語はともに「extra」

「エクストラ」と「エキストラ」は、いずれも英語の”extra”の読みをカタカナ表記したものです。音の表記が違うカタカナ語が広がってしまったことで、二通りの表記が存在することになりました。

ドラマの通行人や臨時出演者を「エキストラ」と呼ぶ

「エクストラ」と「エキストラ」は、本来の意味は同じものなのですが、カタカナ語としては異なる表記が存在しています。

映画やドラマでの通行人や群集などを演じる出演者(多くは臨時雇い)や、音楽分野での演奏に臨時出演する人のことは、「エクストラ」ではなく「エキストラ」と呼ぶ慣習があります。

「エクストラ」の使い方とは?

「エクストラ」は接頭辞的な使い方も可能

英語の「extra」は名詞や形容詞、副詞として使われますが、「extra-」の形で”外の・~の範囲外の”という意味を加える接頭辞としても用いられています。

たとえば「異常な・突飛な」という意味の”extraordinary”は、「平凡な・通常の」という意味の形容詞”ordinary”の頭に「extra-」が付いたものです。

「エクストラチャージ」とは時間外利用の追加料金

「エクストラチャージ」とは、客室を規定外時間に利用する場合の追加料金のことです。チェックインタイムの前とチェックアウトタイムの後が規定外時間となっており、室料と超過時間に一定の割合を加味した額が請求されます。

ほかにも「エクストラベッド」を利用したときの追加料金という意味もありますが、「エクストラベッド」とは客室の定員を超えるとき臨時に用意されるベッドのことで、特別に上等なベッドのことではありません。

「エクストラステージ」とはゲームでの追加ステージ

「エクストラステージ」とは、ゲームの全ステージをクリアした後や、特定の条件を満たしたときに出現するステージのことです。

すべてのゲームに用意されているものではありませんが、通常のステージより難易度が高いものなど普段とは違う楽しみがあるため、お得感や特別感が得られます。

医療での「エクストラ」は”外へ”という意味合い

医療用語にも、「エクストラ」はよく登場しています。たとえば「エクストラセルラー」は”細胞外”、「エクストラコーポリアル」は”体外”という意味です。

ほかにも「エクストラ」が接頭辞として用いられている「エクストラクション(extraction)」は、”摘出”という意味で用いられますが、エステなどの美容業界では毛穴の汚れを取り去る施術のことを指しています。

「EX」は”エクストラ”の略

薬品名のあとに続けて、「EX」という文字が書かれている製品を見掛けることがあります。この「EX」は”エクストラ(extra)”の略で、従来の製品より品質が高いことを示したものです。

なお「EX」は、”速い”という意味の「エクスプレス・エキスプレス(express)」を略したものとしても用いられているため、混同しないようにご注意ください。

「エクストラ」の類語とは?

「特上の」の類語は「スペシャル」

「余分な」という意味合いにおける「エクストラ」の類語としては、日本語訳の“臨時・員外”などがあげられます。一方、「特上の」という意味の類語としては、“スペシャル・スーパー・ウルトラ”などが適切で、いずれもカタカナ語として一般的に使われなじみがある言葉といえるものです。

「エトセトラ」は”その他”という意味

「エクストラ」と似た言葉として、“エトセトラ”があげられます。「エトセトラ」は”その他”という意味のラテン語(et cetera)で「et」は”and”、「cetera」は”他の”ということを指したものです。

英語では「etc.」と表記しますが、読み方は「イーティーシー」ではなく「エトセトラ」です。「エトセトラ」は”~など”と訳し、後から追加するという意味合いでも使われますが、「エクストラ」の言い替えとして使うことはなく、「エクストラ」のように”特別な”という意味もありません。

まとめ

「エクストラ」の意味をはじめ、「エキストラ」との違いや類語なども紹介しました。英語の読みを表記したカタカナ語は、微妙な発音の違いによって異なる表記の語句となるケースがあります。

「エクストラ」と「エキストラ」は、「ボーリング」と「ボウリング」のように元の語句が異なるものではありませんが、慣用的に使い分けがされていることを理解しておきたいものです。