「狭義」の意味と使い方とは?英語表現と類語・対義語も紹介

議論や会議などで、話がかみ合わなくなったという体験を持つ方は少なくないでしょう。これは言葉の意味に幅があることによるもので、関係者が各々言葉を「狭義」に受け止めているためです。この記事では「狭義」の意味と使い方のほか、英語表現や類語・対義語についても紹介しています。

「狭義」の意味とは?

「狭義」とは「限定的な意味」のこと

「狭義」とは、ある言葉が持っている意味の範囲が広い場合、そのなかで限定的に解釈した意味合いのことを指したものです。

熟語に用いられている「狭」という文字は、訓読みの「せまい」がそのまま意味を表しています。もうひとつの文字である「義」は、「意味」のことを表しており、両方があわさって「狭い意味」となっているのです。

「狭義」は言葉の意味を特定するもの 言葉の定義

言葉には複数の意味を持つものが多いのですが、その意味合いは人によって認識が異なることもあります。

会話に加わっている人がある語句に対してそれぞれ別の解釈をしていた場合、話が通じなかったり誤解が生じたりするのです。

そのようなことを防ぐためには、言葉の意味を特定しておくことが必要となります。このような特定された意味合いが「狭義」です。

「狭義」には「符丁」的な用法も

「狭義」とは、一般的ではない特定の意味も指すものです。ある業界内だけで通用する「符丁」や「隠語」は、特殊で限定的な解釈がされたもので、言葉を「狭義」にとらえたものといえます。

たとえば「星」という言葉の一般的な解釈は、太陽と月以外の恒星・惑星・すい星・星団などです。しかし相撲用語としての「星」は勝敗を、警察用語としては犯人もしくは被疑者を指しています。

「狭義」の使い方

「狭義」は言葉を定義したいときに使う

ある言葉をやりとりするとき関係者が同じ解釈で理解できるように、あらかじめ明確な意味合いを提示しておきたいものです。

このようなときに、「狭義の〇〇は~」というように前置きして本題に入ると、誰もが同じ意味合いでその語句を使うことができます。

「狭義」で使う言葉は括弧つきで表現することも

会話ではなく文章で表現するとき、特定の言葉が「狭義」で使われていることを示すため、括弧(「」や『』など)や傍線などが用いられることもあります。

たとえば「定期的に『運動』している」という場合、身体を動かすことではなく、一定の目的のための政治的・社会的な活動のことを指していると理解できるのです。

「狭義」を使った例文

  • 「虫」が狭義で用いられると「昆虫」を指すため、ムカデやクモに対しては使用できない。
  • 一般の人々を集めた公聴会において、言葉を狭義で使うことは不適切だ。
  • Information Technology(情報技術)は、ITの意味合いとして狭義的なものになっている。

「狭義」の英語表現

「狭義」は英語で「narrow sense」

「狭義」を英語で表現すると、「narrow sense」となります。「narrow」は「狭い」、「sense」は「意味」を表しているので、熟語のそれぞれの文字に該当する英単語を当てはめて考えると理解しやすいでしょう。

なお「狭義には〜」と表現したい場合には、前置詞「in」を付けて「in a narrow sense」とします。

「狭義」の類語

「一義」とは「ひとつの意味」ということ

「狭義」と似ている言葉として、「一義」があげられます。「一義」は「ひとつの意味」を指していますが、数ある意味の中のひとつということではなく、ただひとつだけの限定的な意味ということを表しています。

意味をひとつしか持たない言葉はほとんどないため、「一義」にするには人為的な働きかけが必要です。

このような働きかけによって言葉の意味を限定するという点においては「狭義」と同様のものといえますが、「狭義」を「一義」で置き換えることには無理があるため、同義語とはいえません。

「異義」は「異なった意味」のこと

「異義」とは「異なった意味」のことで、「同音異義語」という用法がよくみられます。それ以外で「異義」が用いられるケースは多くありませんが、違う意見という意味の「異議」と同じ意味で用いられることもある言葉です。

なお「異義」と同音の「意義」は、そのもの自体が持つ意味のことや、それによる価値のことを指しています。

「定義」とは意味を明確に限定すること

「定義」とは、物事や言葉の意味を明確な説明によって限定して、他のものと区別できるようにすることを指す言葉です。

「狭義」は「定義」された意味ということになりますが、「定義」は意味を限定するものであり、必ずしも限定的な意味を指すものではありません。

「狭義」の対義語

「狭義」の対義語は「広義」

「狭義」の対義語は、「広義」です。一般的に用いられている意味のことや、ひとつの言葉が持つ意味合いのうち範囲が広い側の意味のことを指しています。

前出の「星」であれば、多くの人がイメージする空にある「星」という意味合いが「広義」のものです。

しかし大相撲の観戦中や刑事ドラマの視聴中であれば、一般の人でも「狭義」の意味合いで理解することができます。

特に断りがなければ「広義」と解釈できる

様々な意味を持つ言葉であっても、特に注釈がなければ「広義」で用いられていると理解して大丈夫です。

しかし、何を持って「一般的」とするかという点については人によって幅があるため、ある程度の注意を払って幅を意識しておく必要があるでしょう。

まとめ

「狭義」の意味と使い方のほか、英語表現と類語・対義語なども紹介しました。国語辞典が定期的に改訂されることからもわかるように、言葉は時代の流れの中で意味が変わったり、異なる意味合いや用法が加わったりするものです。

正しい意味合いで使われることより、本来誤用であったものが主流になることさえありますが、その言葉が使われている場での意味を取り違えないようにすることこそ、コミュニケーションにおいて最優先したいことといえます。